告白と報告
その後、落ち着きを取り戻し、オレは朝食を用意する
「百、ご飯できたよ」
百「わぁい!ハクのご飯大好きなんだよね!すごく美味しいもん!」
「それは良かった」
百が美味しそうに食べてくれるのを見ながら、オレも食べ始める
百「そういえば、昨日どうやってオレをここまで運んだの?」
「え?そりゃ背負ってだよ」
百「重くなかった!?ごめん、迷惑かけて…」
「いいよ。それに、オレ鍛えてるし」
百「…むむ。確かに引き締まってましたな…」
「……朝這いしてる時に見ましたね、オレの身体」
百「……見ました」
…シュンとしてる百可愛いな
百「ねぇ、ハク」
「ん?」
百「オレとハクのこと、ユキに話そうかと思うんだけど」
「千に話すの?」
百「うん。隠しててもすぐ気づかれるだろうから、それなら面と向かって言ったほうが楽でしょ?」
「…まぁ。でもさ、千と夫婦漫才してるのに、オレと付き合っても大丈夫なの?」
百「あれは、ネタだよネタ!ほんとの夫婦ってわけじゃないから平気平気!」
「ならいいんだけど…」
百「むしろハクが嫌だよね!?ネタとは言え、ユキと夫婦漫才なんて。嫌なら止めようか!?」
「いやいや、止めちゃダメだよ。大事なRe:valeのネタなんだから。オレはもう慣れてるから大丈夫」
さすがにそこまで嫉妬はしてないよ、オレ
百「…そっか!でも、ユキ許してくれるかな」
「千はともかく、問題なのはおかりんと万理さんだよ」
百「…絶対、反対しそうだよね」
「絶対反対する。アイドルが恋愛なんて、事務所にとっちゃマイナスでしかないだろうから」
百「うっ…そうだよね…」
でも、せっかくこうして両思いだと分かって付き合うことができたんだから、諦めたくはない
「反対されても説得する。何度でも」
百「ハク…、オレも諦めないよ!」
顔を合わせて笑い合う
「そういやゆっくりしてるけど、百仕事は?」
百「今日はオフもらってる!さすがにこけら落としの次の日は仕事できないよー」
「そりゃそうか」
百「そういうハクは?仕事大丈夫なの?」
「オレも今日はオフだよ」
百「そっか!じゃあ今日はずっと一緒にいられるんだ!」
うう…なんて可愛い反応…!
ご飯を食べ終わり、ソファに並んで座る二人
ぴったりくっつき手を繋ぐ
百「ねぇハク、付き合った記念にさ、お互いの本名を教えるっていうのはどう?オレ、ハクの本名知りたい!」
本名か…
そういや、百にまだ教えてなかったっけ
百の本名も知らないし
「いいよ。どっちから言う?」
百「じゃあモモちゃんから言います!」
「お願いします」
百「オレの名前は、春原百瀬です」
「春原、百瀬…いい名前だね」
百らしい名前だ
百「えへへ、ありがとう!じゃあハクの番ね!」
こう、面と向かって本名言うとか学生以来だな…
「オレの名前は、白夜、藍斗です…」
百「え!?ハクヤって苗字だったの!?」
まぁ、そうなるわな
「そうだよ。でも、昔からハクヤって呼ばれ慣れてたからハクヤでいいんだ」
百「そうなんだ。でも、すごくいい名前じゃん!」
「ありがと。でも、今まで通り、ハクでいいから」
オレのことをハクと呼ぶのは、オレの知る限り、百だけ
だから、ハクという呼び名はオレにとって特別なんだ
百「もうハクって呼び慣れてるからね。でも、知れて良かった」
「うん、オレも」
なんか、特別な関係って感じがするよね
百「あ、ねぇハク。ハクがオレたちのために用意してくれたケーキあったでしょ?もう全部食べちゃった!?」
「いや、まだ残ってたよ。食べたいの?」
百「うん!あのケーキすごく美味しかったから」
「そっか。確か昨日事務所の冷蔵庫に入れてた気がする」
百「…小鳥遊事務所か。バンさんにもちゃんと挨拶しなきゃいけないし、二人で事務所行こうよ」
「…そうだね。何かあったときのことも考えて、万理さんには言ったほうがいいし。でも、その前に千のとこ行こ」
やっぱり、一番に言わなきゃいけないのは千だと思う
百「そうだね。ユキに話さなきゃ」
というわけで、オレたちは千の家へと向かった
(…千、起きてるかな。昨日かなり酔ってたし)
百(…それは、起きてない可能性が高いな。ユキ、普段から寝起き最悪だからね)