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第参話

そして、本部に到着

「あれ、まだ誰も来てないな」


うーん…

「ねぇ、君たち」

隠「は、はい!」

「炭治郎が目を覚ますまでは、君たちはそばにいなくちゃいけないよね?」

隠「はい!」

「じゃあ炭治郎のこと、任せていい?オレ、ちょっと用事があってさ。あ、手荒なことはしちゃダメだよ?炭治郎のそばにいてくれるだけでいいから」

隠「分かりましたっ!」

「ん、ありがと。それじゃあ頼んだよ」


本当なら、目が覚めるまでそばにいてあげたいけど
柱合会議が始まるまでに済ませたいことがある



隠(白夜様…屋敷の中へ入っていかれた…)






「……お館様、白夜です」

産屋敷「…入っておいで」

「…はい」



そっと襖を開けると、お館様が笑って手招きしてくれる


「失礼いたします。お館様、ご無沙汰しております」

産屋敷「あぁ、久しぶりだね。会えて嬉しいよ」

「お身体のほうはいかがですか?」

産屋敷「今日は気分が良くてね。私の子供たちに会えるからかな?」

「それは何よりです。あの、お館様。長らく柱合会議に出られず申し訳ありませんでした」

オレは頭を下げた

産屋敷「白夜、顔を上げて。それは仕方のないことだよ。私が君に任務を頼んだんだからね。君にしか頼めないものばかりだったから、大変だっただろう」

「いえ!むしろとても光栄です。ありがとうございます。それと、お知りになられているかと思いますが、炭治郎と禰豆子のこと…」

産屋敷「あぁ、分かっているよ」

「どうか、寛大な処置をしていただけませんか。あの二人には未知の可能性を感じるのです。もし禰豆子が人を襲った時は、オレが責任を取ります。だから…」

産屋敷「白夜、私も君と同じように思っている。だから禰豆子のことを認めたいと。そのためには、まず柱たちの容認を得なくてはいけない」

「はい。分かっています」

産屋敷「白夜ならきっと大丈夫だね。それともう1つ」

「はい」

産屋敷「…鬼舞辻無惨に捕まったと聞いたけど、ケガはしなかったかい?」

「…!は、はい!幸運にも、ケガはなく解放されました」

産屋敷「良かった。無事で…」

「お館様…」

産屋敷「白夜、顔をこちらへ」

「?は、はい」


お館様の手がオレの頬へ添えられ、だんだんとお顔が近づいてくる

え?
な、なに?


そして、気が付いた時にはお館様の唇がオレの唇へ触れた


「…っ!」


産屋敷「…突然無粋なことをしてすまない。君のことを知れる一番いい場所が唇だったから触れたいと思った」

「あ、あの…お館様…」

産屋敷「ごめんね。気にしなくていいよ」


えぇ…気にするよぉ…


産屋敷「恋という感情ではないんだ。白夜に触れてみたかったという好奇心かな?」

「こ、好奇心ですか…」

産屋敷「あぁ。それに、白夜には想い人がいるようだしね」

「っ…///!!」


なぜバレた…!


産屋敷「白夜。ごめんね。もし初めてだったら…」

「お館様。オレの身体は汚れています。口付けも初めてではありません。なので、お気になさらず」

産屋敷「…白夜。君はとても綺麗だと私は思うよ。姿は見えない。だけど、心が綺麗なのは分かる」

「お館様には負けますよ」

産屋敷「ふふ、そんなことはないよ。でもありがとう、白夜。君と二人で話せる時間はとても楽しい」

「いえ。また、二人でお話しましょう」

産屋敷「あぁ、ぜひそうしよう」



そしてオレは、部屋を後にした






(…そうだ、オレは汚れている。口付けされても、今のオレは純粋な反応なんてできない)
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