第拾壱話


義「…白夜、大丈夫か?」

「うん…いや、ちょっと大丈夫じゃないかも…」




オレと義勇は現在、鬼殺隊本部に来ている


お館様から、柱合会議を○日にするから、来てね。と手紙の返事が来たのだ


そして、オレは一足先にお館様に挨拶しに行く途中なのだが



さすがのオレも緊張で足がおぼつかない



義「…白夜」

「ん?って、わっ…!」



義勇に突然抱き締められた



「…あ、なんか、落ち着く」



義勇の包容力ってすごいなぁ…
それに義勇の匂いも、とても落ち着く




しばらく抱き締められたあと、そっと義勇が離れた


「あ…」


終わってしまった…
ずっと抱き締められたかった…




義「切なそうな顔をするな。柱合会議が終わったらいくらでもする」

「うん…ありがとう、義勇。もう大丈夫」


義「そうか。オレは他の柱とともに待っている」


「分かった。じゃあ行ってくるね」




義勇と別れ、オレはお館様のところへ




オレは深呼吸をした後


「…お館様、白夜です」


産「お入り」


お館様の優しい声が聞こえて、オレはそっと襖を開ける


お館様はいつも通りの様子で座っていた


「…失礼致します。お館様、この度はご迷惑をおかけして本当に申し訳ございません」


産「…白夜、謝ることはないよ。白夜が悪いわけじゃないんだからね。それより、その様子だともしかして記憶が戻ったのかい?」

「はい。義勇のおかけで思い出せました」

産「そうか、それは何よりだ」


「お館様…これからオレはどうしたらいいんでしょう…鬼となってしまったのだから、鬼殺隊を抜けろと言われても従うほかありません…」



するとお館様はニコッと笑った



産「白夜、私はね、変わらず鬼殺隊の大黒柱として皆をまとめてほしいと考えているんだよ」


え…?


「で、でも!柱たちや下のものが納得するはずありません」

産「…それは、柱の意見を聞いてからでも遅くはないと思うよ。白夜はもっと自分が好かれているという自覚を持ったほうがいいね」


「…好かれている自覚、ですか…」


産「そうだよ。それに、白夜が鬼殺隊を抜けてしまうと、こうして纏まっている鬼殺隊が崩れてしまうかもしれない」


「そんな。大袈裟です。オレ一人抜けたところで…」


産「白夜。君は大黒柱だ。大黒柱というのは、居なくなれば主軸を失うのも同然。一気に崩れて終わりなんだよ。それを支えているのが大黒柱。そこにいるだけで場が安定する。白夜が鬼殺隊を抜けるというのは、それだけ大きなことなんだよ。だからこそ、大黒柱になりうる存在は希少だと言われている」


「…お館様」


産「さぁ、そろそろ皆とも話し合いをしよう。早く皆に白夜の姿を見せてあげたいからね」


「……はい」





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産「やぁ皆。急な招集に出向いてくれてありがとう。杏寿郎、身体のほうは大丈夫なのかな。無理はしないようにね」


杏「ありがたきお言葉!」


産「それじゃあさっそく本題に入ろう。今日は白夜のことで皆に報告したいことがあってね」



その言葉に、柱たちが息を飲む




産「まず最初に。白夜が見つかったということ」


杏「それは本当か!お館様!!」

し「煉獄さん、大きな声を出さないでください。傷口が開いたらどうするんです」

杏「す、すまない…つい…」

し「気持ちは分かりますが」



実「お館様、白夜はどこに?どんな様子ですか」



産「…そうだね。それは直接会ってもらえれば分かるよ」


蜜「直接って…」

天「まさか…」





襖がスッと開き、そこから狐面をした見覚えのある羽織と髪の青年が現れる




柱たちは目を見開き、驚きを隠せない
一名を除いて






「……みんな、久しぶり」










(あ…杏寿郎がいる。良かった…なんとか生きてた…)
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