このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

第捌話


その後、白夜という鬼の存在が、すぐにお館様や柱たちに伝えられた

もちろん柱たちが集まるのは、治療中の煉獄のもとである



天「白夜に会ったって、まじなのか!?」

杏「…あぁ」

し「煉獄さんのお話によれば、致命傷で死ぬはずだった傷を白夜さんが塞ぎ、命を救われたと」


杏寿郎は頷く


実「それは本当に白夜だったのかよ」

杏「間違いない」

小芭「なぜそう言い切れる?」

杏「…まずその出で立ち。特徴的な銀髪。その髪は前と違って結んではいなかったが。服装も変わりなく隊服といつもの羽織を着ていた」

小芭「姿形ならいくらでも真似できる」

杏「決定的な根拠は他にある。それは、白夜が所持していた光輝く刀を持っていたこと。そして、その刀で光の呼吸を使ったということだ」


し「なるほど。確かに、光の呼吸を使えるのは、白夜さんしかいないですから」


実「…そうか。なら、白夜は鬼になり、生きているってこったな」

杏「狐の面をしていて、顔は確認できなかったが、あれは間違いなく白夜だった」


その言葉を聞いて、今まで無言だった1人が反応した



義「…!狐の、面…」

し「冨岡さん?何か心当たりがおありなのですか?」


義「…最終選別の前、先生から必ず狐の面をもらうという習慣があった。恐らくその面は、その時にもらったものだ」

無「…つまり、白夜さんで間違いないってこと?」

義「…あぁ」

蜜「白夜さん…師匠を助けてくれたってことは、ここに戻ってきてくれるかもしれないんじゃない!?」


杏寿郎は呟く


杏「…本部に来ないかと誘ったのだが、拘束されて自由に行動できなくなる、と言って断られてしまった」

天「なんだそりゃ。普通殺されるから嫌だ、だろ。やっぱり白夜は鬼になっても白夜だな」

し「でも裏を返せば、拘束などせず、自由に行動できれば、本部に来てもいいということですよね?」


しのぶの発言に、皆が固まる


行「なるほど確かにその通りだ」

蜜「そっか!しのぶちゃん頭いい!」

実「…だが、それは白夜がまだ人を喰ってなければの話だ」

杏「白夜と会った時点では、人は喰ってないようだった。鼻の利く竈門少年にも聞いたが、やはり人を喰った匂いは全くしなかったそうだ」


義「白夜は人を喰ったりしない」


実「そうかよ。ならさっさと見つけて連れ帰らねぇといけねぇよなぁ」


し「拘束しないことと、自由に行動していい。ということをお館様に許可していただけるように、話をしておきます。もし次、この中の誰かが白夜さんと接触した場合、拘束をしない。とちゃんとお話をして、連れ帰るようお願いしますね」




------------------------------


義「……白夜(…早く白夜に会いたい。姿を見たい。たとえ、俺のことを忘れていたとしても)」


し「…冨岡さん。白夜さんのことを考えてたんですか?」

義「…あぁ」

し「…白夜さん、鬼になっても理性を失わず、煉獄さんのことも助けた。すごいことです」

義「…そうだな」


し「煉獄さんの話によれば、前の柔らかい話し方とは少し違っていて、男らしい話し方になっていたそうです。記憶を失うと、話し方が変わってしまうのかもしれませんね」

義「話し方が変わっても、白夜は白夜だ」

し「…はい、そうですね。私も、そう思います」


義「…早く探しださなければ。きっと1人で心細い思いをしているに違いない」

し「…冨岡さんは本当に白夜さんのことが好きなんですね」

義「…当然だ」


義勇の言葉に笑顔を浮かべるしのぶ


し「気になっていたんですが、以前から白夜さんと特別仲がいいみたいですけど、どういう関係なんです?」

義「…白夜とは同門だ」

し「それは知ってますよ。そういうことではなくですね。例えば…恋仲、とか」


例えばですよ?と念押ししたしのぶだが



義「…そういうことか。なら答えは、今胡蝶がいった通りだ」

し「…え?恋仲ってことですか!?」

義「そうだが、何か問題でもあるのか」

し「い、いえ!もしかして…とは思っていましたが、本当に恋仲だったとは…。正直驚きました。でも、そうですね。冨岡さんのことを理解できるのは、白夜さんしかいませんし、いいと思いますよ。白夜さんが冨岡さんのものだと思うと、少し悔しいですが」


義「…悔しい?」


し「気にしないでください。今のは、白夜さんのことを好いている全員を代表して言った言葉なので」


義「…そうか」









義(白夜は今どこで何をしているのだろうか…)
3/4ページ
スキ