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最悪の想定

小鳥遊事務所にて


社長「万理くん、ちょっといいかな」

万「はい」



社長に呼び出された万理は、社長室へ



社長「ハクヤくんのことで、話しておきたいことがあってね」

万「ハクヤくんの?一体それは…」


社長「これからする話は、最悪の場合を想定した話だということを前提に聞いてほしい」

万「最悪の、場合ですか」



社長の真剣な目に、万理は何かを覚悟しなければならないとなんとなく感じていた



社長「ハクヤくんは過去二回にわたり、誘拐事件に巻き込まれた。それは万理くんが一番よく分かってると思う。それをふまえ、もしもう一度でもハクヤくんがそういった事件に巻き込まれて傷ついてしまった時」


万「はい…」




社長「ハクヤくんを、小鳥遊事務所から別の事務所へ移籍させようと考えている」



万「え……?」


一瞬頭が真っ白になった
ハクヤくんを移籍…?



万「ど、どうしてですか…」


社長「事務所というのは、所属タレントを守るのも仕事だよね。けど現状この小鳥遊事務所ではハクヤくんを守りきれていない。二回も誘拐されてしまった実例がある以上はね」


万「それは俺の責任で…!」


社長「いいや、それは違うよ万理くん。これは事務所の、つまり僕の責任なんだよ。ハクヤくんを守れるほどの力が、この事務所にはまだ無いんだ。スタッフも足りているとは言えない。万理くんにも無理をさせてしまっている」

万「社長…」

社長「ハクヤくんに護衛をつけるにしても、うちの事務所で雇った人間は、本能的に彼が拒絶してしまっている。本人は大丈夫と言いそうだけどね。だから護衛も付けられない」


万「……」


万理は何も言い返せなかった
そんなことはないと、言えなかった
社長の言っていることが圧倒的に正しいと感じたからだ


社長「万理くんはよくやってくれてるよ。だから、もし最悪の事態になって、ハクヤくんが移籍することになっても君のせいじゃないからね」


万「…はい、」


社長「とはいえ、これはあくまで最悪の想定だ。今のところは万理くんの出来る範囲でいいから、ハクヤくんのことを守ってあげてほしい。無理して守っても、長続きしないからね」

万「はい、分かりました。出来る範囲でハクヤくんを守っていきます!」

社長「うん、頼んだよ、万理くん」







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今日はMEZZO"と現場が一緒らしく、万理さんが、車で送るよ。と言ってくれた

オレはお言葉に甘えて車に乗り込み、待っていた



万「ハクヤくん、もう少しで二人来ると思うから、待っててね」

「分かった」

万「あ、それと…ハクヤくんにお願いしたいことが2つあるんだけど」

「オレにできることなら何でもするよ」


お願いってなんだろ?



万「1つ目は、ハクヤくんのスマホの位置情報を、常に共有…つまりいつでも確認させてもらえたらありがたいって話なんだけど」

「いいよ!別に見られて恥ずかしいところには行ってないし」

万「あはは、ありがとう。助かるよ」

「んで2つ目は?」


万「うん。ハクヤくんに面倒かけちゃうけど、仕事が終わって家に帰る時に一回、家に着いた時にもう一回、ラビチャでいいから連絡を俺にしてほしい。『仕事終わったから帰るー』とか『家に着いたよ』みたいな感じで」

「ふむふむ、分かった!ちゃんと連絡するよ」

万「ありがとう。面倒なことさせてごめんね」

「ううん!オレのことを心配してくれてるってことだから全然大丈夫だよ。こちらこそありがとう」

万「ハクヤくん…」




万理さんどうしたのかな
心なしか元気ない気がする…
オレが心配ばっかりかけちゃうからかもしれない

うん、心配かけないように、オレが気を付けなきゃ…!













環(ハッくんお待たせー)
壮(ハクヤさん、お待たせしてすみません!)
(大丈夫だよー)
万(よし、皆乗ったね。BGMはどうする?)
壮(お待たせしてしまったのでハクヤさんの好きなもので!)
(ふふ、ありがとう。じゃあ万理さん、いつもので)
万(りょーかい)

環・壮((いつものって……、Re:valeだ…!))

(~♪)
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