百の声と期限切れ
その後百は、そろそろ出番だから行くね。と言って楽屋に戻っていった
百『ありがと、ハク。ハクと話すと心が落ち着くんだ。』
百がそう言っていたのが耳に残っていた
嬉しかった
百がそう思ってくれてることに
「…百のためなら、オレは何だってする。百はオレを助けてくれた大切な人だから」
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オレは、Re:valeのステージを見に来ていた
同じくRe:valeを見に来ていたIDOLiSH7がいた
「やぁ。ちょっとは落ち着いた?」
陸「ハクヤさん、さっきはありがとうございました」
「いえいえ。こちらこそえらそうなこと言ってごめんね」
陸「そんなことないです!」
ふふ
陸は可愛いし、いい子だなぁ
陸「ハクヤさんは、モモさんを見にきたんですか?」
「…百だけじゃないからね?Re:valeを、見に来たの」
陸「あはは…そうですよね、ごめんなさい」
可愛いから許す!笑
下岡「それではご紹介しましょう!みなさん、お待ちかね!Re:valeのおふたりです!」
そして、Re:valeの収録が始まった
百「こんばんはー!」
千「こんばんは」
下岡「ゼロのヒット曲カバー、五周年記念のコンサートと、話題の尽きないRe:valeですが。どうですか?今の心境は?」
百「どきどきしてるけど、わくわくもしてるかな?やったことないことって大好き!」
下岡「百くんはいつも明るいねー。千くんのほうはどう?」
千「一人だったら、プレッシャーできつかったろうけど。こいつがいるから」
下岡「おおー!相変わらず、Re:valeは仲いいねぇ」
百「お風呂も一緒です」
千「入んない、入んない」
百「お箸も夫婦箸」
千「でもフルネーム知らないっていう」
百「二人のグループ名も…」
千「そこは覚えておこうよ」
下岡「あははは!夫婦漫才の冴えるRe:vale、曲、お願いいたします」
相変わらず、夫婦漫才は健在だなぁ
陸「…すごいなぁ、Re:vale。ずっとトップアイドルで、お互いのこと大事にしあってて」
一「そうですね…。周りの空気をやわらげようと、いつもしてくれますし」
「「……あの」」
ふふ…面白いな、陸と一織
一「七瀬さんから…」
陸「いや、一織から…」
その時だった
『どうしたんだ!?百さん!』
突然、スタッフの慌てた声がスタジオに響いた
「………百…っ!?」
百「…ぁ……」
千「…モモ……?」
百「声が……歌おうとしたら、声が出ない…」
声が、出ない……!?
陸「…百さんの、声が…!?」
その日、何度テイクを重ねても、百の歌声が聞こえることはなかった
やむを得ず、音をテープで流して歌ったふりをして収録することになった
ゲストもスタッフも、驚きを隠せなかった
『ブラックホワイトの優勝者のRe:valeがまさかの口パクなんて…』
『信じられないよ、あの百さんが…。ただの体調不良だといいけど…』
『でも、このタイミングで声が出なくなるなんて、ちょっと気味が悪いよな』
『まるでゼロが自分の曲のカバーを嫌がってるみたいじゃないか…』
そんなスタッフの呟きが、聞こえていた
(……百…)