第三章 ケフィ対奇跡使いと言霊使い
「戦う?この私と?いいわ、受けて立ちましょう。私を止めたいなら力づくで私を止めてみなさい!私も貴方と戦ってみたかったわ!入門して間もない貴方が私を止められるかしら?!」
ケフィは身構えた。燃え盛るキッチンの火の古霊の力を利用できるだろうか。
「炎の古霊フランマよ、ベルさんの肌に炎の印を刻め!!」
ベルを取り巻く炎が、ベルに襲い掛かる!しかし。
「ナンナ・イープック!」
ベルは異国語の言霊を唱え、その炎を打ち消してしまった。
「ええ?!」
驚いたのはケフィだ。ベルが何と発音したのかわからない。ベルが外国語の言霊を発したところを、ケフィは初めて見たのだ。
「ヌバラシンドラ・カカカ・サバラドフランマ!!」
ベルの言霊は彼女を取り巻く火の勢いを増し、炎の竜巻となってケフィを襲った。
「うわ!……く!」
炎に熱せられた空気はケフィの気管を焼き、呼吸を奪う。
「まるで駄目ね。これがフランマの力を操るということよ」
ケフィは激しく咳き込んだ。そうだ、こんな時はあの言霊で喉を潤すのだ。
「潤いの古霊・ウモーレムよ、喉の渇きを潤し給え」
ケフィは素早く水分を補給し、別の手を繰り出す。
「強い……!なら、フールグラよ、天罰の雷を落とし給え!」
すると水浸しの床に電気が漏電し、その場にいる全員が感電した。
『きゃあああ!!!』
「しまった、こんな水浸しの場所じゃフールグラは使えない!」
しかし、ベルにダメージを与えることは成功したようである。
「うう、今のは少し堪えたわ。なら、これはどう?エティカラー・サマトラフバンバ・ザンカンド・ボムブ!」
すると、ケフィの足元が大爆発した。ケフィは両足を負傷したが、幸い脚が無くなるほどの怪我ではなかった。
「ううう、くっ、攻撃が読めない!何をするか予想できないから逃げられない!」
「どうしたの?私を止めるんでしょう?私はいつでもあなたを殺せるのよ?そんなことじゃ、ヴィンディクタエの眼中にも入らないわ!」
ケフィはしりもちをつき、ずぶ濡れになりながら言霊を考えた。負傷した体に水が沁みる。
「うう、か、風の古霊ヴェントゥスよ、ベルさんを切り刻め!」
「ナンナ・イープック!」
しかし、ベルはその言霊も弾いてしまう。
「愛の古霊アマーレよ、傷つき病んだコルプスを休め、癒し給え」
ケフィは痛みに耐えかねて、癒しの言霊で回復した。言霊はすぐに効き、まるで何事もなかったかのように傷を塞いだ。
「全然よ、全然ね。まったく弱くて話にならないわ。貴方はもっと戦えると思った。そんなことじゃ私には敵わない」
ベルは目を伏せて首を横に振った。ニヒリウムを使えるなどと言ったから、もう少し戦えると思っていたのに。
「ベルさん。貴女はどうしてそんなに強いんですか?どうしてそんなに強いのに、今まで力を封印してきたんですか?教えてください。僕は、貴女と戦いたくない……」
ベルはふうとため息を吐いた。やはりケフィでは敵にならない。ならば本当のことを言おうか。何もかも打ち明けたら、ケフィも本気で戦う気になるかもしれない。
「しょうがないわね。じゃあ教えてあげる。本当のことを。まあ、貴方にしては良く戦ってくれたから、この際話してあげるわ」
そしてベルは語り始めた。
ケフィは身構えた。燃え盛るキッチンの火の古霊の力を利用できるだろうか。
「炎の古霊フランマよ、ベルさんの肌に炎の印を刻め!!」
ベルを取り巻く炎が、ベルに襲い掛かる!しかし。
「ナンナ・イープック!」
ベルは異国語の言霊を唱え、その炎を打ち消してしまった。
「ええ?!」
驚いたのはケフィだ。ベルが何と発音したのかわからない。ベルが外国語の言霊を発したところを、ケフィは初めて見たのだ。
「ヌバラシンドラ・カカカ・サバラドフランマ!!」
ベルの言霊は彼女を取り巻く火の勢いを増し、炎の竜巻となってケフィを襲った。
「うわ!……く!」
炎に熱せられた空気はケフィの気管を焼き、呼吸を奪う。
「まるで駄目ね。これがフランマの力を操るということよ」
ケフィは激しく咳き込んだ。そうだ、こんな時はあの言霊で喉を潤すのだ。
「潤いの古霊・ウモーレムよ、喉の渇きを潤し給え」
ケフィは素早く水分を補給し、別の手を繰り出す。
「強い……!なら、フールグラよ、天罰の雷を落とし給え!」
すると水浸しの床に電気が漏電し、その場にいる全員が感電した。
『きゃあああ!!!』
「しまった、こんな水浸しの場所じゃフールグラは使えない!」
しかし、ベルにダメージを与えることは成功したようである。
「うう、今のは少し堪えたわ。なら、これはどう?エティカラー・サマトラフバンバ・ザンカンド・ボムブ!」
すると、ケフィの足元が大爆発した。ケフィは両足を負傷したが、幸い脚が無くなるほどの怪我ではなかった。
「ううう、くっ、攻撃が読めない!何をするか予想できないから逃げられない!」
「どうしたの?私を止めるんでしょう?私はいつでもあなたを殺せるのよ?そんなことじゃ、ヴィンディクタエの眼中にも入らないわ!」
ケフィはしりもちをつき、ずぶ濡れになりながら言霊を考えた。負傷した体に水が沁みる。
「うう、か、風の古霊ヴェントゥスよ、ベルさんを切り刻め!」
「ナンナ・イープック!」
しかし、ベルはその言霊も弾いてしまう。
「愛の古霊アマーレよ、傷つき病んだコルプスを休め、癒し給え」
ケフィは痛みに耐えかねて、癒しの言霊で回復した。言霊はすぐに効き、まるで何事もなかったかのように傷を塞いだ。
「全然よ、全然ね。まったく弱くて話にならないわ。貴方はもっと戦えると思った。そんなことじゃ私には敵わない」
ベルは目を伏せて首を横に振った。ニヒリウムを使えるなどと言ったから、もう少し戦えると思っていたのに。
「ベルさん。貴女はどうしてそんなに強いんですか?どうしてそんなに強いのに、今まで力を封印してきたんですか?教えてください。僕は、貴女と戦いたくない……」
ベルはふうとため息を吐いた。やはりケフィでは敵にならない。ならば本当のことを言おうか。何もかも打ち明けたら、ケフィも本気で戦う気になるかもしれない。
「しょうがないわね。じゃあ教えてあげる。本当のことを。まあ、貴方にしては良く戦ってくれたから、この際話してあげるわ」
そしてベルは語り始めた。