危険再来
百「そういうわけで、監督にめちゃくちゃ褒められちゃった!」
千「それは良かったね」
実はあの後の撮影で、濡れ場シーンを取り直したのだが、それがかなり好評で監督に褒められたのである
最高に生々しかった!と。
千「撮影は終わったんだね」
百「うん!でもまだ終わりじゃないよ。ハクと一緒に映画の主題歌も歌うことになってるから、それの収録でしょ?それとギター弾きながらだから、ハクと一緒に弾く練習もしなきゃだし!宣伝活動もあるし!」
千「ふふ。楽しそうだね、モモ」
百「うん!めっちゃ楽しい!それもこれも、ユキがアドバイスくれたからだよ!ありがとう、ユキ」
千「どういたしまして。まさかその日にやっちゃうとは思わなかったけどね」
百「っΣ!!そ、それは…あはは…」
千「まぁ、モモがハッピーなら僕はそれでいいけど」
百「うん。ユキとハクのおかげで、オレはすごくハッピーだよ!」
----------------------------
その頃ハクヤは
「…百との宣伝活動、楽しみだなぁ。でも、ボロだけは出さないようにしないと」
そう
宣伝活動ということは、百と二人でバラエティーやら色んな番組にゲストとして出演するということ
気を抜けば百との関係がバレてしまう危険がある
「…楽屋でもバレないように距離を置かないとな」
万「距離を置くって誰と?」
突然声がしたと思えば、万理さんがいた
ちなみにここは次の仕事の楽屋である
「えっ!?あ、いや…えっと…」
万「ハクヤくん。百くんとの関係がバレないようにするのは大事だけど、極端に距離を置くと逆に怪しまれるんじゃないかな」
「そうかな…」
万「うん。だからさ、まだハクヤくんが百くんと付き合ってない時を思い出してみたら?あの時の距離感なら自然でいいと思うよ」
「なるほど…仲の良い親友的な立ち位置ってことか」
万「そうそう!」
よし
それならいけそうだ
「ありがとう、万理さん。オレ頑張るよ」
万「頑張って!これからさっそく百くんとユニット練習だよね?」
「うん。まぁ主に百のギター練習だからカメラも入らないし、大丈夫だとは思うけど一応気を付けるよ」
万「そうだね。誰に見られてるか分からないから、それがいいかも」
「それじゃ、行ってきます」
万「いってらっしゃい!」
オレはユニット練習のため、練習スタジオへ向かった
「おはようございまー…って、あれ、まだ百来てないんだ」
確か、これの前に仕事があるって言ってたっけ
「自分の歌の練習でもしてようかな」
設置されているピアノの椅子に座り、自身の曲の弾き語りの練習をする
一方その頃
百「急がないとハクが待ってるー!!」
少し仕事で遅れてしまい、百は急いで練習スタジオへ向かっていた
おか「もうすぐで着きますから座っててくださいっ!」
百「ハクが痺れ切らして怒ってたらどうしよう…!!時間にルーズな百は嫌いだ。なんて言われて嫌われちゃったら…っ」
おか「落ち着いてください!ハクヤくんはそんなことでモモくんを嫌ったりしませんから!それに仕事で押してることくらい、ハクヤくんなら分かってくれてるはずですよ!」
百「そ、そうだよね…!ハクは優しいから笑って許してくれるよね!」
おか「はい、きっと。ほら、着きましたよ!終わったら直帰して大丈夫ですからね」
百「ありがとおかりん!りょーかいっ!」
百は練習スタジオへ
扉を開けようとしたが、中からとても心癒される歌が聞こえてきて、百は聞き耳を立てた
百(…ハクのバラード。初めて聞いた時もこんな感じの歌だった。心が張り裂けそうな、ハクの気持ちがすっと入り込んでくる…)
ハクヤの歌が終わり、百はスタジオへ入った
「…!百…?なんで泣いてるの?」
百「ハクの歌が、あまりにも良くてさ。つい」
「ありがとう。ほら、ハンカチ。オレのでよければ使って」
百「ありがとっ…あ、ハク!練習の時間遅れちゃってごめんねっ!」
「大丈夫だよ。仕事で遅れたんでしょ?それくらいよくあることだし、気にしないで」
百「うう…やっぱりハクは優しい…。抱きついちゃう!」
「わっ!びっくりした…。もう…百?練習始めるよ?」
頭を撫でると、百は猫みたいな顔をして気持ちよさそうにしていた
(…ヤバいヤバい。普通にイチャイチャしてた…油断大敵…!)
百(…?ハク?)