告知タイム
万「倒れた原因は、過度の疲労と睡眠不足だそうだよ」
百「…ハク、ずっと寝ずに仕事してたのかな」
病室で眠るハクヤのそばに、万理と百がいた
万「五周年ライブ張り切ってたからね…頑張りすぎたのかもしれない」
百「ハク…。あの、バンさん。ダンス、中止にはできないんですか?」
万「え?」
百「ダンスって体力もいるし、技術も必要だから、ダンスが苦手なハクにとって一番大変なことだから…」
万「…中止するかどうかを決めるのは、オレじゃないからなぁ…」
すると百はハクヤの手を握って言った
百「…ハク、そんなに頑張らなくていいんだよ。だって、五周年ライブは辛くて苦しいものじゃない。お祝いなんだからハクが楽しくなきゃ意味ないじゃん」
万「百くん…」
そんな百を見て、万理は口を開いた
万「ハクヤくんがダンスやりたいって言った理由なんだけど…」
百「…?」
万「皆踊って歌ってるでしょ?自分だけ楽器弾きながら歌うから、寂しいって少しだけ感じてたみたいなんだ。一度でいいから、皆と一緒に踊りながら歌ってみたいんだって、ハクヤくんが言っててね。そんなことができる機会は合同ライブしかないって。特に、百くんの隣で百くんと一緒に歌いたいんだって」
百「ハク…」
万理は、社長に連絡してくる、と言って部屋から出た
百「…ハク、」
「…ん……」
ハクヤはそっと目を開けた
そこには、手を握ってくれている百の姿が
百「ハクっ!良かった、目が覚めて」
「…百、泣いてるの…?」
百「ハクが倒れるから…」
「…ごめん。迷惑かけちゃって」
百「そんなのいいよ。それよりハク、ダンスのことだけど」
「オレは踊るよ。あきらめない、百と一緒に…」
百「うん、分かってる。だからね、もう少し、難易度下げよう?」
「え…?」
難易度を、下げる…?
百「ハクにとっては不本意かもしれないけどさ、それで倒れちゃ意味ないよ。オレたちが普段踊ってるダンスはハードなのが多いんだ。だから、もう少し簡単にしようよ。もちろん、オレたちも一緒のダンス踊るから。ね?」
「でも…それじゃあ甘えに…」
百「甘えになんかならないよ!だって、ハクは倒れちゃうくらい頑張ってるんだよ!?もしハクに、甘えてる!なんて言うやついたら、モモちゃんが怒って暴れてやるもんね!」
「……、ふふ…」
百「ハク…?」
「…ありがとう、百。なんか、元気出た。オレ、やっぱり無理してたみたい」
自分が倒れるまで、そのことに気付かなかったなんてね
百「ハク…」
「…もう少し、簡単にしてもらえるようにお願いしてみるよ」
百「うん!」
百がいてくれて、良かった…
そこに万理さん登場
万「ハクヤくん!良かった、目が覚めたんだね」
「万理さん、ごめんね、迷惑かけて」
万「いいんだよ。もう…ハクヤくんはがんばり屋さんなんだから」
「えへへ…」
万「目が覚めたら、もう帰って大丈夫だそうだよ。今日は家に帰って、しっかり休むこと。いいね?」
「はーい…」
百「あの、バンさん!」
万「どうしたの?百くん」
百「オレ、今日はハクの家に泊まる予定だったので、オレが家まで送ります!そんで、ちゃんとハクが寝るまで見てるんで安心してください!」
「百…」
万「あはは、うん。ハクヤくんのこと、よろしくお願いするね、百くん」
百「はい!」
(また百に迷惑かけてしまった…)
百(ハク、タクシー来たよ!…ハク?)