告知タイム
百「ハク、何か食べる?」
家に着いてシャワーを浴びた後、百はそう問いかけた
「…うん。確か冷蔵庫に色々あったと思う」
百「オッケー。今日はモモちゃん特製料理、振る舞っちゃうからね!」
「ふふ、楽しみにしてる」
百「任せといて!」
百はそう言って、料理し始める
オレはそんな百をじっと眺めていた
「…なんか、一緒に暮らしてるみたいだね」
百「え?」
「ご、ごめん!考えてたことがつい口に…」
百「ハク…オレは嬉しいよ!なんならモモちゃん、ここに住んじゃおっかな!なんて」
「オレはいいけど、週刊誌に撮られたら大変だから」
百「だよね…」
あ、百がしゅんとしちゃった
突然ぴろりん、と音がなった
オレのスマホの通知音である
スマホを取り出し、確認するハクヤ
「えっ…」
百「ハク?どうかしたの?」
「…やったー!!!」
尋常じゃないほどハクヤは喜びに満ちあふれている
「…はぁ、オレ、こんな幸せ者でいいんだろうか」
百「そんなに喜ぶなんて、一体何があったの?」
ほら、とハクヤに画面を見せてもらう百
百「えっと、何々?『Re:valeファンクラブ会員様へのお知らせ。この度あなた様はRe:vale 百の1名様限りのサイングッズに当選しましたことをお知らせ致します』って、これ…。この前ファンクラブ用にサインしたやつだ」
「これ、ファンクラブ会員限定の抽選でさ!千のサイングッズ1名、百のサイングッズ1名の合計二名しか当たらない超レアグッズなんだよ!!それにオレ当選したんだよ!?幸せすぎる…」
百「……。ハク、オレのサインくらい、ハクにならいくらでも書くよ?」
「ダメだよ!オレはRe:valeのファンと対等でいなくちゃ。百と仲がいいからといって、サインもらったりするのはやっぱりずるいと思うんだ」
百「ほんとに律儀だなぁ。Re:valeのライブも、チケット用意してあげるって言ってるのに、ハクは自分で取るからいいって言って受け取ってくれないし」
「だってさ…」
百「分かってるよ。そうしないと、自分が許せないんだよね、ハクは」
「うん…心からRe:valeを応援したいから」
百「…ありがとう、ハク」
本当は、百と付き合うこと自体、いいのかどうかも分からない
対等で、とか言っておいて、百をオレのものにしてしまっている
付き合うって、そういうことでしょ
百「ハク…?」
「ううん、何でもない」
百「ならいいんだけど…はい!モモちゃん特製オムライスです!!ちなみにハクのオムライスには、ハートにLOVEって書いといたからね!」
「…これは、永久保存しておきたい…」
百「いやいや、腐っちゃうから」
仕方ない、写真撮っておこう
パシャリ
「では、いただきます」
百「いただきまーす!」
百の手料理を食べられる日がくるとは
パクリ
百「お味はどうかにゃ?」
「うん、美味しい!」
百「良かったー!最近作ったりしてなかったから、ちょこっと心配だったんだけど」
「いや、百が作ってくれた料理なら、オレ何でも食べるから」
百「ハクからイケメン発言いただきました!」
オレ、イケメン発言した?
「あ!そういやIDOLiSH7の次はTRIGGERとダンスレッスンの予定だった!」
百「それなら、モモちゃんが楽に連絡しといたよ!」
「え、百が?」
百「うん。バンさんが、八乙女事務所に連絡するの怖いな…って呟いてたから、じゃあオレがTRIGGERに連絡しますよ!って」
「そうだったんだ…ありがとう、百。楽、何か言ってた?」
百「うん。大丈夫ですか?ゆっくり休んでください。って言ってた!」
「そっか。TRIGGERにも迷惑かけちゃうな…」
百「大丈夫だよ!みんな優しいから」
「…そうだね」
すると突然オレのスマホが鳴り出す
「…?八乙女社長からだ」
百「え、あの八乙女社長!?なんでハクに電話?」
とりあえず出てみる
「もしもし、ハクヤです」
八『…具合はどうなんだ』
「なんだ、もう聞いたんだ」
八『楽から聞いた。倒れたらしいな』
「うん、知らない間に無理してたみたい。でも今日休めば大丈夫だと思うから。何?もしかして心配してくれたの?」
八『だれがお前の心配をするか。ライブが中止になったら困るからな。その確認をしたまでだ』
「素直じゃないんだから。とにかくオレは大丈夫だから」
八『そうか。まぁ今日くらいゆっくり休んでおけ。じゃあな』
「はーい」
あの八乙女社長がこんな電話してくるなんてね
百「八乙女社長、なんだって?」
「あぁ、たぶんオレの心配してくれてたみたい。ゆっくり休んでおけって」
百「…珍しいね、あの人がそんなこと言うなんて。それともハクだけ特別とか?」
「どうだろうね…。そうだ、百。今日泊まるの?」
百「もちろん。ハクを1人にはしておけないからね」
百は優しいな…
「…百、少しだけ、甘えてもいい…?」
百「…いいよ。おいで、ハク」
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ソファーに座る百と、百の上に座るハクヤ
「んっ…百…」
百「ハク…」
お互いの唇が触れあう
それがしばらく続き、次に進むのかと思っていたハクヤだが
百はそっと口を離し
百「そろそろ寝よっか」
「え?あ、うん…」
もしかしてベッドでするのか?と思い、ベッドに入るが
百「おやすみ、ハク」
「お、おやすみ…」
あれ?
何も、しないの…?
隣で百は寝息を立てている
なんで!?
いい雰囲気だったよ!?
(…生殺しだ……)
百(Zzz…)