第三章 ケフィ対奇跡使いと言霊使い
「憎しみの古霊オディウムよ、ベルの力を憎め、言霊を紡ぐ口を塞げ!」
しかし、言葉を奪われたのはニナのほうだった。
「……!……?……!……!!」
「駄目よ、ニナ!全部反撃されてるのよ!私たちは耐えるしかないの!」
「冗談じゃないわよ、ベル!師匠であるあたしまで貴女に何かしたっていうの?」
ミルドレッドはニナとエラを連れて部屋を出、ベルを部屋に閉じ込めた。
「無駄ですから」
すると勢いよく扉が開き、三人は互いの頭をぶつけ合いながら将棋倒しに倒れた。
いつの間にかベルが薄笑いを浮かべて三人を見下ろしている。
「に、逃げるわよ!!」
しかし部屋のどこへ逃れても家具や道具がおびただしく襲い掛かってくる。固く重い家具達が襲い来る様は、まるで殴る蹴るの暴行のように三人を攻め立てる。扉が勝手に開閉し、あちこちに火の手が上がり、水は吹きだし、物が飛び交い、三人はボロボロに負傷し続けた。
「あんたたち、ちょっとベルを引き付けておいて!この言霊を封印する!」
ミルドレッドは家具たちの攻撃の手をかいくぐり、自室に逃げ込んだ。自室でもソファーが踊り、書類が舞い上がり、混沌を極めていたが。
「あった!ペン、インク、白い紙!うう、こんな中で書けるかしら」
ミルドレッドは紙に幾何学模様と言霊を書き、怪我した個所から血を採取して擦り付けた。四隅にテープを張り付け、ベルのもとへと走り出す。
「ベル!」
ベルは自室にいた。自室で三人が言霊に苦しめられているのを見物していた。
「ここにいたのね。ちょうどよかったわ」
「どうかなさいました、ミルドレッド様?」
「しばらくここにいなさい!」
ミルドレッドはドアを閉めると、そこに先ほどの幾何学模様の紙を貼り付けた。
「古の古霊よ、我ここに汝を封じる!ベルとともに封印されよ!」
するとドスンバタンと暴れていた家具は動きを止め、ベルの部屋が赤黒い光に包まれた。
「そんな……!これは魔術?!言霊を使った魔術ですか?!」
勘のいいベルは自分の置かれた状況をすぐに把握した。押しても引いてもドアが開かない。
「くっ……!やられた。でも、この封印が解けたらヴィンディクタエは必ず復讐を始めますからね。私の生死に関わらず……!」
「あなたを殺しはしないわ。水と食料はドアに穴をあけて提供する。少しの間おとなしくなさい」
そこへ、ちょうどガイがやってきた。
「な……なあんだあ、こりゃあ?ミルドレッド、これはどうしたんだよ?」
「ガイ!丁度良かった!ノコギリでドアに穴をあけてちょうだい!」
ベルは苦々しく唇をかみしめた。
「情けをかけるつもりなの……?やるなら徹底的にしたらどう?私の復讐は止められないわよ」
しかし、言葉を奪われたのはニナのほうだった。
「……!……?……!……!!」
「駄目よ、ニナ!全部反撃されてるのよ!私たちは耐えるしかないの!」
「冗談じゃないわよ、ベル!師匠であるあたしまで貴女に何かしたっていうの?」
ミルドレッドはニナとエラを連れて部屋を出、ベルを部屋に閉じ込めた。
「無駄ですから」
すると勢いよく扉が開き、三人は互いの頭をぶつけ合いながら将棋倒しに倒れた。
いつの間にかベルが薄笑いを浮かべて三人を見下ろしている。
「に、逃げるわよ!!」
しかし部屋のどこへ逃れても家具や道具がおびただしく襲い掛かってくる。固く重い家具達が襲い来る様は、まるで殴る蹴るの暴行のように三人を攻め立てる。扉が勝手に開閉し、あちこちに火の手が上がり、水は吹きだし、物が飛び交い、三人はボロボロに負傷し続けた。
「あんたたち、ちょっとベルを引き付けておいて!この言霊を封印する!」
ミルドレッドは家具たちの攻撃の手をかいくぐり、自室に逃げ込んだ。自室でもソファーが踊り、書類が舞い上がり、混沌を極めていたが。
「あった!ペン、インク、白い紙!うう、こんな中で書けるかしら」
ミルドレッドは紙に幾何学模様と言霊を書き、怪我した個所から血を採取して擦り付けた。四隅にテープを張り付け、ベルのもとへと走り出す。
「ベル!」
ベルは自室にいた。自室で三人が言霊に苦しめられているのを見物していた。
「ここにいたのね。ちょうどよかったわ」
「どうかなさいました、ミルドレッド様?」
「しばらくここにいなさい!」
ミルドレッドはドアを閉めると、そこに先ほどの幾何学模様の紙を貼り付けた。
「古の古霊よ、我ここに汝を封じる!ベルとともに封印されよ!」
するとドスンバタンと暴れていた家具は動きを止め、ベルの部屋が赤黒い光に包まれた。
「そんな……!これは魔術?!言霊を使った魔術ですか?!」
勘のいいベルは自分の置かれた状況をすぐに把握した。押しても引いてもドアが開かない。
「くっ……!やられた。でも、この封印が解けたらヴィンディクタエは必ず復讐を始めますからね。私の生死に関わらず……!」
「あなたを殺しはしないわ。水と食料はドアに穴をあけて提供する。少しの間おとなしくなさい」
そこへ、ちょうどガイがやってきた。
「な……なあんだあ、こりゃあ?ミルドレッド、これはどうしたんだよ?」
「ガイ!丁度良かった!ノコギリでドアに穴をあけてちょうだい!」
ベルは苦々しく唇をかみしめた。
「情けをかけるつもりなの……?やるなら徹底的にしたらどう?私の復讐は止められないわよ」