第1話
漏「楽しくなってきた…か。危機感の欠如」
うわ…頭から何か出てきた
五(わざわざ人のいない所で、いや、他の術師の加勢を避けたのか。ま、白夜がいたことは知らなかったみたいだけど)
漏『火礫蟲』
「え、蟲!?気持ち悪いんだけど!」
すると、悟にすっと腰を抱き寄せられた
五「危機感の欠如…ね。(ま、僕を狙ってきたのは確かだね)」
違う意味でドキドキが…!
五「これ、当たるとどうなんの?」
するとけたたましいほどの音が鳴り響いた
と思ったら今度は爆発した
オレは悟に抱えられ空中に
ちなみにこうやって浮いたり瞬間移動するのはオレにはできない
そこまで高度に無限を扱えないからだ
オレにできるのは身体に纏う程度
五「音と爆発の二段構え。器用だね」
その間にも呪霊が悟の頭を燃やし、身体にも炎をぶつける
もちろんオレにも炎がぶつけられる
漏「……こんなものか。蓋を開けてみれば弱者による過大評価。今の人間はやはり紛い物。真実に生きておらん。万事醜悪。反吐が出る。本物の強さ、真実は死をもって広めるとしよう」
五「この件、さっきやったよね。学習しろよ」
「けほっ、けほっ……また煙い……」
白夜、大丈夫?と心配してくれる悟
漏「どういうことだ」
五「んー、簡単に言うと当たってない」
漏「馬鹿な。さっきとはワケが違う。儂は確かに触れて殺した」
五「君が触れたのは、僕との間にあった『無限』だよ」
漏「?」
五「教えてあげる。手出して」
悟はそう言って自身の手を出す
呪霊は探るように、そっと手を出した
だが、呪霊の手が悟の手に触れることはなく
五「ね」
漏(触れられん…!寸前で止まる。これが『無限』…?)
五「止まってるっていうか、僕に近づく程遅くなってんの。で、どうする?僕はこのまま握手してもいいんだけど」
漏「…断る」
五「照れるなよ。こっちまで恥ずかしくなる」
そう言って悟は呪霊と手を繋いだ
しかも恋人繋ぎ
くぅ…!
恋人繋ぎなんて、オレすら数える程しかしたことないのに!
いやいや、何呪霊に嫉妬してんのオレ
漏「貴様っ!!」
そして悟の反撃が始まった
空いてるほうの手で呪霊に打撃を食らわせる
五「まだまだ」
今度は連続打撃
五「無限はね。本来至る所にあるんだよ。僕の呪術はそれを現実に持ってくるだけ。『収束』『発散』。この虚空に触れたらどうなると思う?」
悟の指から赤い玉のようなものが
五「術式反転 『赫』」
その瞬間ものすごい衝撃が呪霊へぶつけられる
ぶっ飛ぶ呪霊に悟は追い討ちをかけるかの如く、湖らしき場所へ蹴り飛ばした
五「あ、ちょうどいいか。白夜、1回戻るよー」
「え?」
戻るって……
気づいたらそこは、さっきまでいた悠仁のいる地下の部屋だった
悠仁はというと、言い付け通り呪骸に触れながら映画を観ていた
悠仁すごい…
呪骸を全く起こさずに観てる
飲み込みが早いんだ
五「悠仁」
突然の声にビクッと反応した悠仁
悠「五条先生!?白夜先輩も!」
話しかけても呪力を一定に保ってる
悠「用事は!?」
五(早めに出力上げて、さっさと次の段階進めそうだね)
悠「?」
五「出かけるよ、悠仁」
悠「えぇ!?」
五「課外授業。呪術戦の頂点。『領域展開』について、教えてあげる」
悠(白夜先輩どゆことか分かる!?)
(悟が先生するってことじゃない?)
五(ほらほら話してないで行くよー?)