第参話
一方、炭治郎は目を覚まし、柱と会っていた
その頃には炭治郎の手は拘束されていた
柱に拘束しろと命令され、オドオドしながら隠が拘束
内心白夜に怒られないかヒヤヒヤしていた
柱たちは禰豆子と炭治郎を殺そうと話すが、炭治郎は一生懸命禰豆子は人を襲わないと説明
だがその証明ができないと言われ、為す術がない状況に陥っていた
隠「困ります不死川様!どうか箱を手放してくださいませ!」
突然現れたのは、禰豆子が入っている箱を無理やり持つ柱の一人、不死川実弥
実「鬼を連れてた馬鹿隊員はそいつかい。一体全体どういうつもりだ?」
し「不死川さん。勝手なことをしないでください」
実「鬼がなんだって?坊主。鬼殺隊として人を守るために戦える?そんなことはな、ありえねぇんだよ馬鹿が!」
不死川は箱ごと刀で串刺しに
箱からは禰豆子の血が出ていた
その瞬間、炭治郎は不死川のもとへ走った
炭「俺の妹を傷付けるやつは、柱だろうが何だろうが許さない!」
実「そうかい、良かったなぁ!」
義「やめろ!もうすぐお館様がいらっしゃるぞ!」
炭治郎は不死川に重い頭突きを食らわせた
そしてなんとか箱を取り戻す
炭「善良な鬼と悪い鬼の区別もつかないなら、柱なんてやめてしまえ!!」
実「てめぇ…ぶっ殺してやる!」
「やめろ実弥」
「「…!!?」」
不死川と炭治郎の間に突如として現れたのは
実「白夜…」
炭「えっ…は、白夜さん…?どうしてここに…」
義「……白夜」
柱たちも驚きを隠せない様子だった
無理もない
かなり久しぶりに来たのだから
「炭治郎の言うとおりだよ、実弥。柱なんてやめたほうがいいんじゃない?なんてね」
実「……」
「大丈夫?炭治郎」
炭「は、はい…」
「久しぶりに色々話したいこともあるけど、今はお館様がいらっしゃるから、また後で話そう」
炭治郎が頷くと、屋敷のご息女二人が現れ
『お館様のお成りです』
その声とともに襖からお館様がいらっしゃる
産屋敷「よく来たね。私の可愛いこどもたち。おはよう、皆。今日はとてもいい天気だね。空は青いのかな?顔ぶれが変わらずに半年に一度の柱合会議を迎えられたこと、嬉しく思うよ」
気づけば、炭治郎は不死川によって無理やり頭を下げさせられる
そして柱全員が片膝をつけ、頭を下げている
「お館様におかれましても御壮健で何よりです。益々の御多幸を切にお祈り申し上げます」
産屋敷「ありがとう白夜」
柱合会議前の挨拶は、大黒柱がいれば大黒柱が行い、大黒柱が空席または欠席の場合は早い者勝ちとなる
実「畏れながら柱合会議の前に、この竈門炭治郎なる鬼を連れた隊士について、ご説明いただきたく存じますがよろしいでしょうか」
炭(知性も理性も全く無さそうだったのに、すごいきちんと喋りだしたぞ)
産屋敷「そうだね。驚かせてしまってすまなかった。炭治郎と禰豆子のことは私が容認していた。そして皆にも認めてほしいと思っている」
柱『!!』
行「嗚呼…たとえお館様の願いであっても、私は承知しかねる…」
天「俺も派手に反対する。鬼を連れた鬼殺隊員など認められない」
蜜「私は全てお館様の望むまま従います」
無「僕はどちらでも…すぐに忘れるので…」
し「……」
義「……」
小芭「信用しない。信用しない。そもそも鬼は大嫌いだ」
杏「心より尊敬するお館様であるが、理解できないお考えだ!全力で反対する!」
実「鬼を滅殺してこその鬼殺隊。竈門、冨岡両名の処罰を願います」
産屋敷「では、手紙を」
ご息女が手紙を出す
『こちらの手紙は元柱である鱗滝左近次様から頂いたものです。一部抜粋して読み上げます』
…先生、ありがとう
間に合ったんだ
『炭治郎が、鬼の妹と共にあることをどうか御許しください。禰豆子は強靭な精神力で人としての理性を保っています。飢餓状態であっても人を喰わず、そのまま二年以上の歳月が経過致しました。俄には信じがたい状況ですが、紛れもない事実です。もしも禰豆子が人に襲いかかった場合は…
竈門炭治郎及び、鱗滝左近次、白夜、冨岡義勇が腹を切ってお詫び致します』
その手紙に、炭治郎は目を見開き、オレと義勇両方の顔を見、そして涙を流した
禰豆子のことを守るのは、当然のことだよ炭治郎
それに、せっかくできた弟弟子を見捨てるなんて、兄弟子のすることじゃないでしょ
実「…切腹するから何だと言うのか。死にたいなら勝手に死に腐れよ。何の保証にもなりはしません」
「…少なくとも元柱を含めて三人の柱が切腹するとまで言ってるんだよ?勝手に死に腐れなんて、無責任な発言じゃないかな。じゃあ禰豆子が人を襲わなかったら、君は何をしてくれるの?否定するなら、切腹に相応のものを懸けてくれないと」
ずっと静かに聞いていた白夜が、口を開く
実「……」
「そもそもさ、オレたちが鬼を切る理由はなんだ?鬼が人を襲うからだ。じゃあ人を襲わない鬼は?人とほとんど変わりないとオレは思う。無害な鬼を斬ってる暇があるなら、人を襲う凶悪な鬼を斬りに行けよ」
普段の温厚な白夜からは想像もつかないほど、白夜は怒っていた
口調も、荒々しいものになっている
(…みんな、分かってくれ…)