【番外】ベル改造計画
そして事務所の定休日、エラとニナとベルは街に繰り出した。手に入れたばかりの給料をベルに全額引き出させ、足りない分はエラとニナが補填するつもりだ。
「まずは服ね。ローゼンルージュ行くわよ」
「あ、いいね!最高じゃんそこいこう!」
エラとニナはズンズン町の人込みを縫うように歩く。ショッピングモールの角のファッションビル3階、レディースファッション階。エスカレーターの裏に回り込む位置に目当てのローゼンルージュはある。
「この新作のアネモネの刺繍のブラウスとかどうよ!」
「ベルはラベンダーの刺繍のニットって気がする」
「ワンピの方が安く済むのかしら。この白い花柄のワンピは?」
「白ってイメージだよね。レモン柄とかナウいんじゃないの?」
二人は次々ハンガーの洋服をベルにあてがう。ベルに鏡で確認させる隙はない。エラとニナのプロデュースだ。
「あ、私アネモネワンピ結構好きです……」
ベルが恐る恐る自分の意見を言うと、「大柄は似合わないから却下」とはねつけられてしまった。
「あ!これいい!!これ!ベルって感じ!これにしなよ!」
そういってニナがあてがったのは小花柄のベビーピンクのワンピースだった。細かい花柄のジョーゼット生地に、細かいプリーツ加工が施されている。
「あー!いい!さすがニナ!ベル、試着してきてご覧」
「は、はい……」
ベルは店員に声をかけ、試着室に入っていった。
その服は、プリーツが伸縮するおかげで着やすく、細身のベルのウェストをよりほっそり見せてくれる服だった。ベビーピンクというのもポイントが高い。
「どうですか?結構可愛いです」
ベルが試着室から出てくると、意外なことにエラとニナは渋い顔をした。
「うーーーーーん……」
「似合わないわけじゃないんだけど……」
ニナが言葉を濁すと、エラがズバッと言い切った。
「首から上が服に負けてる」
「そう!それ!やっぱメイクだよね……」
そしてエラとニナはベルに服を買わせると、ビルの一階のコスメコーナーへ連れて行った。
「服結構高かったから、安めで行く?本気で買いたい?」
エラがベルに希望を聞くと、「安くていいです……」とのことだったので、プチプラコスメブランドのカウンターへ向かった。
「え、こんなに高いのに安い方なんですか……?」
ベルはその値段に仰天した。ファンデーション一つ、口紅一つが銀貨3枚から5枚ほどの値段がする。買えないわけではないが、口紅とファンデだけで金貨が飛ぶとなると、考えてしまう。さっきの服は金貨3枚もしたのに。
「女子はこのぐらいお金かけるのが普通なの。今までのお給料使ってないでしょ?お金はあるんでしょ?」
確かに今まで給料のほとんどを貯金に回してきたので、貯蓄はたんまりあるが、ベルにとっては無駄遣いとしか思えない。これが必要経費というならば、女子とは何とも金のかかる生き物だ。
「お、お任せします……」
そしてベルは美容部員にヨイショされ、エラとニナにはダメ出しをされながら、メイクの実験台にされ続けた。
「まずは服ね。ローゼンルージュ行くわよ」
「あ、いいね!最高じゃんそこいこう!」
エラとニナはズンズン町の人込みを縫うように歩く。ショッピングモールの角のファッションビル3階、レディースファッション階。エスカレーターの裏に回り込む位置に目当てのローゼンルージュはある。
「この新作のアネモネの刺繍のブラウスとかどうよ!」
「ベルはラベンダーの刺繍のニットって気がする」
「ワンピの方が安く済むのかしら。この白い花柄のワンピは?」
「白ってイメージだよね。レモン柄とかナウいんじゃないの?」
二人は次々ハンガーの洋服をベルにあてがう。ベルに鏡で確認させる隙はない。エラとニナのプロデュースだ。
「あ、私アネモネワンピ結構好きです……」
ベルが恐る恐る自分の意見を言うと、「大柄は似合わないから却下」とはねつけられてしまった。
「あ!これいい!!これ!ベルって感じ!これにしなよ!」
そういってニナがあてがったのは小花柄のベビーピンクのワンピースだった。細かい花柄のジョーゼット生地に、細かいプリーツ加工が施されている。
「あー!いい!さすがニナ!ベル、試着してきてご覧」
「は、はい……」
ベルは店員に声をかけ、試着室に入っていった。
その服は、プリーツが伸縮するおかげで着やすく、細身のベルのウェストをよりほっそり見せてくれる服だった。ベビーピンクというのもポイントが高い。
「どうですか?結構可愛いです」
ベルが試着室から出てくると、意外なことにエラとニナは渋い顔をした。
「うーーーーーん……」
「似合わないわけじゃないんだけど……」
ニナが言葉を濁すと、エラがズバッと言い切った。
「首から上が服に負けてる」
「そう!それ!やっぱメイクだよね……」
そしてエラとニナはベルに服を買わせると、ビルの一階のコスメコーナーへ連れて行った。
「服結構高かったから、安めで行く?本気で買いたい?」
エラがベルに希望を聞くと、「安くていいです……」とのことだったので、プチプラコスメブランドのカウンターへ向かった。
「え、こんなに高いのに安い方なんですか……?」
ベルはその値段に仰天した。ファンデーション一つ、口紅一つが銀貨3枚から5枚ほどの値段がする。買えないわけではないが、口紅とファンデだけで金貨が飛ぶとなると、考えてしまう。さっきの服は金貨3枚もしたのに。
「女子はこのぐらいお金かけるのが普通なの。今までのお給料使ってないでしょ?お金はあるんでしょ?」
確かに今まで給料のほとんどを貯金に回してきたので、貯蓄はたんまりあるが、ベルにとっては無駄遣いとしか思えない。これが必要経費というならば、女子とは何とも金のかかる生き物だ。
「お、お任せします……」
そしてベルは美容部員にヨイショされ、エラとニナにはダメ出しをされながら、メイクの実験台にされ続けた。