ミュージックフェスタ

そして、ミュージックフェスタ当日を迎えた
オレはというと…

「うーん。アイナナの子たち、挨拶に来るかなぁ。オレから行ってやりたいけど」

緊張してそうだな…

コンコン

「はーい」

百「やっほー!元気かニャー?」
千「おはよ、ハクヤ」

やって来たのは同期で仲良しのRe:valeだ

「おー!一人で寂しかったんだよー」

百「ふふ。実は楽屋が隣なんだよね!オレたち仲良しだから、配慮してくれたんだよきっと!」

千「そうね。ハクヤが寂しがるから」

「うう…読まれてたのか…」

でもこうして来てくれるだけで、オレは嬉しい


二人とおしゃべりしていると、楽屋の外が何やら騒がしい

千「何かあったのか?」

「…二人ともそろそろ楽屋に戻ったほうがいいよ。スケジュール変更の伝達にスタッフが来るかもしれないし」

百「確かに…。もうちょっとハクと話したかったけど仕方ないか」

「百、千。今日のステージもお互い頑張ろうな」

千「うん。ハクヤのステージ、期待してるから」

百「楽しみにしてるね!それじゃ!」


二人は戻っていった


「…」

オレはテレビの電源を入れる


『音楽の祭典、ミュージックフェスタ!司会はミスター下岡が、引き続きつとめさせていただいております。まだまだ盛り上がっていきましょう!続きまして、インディーズアーティストライブ!トップバッターは噂の彼ら!嵐を呼ぶ男たち、IDOLiSH7です!』


「…予定よりもずいぶん早い…。皆、大丈夫かな」


それぞれ自己紹介が始まる

「…陸、声が」

いつもの声じゃない…
まさか発作が…


そしてイントロが流れる

「…一織、陸を気にしすぎてる」

嫌な予感は当たるものだ

「……」

陸を心配するあまり、一織が自分の歌い出しを忘れてしまったのだった

その後も、カバーしようとして被り、失敗の動揺で顔がひきつっている


「…どうして、どうして神様…!」



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『さぁ、次は皆様お待ちかね!!ハクヤくんの登場です!』

『きゃああああー!!!!』


皆の分まで歌おう


「皆さーん!楽しんでますかー!今日は飛びっきりのステージを皆に届けるからね!」

『今日はギターで披露してくれるんだね!楽しみだ!』

「はい!よろしくお願いします!」


オレはギター片手に音を紡いだ




(みんな…まだ終わったわけじゃないよ。大事なのは、これからだ)
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