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第拾漆話


「すっかり夜になったね。そろそろ戻る?」

義「そうだな…」




その時だった



カラス「緊急召集ーッ!!緊急召集ーッ!!」



「…ッ!!?カラス、どうした!?」



カラスがこんなに慌てていることなど、見たことがなかった
オレはただ事ではないと感じた



カラス「産屋敷邸、襲撃ッ!!産屋敷邸、襲撃ッ!!」




「「「ッ!!!?」」」





お館様…!!!



「行くぞっ!!」



炭治郎と義勇は頷いて、オレたちは全速力で産屋敷邸へと向かう




急げ…っ!

お館様…!!











ドーーーン!!!!!










爆発音とともに、産屋敷邸は炎に飲み込まれていた




「…っ!!!!」



…お館様……

その時が、来たんですね…










そこに向かうと、お館様の読み通り無惨がいた


どうやら珠世さんが無惨を押さえつけ、動けなくしている様子

一足先に着いていた行冥さんが、技を出している


そして、周りを見渡せば他の柱たちも全員集まってきていた



行「無惨だ!!鬼舞辻無惨だ!!奴は頚を切っても死なない!!」




「…無惨っ!!!」




実(コイツがァ!!!!)

蜜(あれが…!!)

小芭(あの男が!!)

義(奴が…!!!)

し(鬼舞辻!?)




炭「無惨!!!!」





「…光の呼吸 弐ノ型…!」




オレ含め、全員が技を出そうとした瞬間だった



「…っ!?」



足場に突然襖が現れ、開く
全員がそこへ落とされていく



無「これで私を追い詰めたつもりか?貴様らが行くのは地獄だ!!目障りな鬼狩り共、今宵皆殺しにしてやろう」


炭「地獄に行くのはお前だ無惨!!絶対に逃がさない、必ず倒す!!」


無「やってみろ、できるものなら。竈門炭治郎!!」




「…無惨!!」


無「…残念だ、白夜。鬼ならば助けてやれたものを。人間に戻ってしまったなら、お前を殺すしかない」


「……構わない、助けなんていらない!オレは義勇と生きていく!」








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「…ここに来るのも三度目だ」


もうすっかり見慣れた無限城


どうやら皆と離れてしまったらしい
気は抜けない
そこら中から鬼が沸いて出てくるかのように、向かってくる


「…水の呼吸、肆ノ型、打ち潮!」



無惨との戦いが控えている今、光の呼吸は体力消費が激しいため、こんなところで使うわけにはいかない
少しでも体力温存しなきゃ、無惨には勝てない



「…義勇、」



義勇は柱で、とても強いことは知っているけど
それでも心配してしまう







しばらく鬼を切っていた時だった




『カァー!!胡蝶シノブ、死亡!!上弦ノ弐ト格闘ノ末死亡ー!!』



「…え?うそ、だよね……」




しのぶが、死んだ……?




「…っ、くそぉっ!!!」




ごめん…ごめんな、しのぶ

オレがそばにいたら、お前を助けられたかもしれないのに…




「…こんなとこで、足止め食らってるわけにはいかないんだよぉ!!」


水の呼吸 拾ノ型 生生流転









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「くそ…誰にも会わない…!上弦にすら…!」



雑魚の鬼ばかり切っていても、皆を助けられない

その時、またカラスがやってきた


頼む…!訃報だけはやめてくれ…!



『カァー!!炭治郎・義勇、上弦ノ参撃破!!疲労困憊ニヨリ意識保テズ失神!!』



「…っ!!炭治郎…義勇!!良かった…生きてた……っ」


二人とも…頑張ったんだ






それから、カラスの報告は続き…



善逸により、上弦ノ陸撃破

しのぶ、カナヲ、伊之助により、上弦ノ弐撃破

玄弥、無一郎、実弥、行冥により、上弦ノ壱撃破
だが、そのうち玄弥と無一郎は戦いの中で亡くなった







『白夜!ソノママ真ッ直グ進メー!ソノ先ニ無惨ガイル!』



「………」




無惨…!!











(死んでいった仲間たちのためにも、必ず無惨を…!)
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