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デビュー曲


『すいません、ちょっといいですか』

紡「…TRIGGERが出ない!?」


…やっぱり無理っぽいか

『うちの上がそこの事務所と揉めて、出演NG出されちゃったんです。他のアーティストにトリをお願いできないか打診したんですけど…』

あれ
オレには来てないけど
すれ違ってしまった感じ?
オレすぐ色んなとこ行っちゃうからなー

紡「…やりたくないですよね。お客さんの大半はTRIGGERファンです。落胆が目に見えてる」

『IDOLiSH7になんとかお願いできませんか?この通りです…』

紡「申し訳ありませんが…危険を犯してうちのタレントを傷つけるようなことは…」


…まぁそうだよな


陸「やりましょうよ」

紡「陸さん!?」

「陸…」

陸「困った時はお互い様です。お客さんの落胆の空気は一度ミューフェスで体験したし…」

紡「あの時の比じゃないですよ。お客さんの期待を裏切るんですから。下手したらブーイングだって」

陸「大丈夫だよ、マネージャー。マネージャーのおかげで、オレたちは丈夫に育ってるから」

紡「陸さん…」

『ありがとうございます!トリの曲、どの曲で行きますか?』

陸「TRIGGERの曲を待ってる人たちに、オレたちの曲を聴かせるのは申し訳ないです。せめて、TRIGGERの曲を歌いましょう」

『えっ!?』

陸「だって、オレたち、あの曲歌えるんだもん」


陸は笑顔でそう言った

そうだな
歌えるもんな
いっぱい練習したんだから



「よく言った陸!なら、オレも一緒に出るよ」

紡「ハクヤさん…!」

『本当ですか!?ありがとうございます!』

陸「いいんですか?ハクヤさん」

「うん。君たちだけに辛い思いはさせないよ。それに、オレが作詞した曲だよ?オレだって歌えるから」





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ステージ上で『NATSU☆しようぜ!』のイントロが流れ始め、TRIGGERファンが期待のまなざしを向ける


だがそこに現れたのは、TRIGGERではなくアイドリッシュセブンだ

陸「改めて、こんばんはー!TRIGGERの皆さんは諸事情がありまして、本日出演できなくなりました」


『ええええええっ!!!』


陸「急遽、オレたちが歌わせて頂き…」


『呼んでねーよ!ひっこめ!!』

『TRIGGER出してよ!!』


陸「…頂きたいと思います!」

三「…すっげぇブーイング…会場が震えてるぜ…」

大和「ま、覚悟の上だな…」

『TRIGGER出してー!!!』


環「うっせえな!」

壮「環くん!?」

『はああああああ!?なにあいつー!!むかつく!!誰かペットボトル投げて!』


一「誰か四葉さんのマイク切って…!」

環「俺たちだって歌うつもりじゃなかったし、あいつらのステージ見たかったよ。お手本になるからさ。来れないっつーなら、しょうがねーじゃん。せっかくだから、TRIGGERの曲、みんなで歌って帰ろ」


『…でも、だって…そんなの…』


陸「TRIGGERファンの人、本当に本当に本当にごめんなさい!三人にはまだ及ばないけど、歌わせてもらいます!」


『やだーーーーーっ』



「みんな、そんな姿、TRIGGERが見たら、悲しむよ」


『…え、あれって…ハクヤ…!?』


「TRIGGERが大好きなら、受け止めて、彼らが誇れるようなファンでいなくちゃ。そうでしょ?ペットボトル投げたり、罵倒したり。そんなのTRIGGERが知ったらどう思うかな」

『…それは…。』


ハクヤファン『ハクヤくんめちゃくちゃカッコイイ…』

アイナナファン『ハクヤくんがアイナナを守ってくれてる…』



「さあ、みんなで歌おう。陸!」

陸「はい!IDOLiSH7とハクヤで、『NATSU☆しようぜ!』」







楽「なんだこのもの凄いブーイング」

天「ボクたちが出ないことを発表したんでしょ」

龍「でも待って…イントロが聞こえないか…?オレたちの」

天「この声…」

楽「IDOLiSH7とハクヤさんが俺たちの曲を歌ってるのか!?このブーイングの中で!?」







『ひっこめー!!』

『TRIGGERの歌、歌わないでー!』


アイナナファン『もうやだ!みんながかわいそう…!なんでこんなことさせるの!?一生懸命歌ってるじゃん!TRIGGERコールなんてひどいよ!みんなの歌、聞いてよ…』

ハクヤファン『大丈夫。私たちのハクヤくんは、こんなことで負けたりしないんだから!!』

ハクヤファン『そうだよ!私たちはハクヤくんが誇れるようなファンでいよう!』



「みんなー!!!!一緒に歌えーー!!そして、楽しめーーー!!!」


オレは間奏で思いっきり叫んだ


陸(…!ハクヤさん…)


そして、陸の声かけもあり、会場はだんだんと一つになり、ブーイングもやんでいった




(陸を見てると、応援したくなるんだよな。不思議と)
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