第拾肆話
オレは皆からもらった菓子を、黙々と食べていた
そんな時、外から何やら騒がしい声がする
気になったオレは、面を着けて外へ
「……何、やってんの…?」
天「よぉ、白夜じゃねぇか!」
そこには柱である宇随天元と蝶屋敷の女の子たち、カナヲ、アオイ
そして炭治郎に善逸、伊之助がいた
「…これは、何の修羅場?なんか、悲鳴が聞こえたんだけど」
すると三人の女の子が教えてくれた
天元がアオイをさらおうとしていたと
「…天元。お前、最低だな」
天「ちげーよ!俺はそういうつもりで連れていこうとしたんじゃねぇ!これから行く任務に女の隊士が必要だっただけだ」
「…ふーん、それで?」
炭「俺たちが代わりに行きます!」
…なるほど
天「そうだ白夜。お前にぴったりの任務なんだ。お前も一緒に来てくれ」
「は?いや、なんでだよ」
てか、俺にぴったりの任務ってなに?
天「お前は女装なんて必要ないからな。誰がどう見ても女だ」
「……ねぇ、殴っていい?軽く侮辱された気分なんだけど」
天「頼むぜ白夜。ここまでお前におあつらえ向きの任務なんて他にねぇって」
「…一応聞くけど、どういう任務?」
天「遊郭に潜入し、鬼の情報を探る」
………。
「え。オレの聞き間違いかな?遊郭?」
天「間違ってねぇよ」
「…遊郭!?いやいや、天元分かってる!?オレ、姿は女っぽいかもしれないけど、身体は男なんだよ!?服剥ぎ取られたらおしまいよ!?」
天「…そこまで身体張れとは言ってないが、まぁそうだな。白夜なら間違いが起こらないとも限らねぇか」
「間違いってなに!?ねぇ、天元!?」
天「まぁなんだ。白夜なら男だとしてもイケるやつはイケんじゃね?」
「馬鹿なの!?」
「「「………」」」
オレと天元の終わらない言い合いに、呆気にとられている炭治郎たち
「…遊郭潜入とか絶対怒るよぉ……」
天「誰が怒るんだよ」
「そんなの決まってるでしょ。義勇だよ」
天「冨岡ァ?なんで冨岡が怒るんだよ?」
あ、そっか
天元は知らないんだ
オレと義勇の関係を
「とにかく、義勇が怒る未来しか見えないので遠慮させていただきます」
天「遠慮すんなって。最悪鬼とは俺たちでやるからよ。白夜は潜入して情報を探るだけでいい」
「いやいや、そういう問題じゃないの分かってないよね!?義勇が怒ったらどうしてくれんの!天元責任取れるのか!?」
天「責任ってどうすりゃいいんだよ」
「オレは義勇に対してこう言います。『オレは拒否したんだよ?でもね?天元がオレを無理やり遊郭に潜入させたんだ。オレは嫌々だったんだ!』ってな感じで全てを天元のせいにする。てか嘘は言ってないし」
あ、そうだ
一応義勇に聞いてみるか
オレは女の子たちに筆と紙を用意してもらった
天「何やってんだ?」
「義勇に聞いてみるんだよ」
そして、オレはカラスに文をくくりつけ、義勇のところまで運んでもらった
天「んなこと聞かなくても、冨岡なら『任務なら仕方ない』つって許すに決まって…」
「あ、返事来た」
天「…いや、早くね?」
「えーっと、何々…?『駄目だ。』」
天「あぁ!?」
いやー、見事に三文字しか書いてない
だから返事が早かったのか
天「…まじで三文字しか書いてねぇし」
「ほら見なさい。やっぱり許可出なかったよ」
その時、炭治郎のカラスが文を持ってやってきた
それを受け取った炭治郎がオレの顔を見る
「?」
炭「白夜さん、珠世さんから返事が来ました。お会いしてもいいそうです!その代わり指定された場所に1人で来てほしい、とのことです」
「そうか、分かった。天元、悪いけど用事が出来たからやっぱり行けない」
天「しょうがねぇな…」
「まぁ天元がいるし、炭治郎たちもいるならきっと大丈夫だよ」
天「まぁな!」
そんだけ自信に溢れてるなら大丈夫だな
善(…白夜さんの音……ほんとに鬼なんですね…)
(あ、そっか。鬼になってから善逸と会うの初めてだね)
炭(善逸、白夜さんは鬼になってしまったけど、記憶は戻ってて…)
善(分かってるよ。鬼ってこと以外は何も変わらないって)
(ありがとう、善逸)