万理さんの秘密
あのあと…
壮五が大和に電話したら、大和は朝帰りだそうで
Re:valeは仕方なく帰っていった
んで、なんか騒がしいなぁと思ってダイニングルーム行ったら大和いるし、壮五とナギ以外のアイナナ揃ってるし、なぜかTRIGGERもいるし!
環は王様プリン全部食べられて怒ってるし、陸と天はケンカしてるし
一言で表すと…カオスだった
「はぁ…疲れそうだから逃げてきたけど、いいよね…」
あ、そういえば千から作詞依頼来たこと万理さんに伝えないと
オレは事務所へ
「万理さーん…いるー?」
灯りはついてるな
あ、万理さんいた…けど
「寝て、る…」
万理さんは疲れているのか、机に突っ伏して寝息を立てていた
「ん?机にCDが置いてある…Re:vale…?曲名、『未完成な僕ら』…?聞いたことない…どういうこと?」
Re:valeがデビューした時から知ってるから、知らない曲なんてないはずなんだけど
「…。ごめん万理さん…!」
勝手に借りるよ…!
オレはCDを手に取り、近くにあったデッキに入れる
万理さんを起こさないように、イヤホンをつける
そして前奏が流れ始める
『~♪一人が気楽と思い込んでた僕に…』
千の声…
『二人でいるから未来が膨らんでく…』
…え?
この声って…
万理さん…?
なんで…
『そうさ 未完成な僕らはすれ違うなんて思わずに…』
「…すごく、いい歌だ……」
Re:valeの過去については、百から聞いていた
インディーズ時代、千は別の人と組んでいた
だが、色々あって千の相方は姿を消し、音楽を辞めそうになっていた千をファンだった百が説得して、百が千と組むことになった
「…千の元相方は、万理さん…?」
千は今でも元相方を探している
万理さんは千のこと、知ってて会わないんだ…
「このこと、やっぱり二人には言わないほうがいいよね…万理さん、隠してるみたいだし…」
オレはそっとCDをもとの位置に戻した
(勝手に聞いちゃってごめんね、万理さん)