ブラックオアホワイト
「感動の再会もの?」
万「うん。環君たってのお願いでね。どうやら番組の予算で妹さんを探してくれるらしくて」
「…その番組のプロデューサー、あんまりいい噂聞かないけど大丈夫かな」
万「え、そうなの?」
「うん。視聴率を上げるためなら、どんな手段もいとわないとかなんとか」
心配だな…
「ねぇ万理さん。その収録、どの現場?オレ、もし同じなら様子見たいんだけど」
万「えっと…うん、同じ現場だよ」
よし
ちゃんと見守ってあげないと。
そして、収録当日
下岡「お母さんを亡くされ、お父さんは行方不明…。妹さんとは施設で別れたきり…。苦しく孤独な日々を歩いてきた四葉環さん。今、感動の再会です!」
環「…!理が見つかったのか!?」
壮「よかったな!環君!」
環「理…!」
……なんだろ、嫌な予感しかしない
下岡「登場していただきましょう!3才の頃生き別れになった環君のお父さまです…!」
環「………」
どうやら妹さんは見つからなかったようだ
それよりも環の顔がみるみる怒りの表情に変わっていってる
環「よく出て来れたな、この人でなしっ…!」
下岡「…!」
これは、ヤバいやつじゃないのか…!?
壮「環君!よせ…!」
環は父親に殴りかかる
環「てめぇのせいで…おふくろは死んで、理ともバラバラになったんだ!」
環父「た、環…!父さんは…!」
環「今さら父親面してんじゃねぇよ!酒ばっか飲んでいばってたクソチンピラが!」
壮「やめろ、環君…!」
壮五が必死に止めにかかる
ナギ「タマキ!暴力NGです!」
環「何が目的だ!金か!?言ってみろ!ああ!?」
番組P『よしなさい、君…!』
環「はなせ、クソジジィ!」
環は番組プロデューサーを突き飛ばす
その後ろにいたミスター下岡さん
「…!危ない…!」
下岡「っ…!」
オレはギリギリのところで下岡さんをガードした
下岡「…は、ハクヤくん…」
「大丈夫?下岡さん」
下岡「…あ、あぁ」
皆が一瞬オレが出てきたことに驚いていたが、今はそれどころではない
陸「環…!下岡さんまで巻き込まれるところだったぞ!もう止めろ!落ち着け!」
大和「タマ!わかった!わかったから!な!?」
環「てめぇのせいで…!」
環のやつ、怒りで我を失ってる
壮「もういい!もういいから…大丈夫だ…落ち着いて…」
環「…うぅ、うう…」
環…
一「すみません…大丈夫ですか、下岡さん」
下岡「大丈夫かじゃないよ!ハクヤ君がいなかったら危なかった!めちゃくちゃじゃないか!もう…」
「下岡さん、あの…環にも色々と…」
下岡「分かってるよ。収録は中止しよう!事情はあるんだろう。番組側も悪かったかもしれない。だけど君たちもプロだろう。これじゃあもう番組にならない!君たち、常識なさすぎるよ…!」
一「…申し訳ありません!」
下岡「僕よりも先にスタッフに謝りたまえ!君たちとの今後の付き合いも、考えさせてもらうからな!」
そんな…!
(クソ…もっとオレがちゃんと番組のこと調べていればこんなことには…!)