暴露
三「やっぱりそういう事件があってからは、仕事の制限とかしたりしてるんですか?」
万「うん、ハクヤくんに伝える前にしてるよ。主にグラビア撮影とか、怪しい撮影、良い噂を聞かないプロデューサーからの番組オファーなんかはお断りしてる」
一「制限しても、ハクヤさんには止めどなく仕事が来るんですから、仕事的には問題ないですね」
万「まぁね」
一「あの…気になることがあるんですが」
一織は真剣な顔で、万理に向き合う
一「…何日も性的暴行を受けていたのに、それに耐えられたということは、ハクヤさんは私達では計り知れないほど精神的に強いということになります。もし七瀬さんが同じ目に合ったとしたら、1日と持たないでしょう」
陸「ちょ、なんでオレ!?まぁ…否定はできないけど」
三「っていうより、オレたちじゃ誰も耐えられないだろ」
確かに…と口を揃えるメンバー
万「…うーん。実をいうと、ハクヤくんは精神面は弱いほうなんだよ」
壮「え!?そうなんですか!?」
環「全然そうは見えないけどなー」
一「じゃあどうして耐えられたんですか…?」
万「…それは、オレにも分からない。この話自体、話すのはタブーみたいな空気だったし。ハクヤくんが、君たちに話していいって言ったことだって、ほんとはびっくりしてるくらいなんだ。きっと、ハクヤくんには支えになるものがあったんだと思う」
その時だった
「ただいまー」
万「ハクヤくん、おかえり」
ハクヤ、帰宅
あれ、まだ皆いる
「もしかしてまだ話してたの?」
万「う、 うん」
そんな長い話でもないと思うんだけど…
環「ねぇハッくん。どうして、何日も嫌なことされて、耐えられたんだ?」
陸「た、環っ!!」
一「いきなりストレートに聞きすぎです!」
みんながオロオロしてる
「そんなの、簡単なことだよ」
そう
とても簡単なことだ
「自分を襲ってる相手を、好きな人だと思えばいい」
一「…好きな」
陸「…人?」
「そ。目を閉じて、好きな人のことだけを思い浮かべて、襲ってる相手もその人だと思うの。ほら、好きな人になら、嫌なことされても耐えられるでしょ?」
一「女性を思い浮かべたんですか?」
「いやいや、実際に襲ってる相手は男だよ?さすがに女の子に襲われてると思うのは無理があるから」
突っ込まれてるわけだしねぇ
陸「じゃあハクヤさんは誰を思い浮かべたんですか?」
「そうだなぁ。君たちも知ってる人だよ。ちょっと考えれば分かると思うけど」
一「なるほど、あの人ですか」
一織はいち早く気付いたらしい
陸「え!?一織分かったの!?」
一「考えてみて下さい。デビュー当時から現在に至るまでハクヤさんと親しい人がいるでしょう」
その言葉でメンバーが、あ!っと声を上げる
陸「…そうか!モモさんだ!」
おお、陸よ
そんな大きな声で言わないで、恥ずかしいから
ナギ「oh!ミスターモモ!」
三「でもさ。どっちかっていうと、モモさんがハクヤさんのこと好きな感じするよなー。ほら、この前楽屋にハクヤさん来た時も、速攻でハクヤさんに抱き着いてたし」
大和「なるほど、じゃあ両想いか」
「両想いって…!百がオレのことどう思ってるのかも分からないからね!?」
さすがに嫌われてるとは思ってないけどさ!
ナギ「ミスターモモ。ミスターハクヤとキスしようとしていました…」
三「え!?何それ!?」
「ナギ…!それは悪ふざけみたいなもんで…!」
ナギ「スペシャルミッションだと思っていたら、地味なミッションでした。ブロマイドにキス求められ、その流れで二人がキスしようと…。oh!私、二人がキスしようとしたのを止めてしまいました…ソーリーです…」
「「「「「「………。」」」」」」
ナギ…もう止めて……。
「もうこの話は終わり!!いい?このことは百にはもちろん、誰にも秘密だからね!?」
(はぁ…百のことは言わないほうが良かったかな)