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第壱話


「…あの子のところへ行くんですね」

鱗滝「あぁ、嫌な予感がするんでな。おまえは寝ていろ」


そう言って、先生は出ていった

「寝ていろ、か…」


ただ待つのも暇だし、確かに眠い
ここは言うとおり寝ていよう



そして、次の日の夕方だった


「…!」

気配を感じたオレは外に出た


「…炭治郎」


そこには、息絶え絶え状態の炭治郎と、先生がいて


炭「は、白夜、さん…遅く、なり、ました…」

「お、おう…」


大丈夫か?


炭「こ、これで…俺はっ…認めてもらえましたか?」

鱗滝「試すのは今からだ。山に登る」


その言葉に炭治郎が驚愕していた

あぁ、山ね
一番最初にやった時、オレもかなりしんどかった
まじで死ぬかと思ったもん


「山に登るなら、禰豆子はオレが預かるよ。背負ったままじゃ辛いだろうし」

炭「あ、ありがとう…ございます…」


ほんとに大丈夫か…?


二人が山へ行ってしばらくすると、先生が帰って来た


「お帰りなさい、先生」

鱗滝「あぁ」

「…どうですか?炭治郎は」

鱗滝「…まだわからん。だが、あの子は優しすぎる。鬼に同情してトドメをさせなかった」

「…確かに炭治郎は優しすぎるところがあります。でも、それ以上に強い意志を持っています。どんな状況でも冷静に周りを見て考えて行動できる子です」

鱗滝「…そうだな。だが育てるかどうかは、山を降りられるかどうかで判断する」

「…はい」


オレは心配などしていなかった
なぜなら、炭治郎は必ず戻ってくると信じていたから






炭「…戻り、ました……」



そして、夜が明ける少し前に炭治郎は戻ってきたのだった


炭治郎はそのまま気を失ってしまった


鱗滝「…お前を認める。竈門炭治郎」


炭治郎…よくやったな
だけど、始まりはこれからだよ



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次の日から修行が始まった

最初は山下り
それから刀の素振りや呼吸法

オレは懐かしさを感じながら炭治郎とともに修行をした
まぁ、暇だったし、身体がなまりそうだったから


炭「やっぱり、白夜さんはすごいです。俺、全然着いていけなかった」

「そりゃオレも同じ訓練を受けてるからね。できるのは当然だよ」


炭治郎に、オレが柱だということは言っていない
今は別に伝えなくてもいいと思ってる
鬼殺隊に入れば嫌でも柱の存在を知ることになるのだから

余計なことは考えず、今は最終選別に向けて強くなること
それだけを考えてほしい


そしてオレは先生と交代で、受け身の訓練で炭治郎を転がしまくった

それから簡単な手合わせもした

オレは木刀
炭治郎は真剣で


「遅い。そして振りが甘い。もっと腰入れて!」

炭「はい!」



炭治郎との訓練は、そう長くは続かない
オレは鬼殺隊の大黒柱だから


カァカァ

「カラス…」


オレの鎹カラスが肩に乗る


『任務再開!北東ニ向カエ!鬼ガイルトノ噂!』


「…分かった。すぐに準備する。二人に別れの挨拶だけさせて」



オレは発つ準備をし、先生のところへ


「先生」

オレの顔を見て、先生は察してくれた


鱗滝「行くのか」

「…はい。少しの間でしたが、お世話になりました。先生のご飯、久しぶりに食べられて嬉しかったです」

鱗滝「そうか。また来るといい。いつでも飯くらい作ってやる」


先生…

「ありがとうございます…」

鱗滝「…白夜、死ぬなよ」

「…!はい」



先生との挨拶を終えて、オレは炭治郎のもとへ


「炭治郎」

炭「あ、白夜さん!」

「悪いんだけど、もう訓練を見てやれなくなった。任務再開になったんだ」

炭「…そう、なんですか。寂しくなりますね」

「君が鬼殺隊に入れば、また会えるよ。だから炭治郎。最終選別、必ず生き残れ。禰豆子のためにも」

炭「…はい!白夜さん、稽古をつけてくださり、ありがとうございました!」

「…あぁ、どういたしまして。それじゃあね」




オレは任務のため、狭霧山を離れ北東へ向かった





(…炭治郎、君ならきっと入れるよ。鬼殺隊に)
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