第拾話
白夜side
義勇に連れられ、やってきたのは甘味屋
もしかしてオレのために…?
『あら!白夜さんじゃないか』
突然、甘味屋のおばちゃんに声をかけられた
義「…白夜だと分かるのか?」
そうだ
オレは面をしていて、顔は見えない
それなのに、この人はオレだと分かっている
『当たり前じゃない。何回買ってもらったか。いつもと違って変な面して髪を下ろしてるけど、私は白夜さんを間違えたりしないよ。なんたって常連様だからね。それにほら!特徴的な羽織してるだろう?この羽織してるの白夜さんしかいないからね!』
「……」
なるほど、確かに羽織は特徴的だ
そうか
人間のころに、オレはここによく来ていたのか
『ここに来たってことは、うちの菓子を買いに来てくれたってことでしょう?』
「えと…」
義「そうだ。白夜がいつも頼んでいるものを、できるだけたくさん見繕ってくれ。金はこれで足りるか」
『こんなに!?よし、分かったよ。ちょっと待ってな。すぐ用意してやるからね』
おばちゃんはいそいそと用意し始めた
「ぎ、義勇…!オレ、そんなお金持ってないし、返せないよっ…!」
義「…返す必要はない。そもそも柱は好きなだけ給料がもらえる」
「え…そうなのか…?でもでも…!」
義「…白夜はまだ鬼殺隊の籍を抜けていないはずだ。お前も言えば好きなだけ給料がもらえる」
「え…そう、なのか…。」
お互い好きなだけもらえるなら、義勇にお金を返してもあまり意味はないってことか…
『白夜さん、おまたせ!いつもの甘味たくさん入れてあるからね!』
「あ、ありがとうございますっ…」
『そんなかしこまらなくても、いつもみたいに敬語はいらないよ』
「あ…えと、ありがとう」
『あ、そうだ!白夜さんが前に言ってた、ここに連れて来たい想い人ってこの人だろう?良かったね、一緒に来れて!とてもお似合いだよ!』
「えっ…?」
想い人…!?
義「………」
義勇の顔を見たが、相変わらず表情が変わってない
むぅ…これ、どういう表情!?
そして、甘味屋を後にしたオレと義勇
「あ、あはは。さっきの人、冗談上手いよな」
義「………」
え、何も言わない!?
義「…白夜。お前の想い人が誰なのかは、俺の口から言えることじゃない」
「え…」
義「想い人が誰か。それは今のお前が決めることだ」
「…そっか。分かったよ、義勇」
義「だが、これだけは変わらない」
「?」
義「白夜は、俺が守る。必ず」
「…っ!」
なんだ、この心のざわめきは
この言葉を言われると、心が締め付けられる
バクバクと、心臓が脈を打つ
その時、義勇の烏が手紙を持ってきた
義「…お館様からの返事だ。白夜、読んでみろ」
「うん」
義勇から渡された、お館様からの手紙にはこう記されていた
『義勇と共にいるんだね。
それは安心した。
白夜が義勇のところにいることは、誰にも言わないでおくよ。皆が駆けつけたら、白夜が混乱してしまうだろうからね。白夜が無事で本当に良かった。
白夜には、こう伝えてくれるかな。
私達は白夜が人を喰わない限り、決して手荒なことはしない。だから、もし私に会いに行くことを迷っているなら、安心して来てほしい。もちろん無理にとは言わない。行ってもいいと思えた時に来てほしい。と。
その間は義勇、白夜のことを頼んだよ』
「…義勇が言ってたとおり、お館様ってとても優しい人なんだな。それがすごく伝わってきた」
義「…そうだな」
(そういえばさ。手を繋いでるから、想い人だって言われたんじゃないか?)
義(………)
(いや、だからその顔はどういう感情なんだ!?)
義勇に連れられ、やってきたのは甘味屋
もしかしてオレのために…?
『あら!白夜さんじゃないか』
突然、甘味屋のおばちゃんに声をかけられた
義「…白夜だと分かるのか?」
そうだ
オレは面をしていて、顔は見えない
それなのに、この人はオレだと分かっている
『当たり前じゃない。何回買ってもらったか。いつもと違って変な面して髪を下ろしてるけど、私は白夜さんを間違えたりしないよ。なんたって常連様だからね。それにほら!特徴的な羽織してるだろう?この羽織してるの白夜さんしかいないからね!』
「……」
なるほど、確かに羽織は特徴的だ
そうか
人間のころに、オレはここによく来ていたのか
『ここに来たってことは、うちの菓子を買いに来てくれたってことでしょう?』
「えと…」
義「そうだ。白夜がいつも頼んでいるものを、できるだけたくさん見繕ってくれ。金はこれで足りるか」
『こんなに!?よし、分かったよ。ちょっと待ってな。すぐ用意してやるからね』
おばちゃんはいそいそと用意し始めた
「ぎ、義勇…!オレ、そんなお金持ってないし、返せないよっ…!」
義「…返す必要はない。そもそも柱は好きなだけ給料がもらえる」
「え…そうなのか…?でもでも…!」
義「…白夜はまだ鬼殺隊の籍を抜けていないはずだ。お前も言えば好きなだけ給料がもらえる」
「え…そう、なのか…。」
お互い好きなだけもらえるなら、義勇にお金を返してもあまり意味はないってことか…
『白夜さん、おまたせ!いつもの甘味たくさん入れてあるからね!』
「あ、ありがとうございますっ…」
『そんなかしこまらなくても、いつもみたいに敬語はいらないよ』
「あ…えと、ありがとう」
『あ、そうだ!白夜さんが前に言ってた、ここに連れて来たい想い人ってこの人だろう?良かったね、一緒に来れて!とてもお似合いだよ!』
「えっ…?」
想い人…!?
義「………」
義勇の顔を見たが、相変わらず表情が変わってない
むぅ…これ、どういう表情!?
そして、甘味屋を後にしたオレと義勇
「あ、あはは。さっきの人、冗談上手いよな」
義「………」
え、何も言わない!?
義「…白夜。お前の想い人が誰なのかは、俺の口から言えることじゃない」
「え…」
義「想い人が誰か。それは今のお前が決めることだ」
「…そっか。分かったよ、義勇」
義「だが、これだけは変わらない」
「?」
義「白夜は、俺が守る。必ず」
「…っ!」
なんだ、この心のざわめきは
この言葉を言われると、心が締め付けられる
バクバクと、心臓が脈を打つ
その時、義勇の烏が手紙を持ってきた
義「…お館様からの返事だ。白夜、読んでみろ」
「うん」
義勇から渡された、お館様からの手紙にはこう記されていた
『義勇と共にいるんだね。
それは安心した。
白夜が義勇のところにいることは、誰にも言わないでおくよ。皆が駆けつけたら、白夜が混乱してしまうだろうからね。白夜が無事で本当に良かった。
白夜には、こう伝えてくれるかな。
私達は白夜が人を喰わない限り、決して手荒なことはしない。だから、もし私に会いに行くことを迷っているなら、安心して来てほしい。もちろん無理にとは言わない。行ってもいいと思えた時に来てほしい。と。
その間は義勇、白夜のことを頼んだよ』
「…義勇が言ってたとおり、お館様ってとても優しい人なんだな。それがすごく伝わってきた」
義「…そうだな」
(そういえばさ。手を繋いでるから、想い人だって言われたんじゃないか?)
義(………)
(いや、だからその顔はどういう感情なんだ!?)