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第漆話


そして、朝を迎えた


義「…ん、白、夜…?」


夜、隣にいてくれた白夜がいない
まさか。と思い、周囲を確認する義勇


すると

「あ、義勇。起きたんだ。おは…」


ガバッ!!!


「うおっ!?」

義「……」


義勇は白夜を抱き締めた


「ど、どうしたの…?突然」

義「…おまえが、いなくなったかと思った…」

「…義勇」

義「勝手に俺のそばを、離れるな…」


「……。ごめんね、義勇。不安にさせて」


こんな必死な義勇、珍しいな


義「…どこに行っていた」

「あぁ、厠だよ」

義「…そう、か」


「そうだ義勇。朝餉の前にお風呂に行かない?その…昨日たくさん汗かいたし…」


あぁ…なんか思い出したら恥ずかしくなってきた…


義「そ、そうだな」


どうやら義勇も同様に、昨日のことを思い出したらしく、顔を赤くしていた







「ねぇ義勇、背中洗ってあげようか」

義「…頼む」


現在、お風呂タイム


「…傷だらけだね」

義「そうなのか。背中は自分では見れない」

「あ、これは…。真新しい傷があると思ったら、昨日オレが抱きついた時におもいっきり背中掴んだ傷だわ…」


地味に痛そうな…


「…痛いよな…ごめん、義勇…」

義「白夜が謝ることじゃない。しがみついていいと言ったのは俺だ。だから気にするな。それに…」


「?」


義「白夜になら、どれだけ傷つけられても構わない。俺にとっては白夜を思い出せる大事な傷だ」


「…っ、!!」


そんなこと言われたら、もう照れるなんてもんじゃない
恥ずかしぬっ!!!


「…義勇って無自覚でそういうこと言うから、心臓がもたない」

義「…?」


やっぱり分かってないな



義「…次は俺が白夜の背中を洗う」

「お、じゃあお願いしようかな」


場所を交代する二人



義「…力加減はどうだ。痛くはないか」


ふふ。優しいなぁ、義勇は


「大丈夫だよ。ちょうどいいから」

義「それなら良かった…」

「…昔も、こうして一緒にお風呂に入ってたけど、あの時とは違ってドキドキするなぁ」

義「…俺はあの時からすでにドキドキしていた」

「えっ!?」


衝撃の事実


「…もしかして、一緒に住んでた時からオレのこと…」

義「…好きだった」


その言葉に、顔が一気に火照りだした


「そ、そっかぁ…」


義「…白夜の肌は、前と変わらず透き通るような、綺麗な肌だ」

「…ひゃあっ!」


突然義勇が首もとに口付けするもんだから、びっくりして変な声出ちゃったよ…!


「…ぎ、義勇…?」


黙り込んだ義勇が、そっとオレを後ろから抱き締めた


義「…離したくない。白夜は俺が守ると言ったが、ずっとそばにいられるわけじゃない。だから、不安なんだ。俺がいないところで、白夜にもしものことがあったらと思うと…」


「…義勇。忘れないでほしい。義勇が任務に精を出すことで救われる命がたくさんあることを。柱であるオレたちは尚更、二人でいるより一人一人が別の場所へ向かうことで、救われる人が増える」


本当は、一緒にいたい
だけど、その前にオレたちは鬼殺隊だ



義「…苦しい。鬼のいない、平和な世界で、白夜に会いたかった…」


その言葉に、白夜の目から、涙がこぼれた




そうだね

オレもそう思うよ

平和な世界で、何に縛られることもなく、好きなだけ義勇と一緒に過ごしたかった




「…作ろうよ。鬼殺隊みんなで。そのために、みんな命をかけて戦ってるんだから」


義「…あぁ」







(…平和な世界で、義勇と一緒に)
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