【番外】ベル改造計画
ケフィは雑貨屋に入ると、「あれ?あれ?どこだ?」とつぶやきながら、何かを探しているようだった。
その雑貨屋はなんと、ミルドレッドの事務所のお守りを卸している雑貨屋の一つだった。見覚えのあるぬいぐるみが、素朴で味のあるポップ付きで販売されている。ベルは配送の仕事をしていないので、売られているところを初めて見た。
ケフィが何かを店主に訊いていた。すると店主に案内され、何かを選んでいるようだった。チラチラとベルを盗み見ては、こそこそと何かを選んでいる。ベルは何か企んでいると察知して、知らないふりをして店内を眺めた。
やがてケフィは会計を済ませ、「公園でも行きましょうか」と、ベルの手を引いて店を出た。
公園にやってくると、ケフィは手近なベンチに座り、「実はずっとベルさんにこれをあげたくて。開けてみてください」
と、先ほど会計した紙袋を手渡した。中から出てきたのは、小さな赤い花のヘアピンだった。
「可愛い……」
「以前配送に出かけたときにこの髪飾りを見つけて、いつかベルさんにあげようと思っていたんです。ほんとは白い花がよかったんですが、売り切れだったので赤になりました。すみません」
ベルはこめかみに挿して見せ、ハンドバッグから手鏡を取り出して見てみた。するとどうだろう。今日のファッションやメイクにとてもよく似合うではないか。
「似合いますか?」
ベルがおずおずとケフィに問うと、ケフィは満面の笑みで、「とっても!可愛いよ!」と褒めた。
そして二人は手をつないで帰路に就いた。エラとニナが期待するほど仲は進展しなかったが、二人のお膳立てには感謝しようとベルは思った。
が、しかし。
「あそこまでお膳立てしたのにまだキスもしてないの!?きーっっ!イライラする!」
エラとニナはベルの報告にまた不満を爆発させていた。
ケフィとベルがもっと親密になるにはまだまだ時間がかかりそうだ。
END.
その雑貨屋はなんと、ミルドレッドの事務所のお守りを卸している雑貨屋の一つだった。見覚えのあるぬいぐるみが、素朴で味のあるポップ付きで販売されている。ベルは配送の仕事をしていないので、売られているところを初めて見た。
ケフィが何かを店主に訊いていた。すると店主に案内され、何かを選んでいるようだった。チラチラとベルを盗み見ては、こそこそと何かを選んでいる。ベルは何か企んでいると察知して、知らないふりをして店内を眺めた。
やがてケフィは会計を済ませ、「公園でも行きましょうか」と、ベルの手を引いて店を出た。
公園にやってくると、ケフィは手近なベンチに座り、「実はずっとベルさんにこれをあげたくて。開けてみてください」
と、先ほど会計した紙袋を手渡した。中から出てきたのは、小さな赤い花のヘアピンだった。
「可愛い……」
「以前配送に出かけたときにこの髪飾りを見つけて、いつかベルさんにあげようと思っていたんです。ほんとは白い花がよかったんですが、売り切れだったので赤になりました。すみません」
ベルはこめかみに挿して見せ、ハンドバッグから手鏡を取り出して見てみた。するとどうだろう。今日のファッションやメイクにとてもよく似合うではないか。
「似合いますか?」
ベルがおずおずとケフィに問うと、ケフィは満面の笑みで、「とっても!可愛いよ!」と褒めた。
そして二人は手をつないで帰路に就いた。エラとニナが期待するほど仲は進展しなかったが、二人のお膳立てには感謝しようとベルは思った。
が、しかし。
「あそこまでお膳立てしたのにまだキスもしてないの!?きーっっ!イライラする!」
エラとニナはベルの報告にまた不満を爆発させていた。
ケフィとベルがもっと親密になるにはまだまだ時間がかかりそうだ。
END.