再会と哀しみ


「そういうわけで、千の前の相方については、万理さんがなんとかしてくれるから。それより、いい作戦って?」


TRIGGERとの合同練習の時に、百が歌えるようになれればと、陸が作戦を提案したらしい


三「はい!作戦はこうです!まだ配役は決まってないんですけど、まずRe:valeの楽屋にこっそり侵入。モモさんの飲んでるジュースに薬を入れるふりをする。そこに戻ってきたユキさんがそれを目撃して、激怒させる」


「なるほど…それ、めちゃくちゃいいかも。百は、自分のために感情を荒げる千を見たことがないって言ってた。だから自分より前の相方のほうが大事なんだって。百のために怒る千を百に見せれば、百は自分のことでここまで怒ってくれるんだって思ってくれるはず」

三「ですよね!」

「よし。三月、それ、オレにも協力させてくれないかな?」

三「いいんですか!?」

「もちろん。百のためなら、なんだってしたいんだ」

大和「ほんと、ハクヤさんはRe:vale好きですね」

「当然。そういうわけで大和、君には重要な役割を果たしてもらうから覚悟しといて」

大和「は?」



大和は演技もうまいし、千とも知り合いっぽいし、配役としてはピッタリだ




-----------------------------


とりあえず色々落ち着いたので、家に帰ろうと歩いていた時だった


?「いたっ…」

「あっ、悪い…!大丈夫?」


女の子が慌てた様子で走ってきて、ぶつかってしまった


?「は、はい…!って、え!?あなた、ハクヤ…!?」

「そうだけど…」


ん?
なんか、どっかで見たような顔…


?「IDOLiSH7と、仲良しなんですよね!?」

「え?うん、事務所の後輩だし…」

?「あ、あのっ…、壮五さんとキーホルダーが、兄ちゃんにウイルスって聞いて、だから…」

「ちょっと落ち着いて…」


ごめん、何言ってるかさっぱり分からん
壮五?兄ちゃん?


?「ハクヤさん、助けてください!病気の兄ちゃんに届けなきゃいけないものがあるの!」

「兄ちゃん?それに届けなきゃいけないものって…」


プップー


紡「ハクヤさん!どこかにおでかけですか?」

「紡ちゃん!いいところに!」

紡「良ければ車のワゴンに乗せていきますよ!」


車に乗った紡と、後ろには三月と大和とナギも乗ってる

「悪いんだけど、環のとこまで乗せてってくれない?この子と一緒に!」



こうして、この子、環の妹と一緒にワゴンに乗り込んだ








あ、見えてきた
場所はテレビ局の外だ

あそこにいるのは、壮五と環と龍?


車が止まり、環の妹ちゃんは一目散に車から降りて環に抱き付いた



理「兄ちゃん…!」

環「…理……!」


この子が環の探していた妹の理ちゃんか…


理「兄ちゃん、兄ちゃん…っ」

環「理…っ!」


龍「この子が、環くんの妹…」

壮「良かったね…環くん…」


環「理…っ、やっと、会えた…!生きてて良かった…」

理「兄ちゃん、具合は平気!?兄ちゃんがウイルスにかかったって聞いて…っ」


ウイルス?
環、全然元気そうだけど…


環「…ああ…あれは、そーちゃんの作戦…」

理「これ持ってきたよ!王様プリン!兄ちゃんいつも、風邪引いた時王様プリン食べると元気になったでしょ?」

環「理…」

優しい子だな、理ちゃん


理「母ちゃん言ってた。兄ちゃんにはお医者さんのお薬より、効き目があるんだって。だから…だから、元気になって…っ。死んじゃやだ、兄ちゃん…」


環「…馬鹿だな、死んだりしねぇよ…。これからは、いつも一緒だ、理…。これからは、兄ちゃんが、おまえを守ってやるから」

理「兄ちゃん…っ」



その時だ


楽「おい龍、消えたと思ったら何やってるんだ?って、IDOLiSH7にハクヤさんも、何やって…。ん?IDOLiSH7の環と、彼女は…?」


やぁやぁ楽
その後ろには天もいたが、何やら驚いている様子


龍「環くんの妹だ。やっと…再会できたんだよ」

天「…妹って……理が…?」


天…?


環「これからは二人で暮らそう。兄ちゃんな、今、アイドルやってんだ。お金はちゃんとあるから心配すんな」

理「あ…」

環「どうした?理」

理「ごめん、兄ちゃん。兄ちゃんとは、一緒に暮らせないんだ」

環「何言ってんだ…?」


どうやら理ちゃんの話を聞くかぎり、今新しいお父さんがいて、その人と一緒にいたい。恩返ししたいと

だから一緒には行けないと


環「だめだ!もう離れたりしない!俺と来い、理…!」

理「やだっ…」


環は理ちゃんの手を掴んだ


天「彼女から手を離して」

環「てんてん…?」

理「天お兄ちゃん…!」


天お兄ちゃん?
ちょっと待って、何か色々ややこしいな


楽「天の妹…?どういうことだ!?」

「……ほんとに。どうなってんの…」


天「大丈夫?理」

理「うん…」


環「何言ってんだ、てんてん…。あんたはりっくんの兄貴だろ!理は俺の…っ」

天「昔の話でしょ。今は戸籍上、理は僕の妹だ。彼女に乱暴しないで」

環「てめぇっ、わけわかんねぇこと…」

理「止めて、兄ちゃん!天お兄ちゃんにひどいことしないで!」

環「理…なんで……」


理「兄ちゃん…兄ちゃんのこと、大好きだよ。ずっと会いたかった。でも私には新しい家族が…九条さんと、天お兄ちゃんがいるの。特に九条さんには、返し切れないくらいの恩がある。里親になってくれた人の借金を肩代わりしてくれて、私の面倒を見てくれて…おまけに、綺麗な服を着せてくれて、海外で歌やダンスのレッスンをさせてくれたの!」


環「歌やダンスのレッスン…?なんで…」


理「私、アイドルになるんだ!ゼロを超えるアイドルに!」

環「アイドル…?」




(九条…あんたはまだ、そんなことを……)
龍(ハクヤさん…?)

1/2ページ
スキ