ブラックオアホワイト


この時期は毎年ブラホワに向けて仕事を減らしてるから、作詞に集中できる

そして、万理さんが言っていた通り、社長に呼び出され、ブラホワで歌う新曲の作詞を頼まれた


「もちろん、やります!」

社長「良かった。この曲はブラホワで歌う、大切な曲なんだ。頼んだよ、ハクヤ君」

「はい!」

社長「そうだ。TRIGGERの新曲の作詞も、しているそうだね」

「…!は、はい…ダメ、でしたか?」

社長「いいや。どちらもハクヤくんの作詞だし、正々堂々勝負が出来ていいんじゃないかな」

「社長…」




きっとオレは、どちらが勝って負けても、悲しむし、喜ぶと思う

だって、どっちも大好きな後輩だから







「よし!完成!ふふ、TRIGGERに言いに行くか!」


オレは八乙女社長に完成したことを伝えて、事務所までやってきた

部屋に入ったら、すでに三人がいて
ものすごいびっくりした顔で


天「ハクヤさん!?」

楽「何でここに!?」

社長「お前たち、静かにしろ。ハクヤ、見せてみろ」

「はい、どーぞ。あ、ちなみに言っとくけど、クレーム、修正、変更は一切認めないので、その辺よろしく」

龍「どういうことですか…?」


TRIGGERの三人は置いてけぼりを食らい中


社長「…ふん。まぁ作詞の天才と言われるだけはあるな。これでいい」

「当然でしょ。TRIGGERらしさを全面に入れた、これぞTRIGGERの歌!って感じにしといたから」


楽「あの…ハクヤさん…」


あぁ、そろそろ教えてあげないとね


「君たちの新曲、オレが作詞したんだ」



天「……本当、ですか…」

楽「…そんな、夢みたいな」

龍「うう…嬉しい…!」


ほんとに嬉しそうだな…
作詞して良かった


「あぁ、今度は正真正銘、君たちTRIGGERのためだけに書いた詩だ。大切に歌ってほしい」

天「もちろんです」

楽「…ありがとう、ハクヤさん。オレたちの夢を叶えてくれて」

龍「本当に、ありがとうございます…!大切に歌わせてもらいます!」

「ふふ。ぜひそうしてくれると嬉しいな」


三人の嬉しそうな顔を見られて、オレ嬉しい


社長「この歌はブラホワまで発表しない。ハクヤ、分かっているだろうが…」

「分かってる分かってる。漏洩はしないから安心して。それじゃ、オレ忙しいからそろそろ帰るね」


楽「ハクヤさん…!」

「ん?」


楽が誰にも聞こえないような小声でオレに話しかける


楽「どうやって親父に取り入ったんですか?あの人頑固だからそう簡単に首を縦に振らないのに」

「ふふ。さぁて、なんでだろうね?オレには甘いとか?」

楽「そうなんですか?」

「まぁいいじゃん。夢だったんでしょ?なら、その気持ちに恥じないようにかっこよく歌ってよ」

楽「…はい!」




(うわ、社長が睨んでるな…大丈夫、余計なことは言ってないからー)
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