告白と報告
家に着いたオレは、百をベッドに寝かせた
オレもさすがに疲れたため、百の隣に寝転がった
ベッドはキングサイズのダブルベッドなので、大の男が二人寝ても余裕がある
「…百、気持ちよさそうに寝てる」
百の髪を軽く触りながら、すやすや寝る百を眺める
オレも寝よう…
と思ったが、どうしよ
ずっと百の顔を見ていられる
そう思うと寝るのがもったいないと思ってしまう
あぁ…どうしようもなく、百が好きだ
「…百」
ダメだ
このままだと触りたくなる
そして寝不足にもなる
オレは百とは反対向きになり、顔を見ないように眠りにつく
そして、いつの間にか寝ていたオレだが
ん…?
なんか、違和感がある
何だろうと思い、目を開けると…
「………え?」
百「………あ」
覆い被さるようにオレの上に百が乗っかっていた
ばっちり目も合った
「えっと……」
これはどういう状況だ…?
百「……ハク、起きちゃった?っていうか、起こしちゃったかな」
「…いや、」
百「ごめんね、隣にハクがいると思うと我慢できなくなって」
え…?
それって……
「えっと、百、この状況は一体…」
百「…ああ、えーっと、夜這い?でももう朝だから朝這い?」
「………それって」
すると百は真剣な顔で、でも少し顔を赤くしながら言った
百「…うん。オレ、ずっと、ハクのことが好きなんだ」
「……っ!」
…うそ
こんなことがほんとにあるの?
まさか百も同じようにオレのことを好きでいてくれてたなんて
オレの目からほろほろと涙が溢れてきた
百「えっ?ど、どうしたの!?あ、そっか、ハクの気持ちも考えずに襲おうとしちゃったからっ!ごめん!」
「違うよっ…!そうじゃない…嬉しくて…」
百「えっ…?」
オレは百の両手を握った
「オレも、ずっと前から百が好きだったから…っ」
百「…それ、ほんと…?」
オレは頷いた
百「なんだ、両想いだったんだ。オレたち」
「…そうだね」
百「…ハク、オレと付き合ってください」
それは、正式な百からの告白だった
「…うんっ、」
百「ハクっ!!」
百がオレを抱き締める
百「えへへ、嬉しいなぁ!今日からハクはオレの恋人なんだもんね!」
「そうだね」
百「…ねぇハク」
「ん?」
百「…キス、してもいい?」
今度はオレの顔が真っ赤に
百「…あはは、ハク、顔真っ赤」
「だって…」
百「前、キスしそこねちゃったからね」
前、とは、以前Re:valeがアイナナ寮へとやってきた時の件
「…百、まさかあの時ナギが止めなかったら本気でしようとしてた?」
百「うん」
マジか
百「だって、あーでもしないとハクとキスできないじゃん。それに意外とハクも乗り気だったし」
「それは…」
まぁ確かにそうだったけど
百「ハク、目、閉じて」
「…ん」
百の唇が重なる
ああ…なんて幸せなんだろう
幸せすぎて、どうにかなってしまいそうだ
百「やっとできた」
百が笑顔でそう言うもんだから、オレもつられて笑った
「…オレさ、千が羨ましかったんだ」
百「え?」
「いつでも百の隣にいられるし、二人の距離感も近いし、深い絆もあるし。相方だからこそ、できることもたくさんあるから。百は、千の言葉じゃなきゃダメな時が多いでしょ?」
百「ハク…」
「…所詮オレは部外者だからさ。百にしてあげられることなんて、何もない。今回のこけら落としでよく分かった」
百「それは違うよ!!」
「百…」
百「ハクは、ユキにできないことをしてくれたじゃん!オレの悩みを真剣に聞いてくれた。病院にも一緒に来てくれた。辛い時に、かけつけてくれた。手を握ってくれた。バンさんを呼んできてくれた。全部、ユキにはできないことだよ!ハクじゃなきゃ、できないことだよ!!」
「……っ」
百「オレは、たくさんハクに助けてもらったよ!」
また、涙が溢れ出す
百「確かにユキのことは大切だよ。でも、その感情はハクとは違う。ハクのこと、恋愛感情として好きなんだ」
「…百っ、ありがとう…」
百「オレも、ありがとう」
百(改めて、これからよろしくね)
(うん。よろしく、百)