第2話


五「ごめんごめん。待った?」


悠「どこ!?ねぇここどこ!?」


漏「ソイツは…!(宿儺の器…!)」



首根っこ掴まれてる悠仁、なんか可愛いな

「悠仁、安心して。オレも分かんない」

悠「え、そうなの!?」



五「見学の虎杖悠仁君です。あー、ちなみにこの子も見学です」


あ、オレも見学だったのね



悠「富士山!!頭、富士山!!」


いやぁ、さすが悠仁
ちゃんと突っ込んでくれる



漏「なんだ、そのガキは。盾か?」

五「盾?違う違う。言ったでしょ、見学だって。今、この子に色々教えてる最中でね。ま、君は気にせず戦ってよ」


一方悠仁は、なぜ湖に沈まないのか不思議がってる
可愛いなぁ


漏「自ら足手まといを連れてくるとは、愚かだな」


五「大丈夫でしょ。だって君、弱いもん」



その瞬間、呪霊がキレた


漏「舐めるなよ小童が!!!そのニヤケ面ごと飲み込んでくれるわ!!!!」




悠(コイツが…弱い…??今までのどんなバケモノより遥かにバケモノ!!)


悟は安心させるかのように、悠仁の頭にポンっと手を置いた


五「大丈夫。僕から離れないでね」



目の前には特級呪霊がいるのに
悟の「大丈夫」という言葉は、本当に大丈夫なんだって思えるんだよね




漏「領域展開!!『蓋棺鉄囲山』」



オレたちは、呪霊の領域へ閉じ込められた

なんだろ
火山の中?みたいな場所


悠「なっ…!なんだよこれ!!」

「あ、もしかして悠仁、領域展開初めて見た?」


悠仁は、必死に頷いてる


「これが『領域展開』。術式を付与した生得領域を呪力で周囲に構築する」

五「君たちが少年院で体験したのは術式の付与されていない未完成の領域だ。ちゃんとした領域なら、一年全員死んでたよ。恵は分かってたんじゃないかな」


確かに、恵ならそういうの分かりそう


五「領域を広げるのは滅茶苦茶呪力を消費するけど、それだけに利点もある。一つは環境要因によるステータス上昇。ゲームの『バフ』みたいなもんだね」


悠仁は、アチアチ言ってる
まぁ熱いよね



五「もう一つ」



目の前には、呪霊が仕掛けてきた攻撃が迫る
だが、悟の腕で粉砕された


五「領域内で発動した付与された術式は絶対当たる」

悠「絶対!?」

五「ずぇーったい。でも安心して。対処法もいくつかある。今みたいに呪術で受けるか。これはあまりオススメしないけど領域外に逃げる。大抵無理。そして…」


漏「貴様の無限とやらも、より濃い領域で中和してしまえば儂の術も届くのだろう?」

五「うん。届くよ」



悟…目隠し外そうとしてる



五「領域に対する最も有効な手段。こっちも領域を展開する。同時に領域が展開された時、より洗練された術がその場を制するんだ。相性とか呪力量にもよるけど」


漏「灰すら残さんぞ!!五条悟!!!」



そして、目隠しが完全に外れた






五「領域展開。『無量空処』」





世界が一変した



すごい…
悟の領域展開なんて、滅多に体験できるものではない






漏(何が起こった…。儂の領域が押し負けたのか?何も見えん…何も感じん…。違う。何もかも見える!!全て感じる!!いつまでも情報が完結しない!!故に何もできん!)




悟は呪霊の頭を後ろから掴んだ


五「ここは無下限の内側。知覚、伝達。生きるという行為に無限回の作業を強制する。皮肉だよね。全てを与えられると何もできず、緩やかに死ぬなんて。でも君には聞きたいことがあるから、これくらいで勘弁してあげる」



そう言って、呪霊の頭を身体から引きちぎった



五「さて。誰に言われてここに来た」


悠(これが呪術師最強…!生き物としての格が違う!! )


五「命令されて動くタイプじゃないか…。僕を殺すと何かいいことがあるのかな?どちらにせよ相手は誰だ?早く言えよ、祓うぞ。言っても祓うけど」


悟の足に踏まれる呪霊の頭


悠「っていうか、呪いって会話できんだね。普通すぎてスルーしてたわ」



「…悟!!」

五「!!」




突然何か植物のようなものが悟と呪霊を引き離すかのように突き刺さった

そして一瞬にして視界が花畑になった



「うわっ…きれー!」

悠「お花だー」

五「わぁー」


なぜかほっこりする三人



五(呪術?だよな。戦意がそがれる)



「あっ」

悠「げっ」


悠仁とオレの足に突然木のつるみたいなものがからまり、空中に引っ張られる

その隙に、術を放ったもう一体の呪霊が、頭だけになった呪霊を抱えて逃げる



悠「先生、俺は大丈夫!!ソイツ追って!!」

「あ、これ食われるやつだ」

悠「ゴメン嘘!!ヘルプ!!」




オレは自分の体術で難なく脱出

悠仁は悟によって助けられた



五「へぇ。(気配を消すのが上手いな。火山頭よりもよっぽど不気味だ)」


悠『どーもスミマセンでした。私のせいで逃げられてしまいまして。でもここに連れてきたのは先生ですよね?悠仁』


悠仁が土下座しながら心の声を悟に向けてる
可愛いなぁ


五「このレベルの呪霊が徒党を組んでるのか。楽しくなってきたねぇ。悠仁…っていうか皆にはアレに勝てる位強くなってほしいんだよね」

悠「アレにかぁ!!」

「アレかぁ」


オレ勝てるかなぁ



五「目標は具体的な方がいいでしょ。いやー、連れてきてよかったー」

悠「いや、何が何だか分かんなかったんだけど。マジかこの人」

五「目標を設定したら後はひたすら駆け上がるだけ。ちょっと予定を早めてこれから一月映画観て僕&白夜と戦ってを繰り返す」

悠「先生&白夜先輩と!?」

「オレも初耳」



五「悠仁と戦う=白夜のリハビリになる!ほら、一石二鳥!」


まぁそうね…?



五「その後は実戦。重めの任務をいくつかこなしてもらう。基礎とその応用しっかり身に付けて、白夜と一緒に交流会でお披露目といこうか」


悠「はい先生!!」

五「はい悠仁君!!」

悠「交流会って何?」

五「………言ってなかったっけ?」

「………悟」









(そういや学長のところに行く途中だったんじゃ…?)
五(あ……。)
(…大丈夫かなぁ)
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