変なお兄さんに捕まって逃げました
「わたくし、雑誌は綺羅と聖典しか読みませんの。ごめんあそばせ」
冷たい眼差しで葵は彼の横をすり抜けた。
「あっ、あっ、ちょっとまって!今回のDevilteenは悪くないんだって!綺羅っぽいファッションを募集してるんだよ!君みたいな子、ど真ん中なんだ!」
柳は思わず彼女の腕を掴んだ。掴んだ瞬間、取材のタブーであるキャッチをしてしまったことに気付き、柳はハッとした。法律違反である。葵もまたギョッとした。
「離しなさい、無礼者!わたくしは綺羅と聖典と、たまに読んでもファスナーだけですわ!下がりなさい、悪魔の手先!」
葵が腕を振りほどこうとした瞬間、あまりに嫌悪感を感じたからであろうか、無意識に攻撃魔法が炸裂してしまった。葵の放った魔法弾は、333の壁に当たって爆裂した。
突如起こった爆発音に、周囲の通行人も、車も、勿論柳も動きを止めた。
凍り付いた世界、穴の開いた333の壁、葵は我に返って青くなった。ついうっかり、魔法を使ってしまった……!
「と、ともかく、おひきとりあそばせ!」
葵はその場から顔を覆って逃げ出した。
「今……の……なんだったんだ……?」
爆発音を聞きつけたのは通行人ばかりではない。近くの交番から警察官も現れた。警察官は周囲の立ちすくむ通行人に声をかけると、ほどなく柳に近寄ってきた。
「今、ここで何をしてたのかな、お兄さん?ちょっと話を聞かせてくれるかな?」
「はえ?お、おれは……」
「まあまあ、まあまあ」
柳は訳が分からないまま連行された。
333前で待ち合わせていた真緋瑠も、爆発音を聞いて葵を心配していた。顔を覆って走ってくる葵を見つけると、彼女に駆け寄った。
「葵さん!さっき、凄い音がしましたの。大丈夫でした?」
「知りませんんわ!私は見てただけ!」
葵は下を向いて頭を抱えている。
葵の現れた方向と爆発音の方向は一致している。真緋瑠は葵が爆発を目撃して怯えてるのだと思った。
「テロリストかしら……危ないですわね。夕月ちゃんが来たら、郊外へ移動しましょう」
「そうね。ちょっと怖いわ」
葵も同意した。まさか自分が起こした爆発であるなどとは、口が裂けてもいえない。
冷たい眼差しで葵は彼の横をすり抜けた。
「あっ、あっ、ちょっとまって!今回のDevilteenは悪くないんだって!綺羅っぽいファッションを募集してるんだよ!君みたいな子、ど真ん中なんだ!」
柳は思わず彼女の腕を掴んだ。掴んだ瞬間、取材のタブーであるキャッチをしてしまったことに気付き、柳はハッとした。法律違反である。葵もまたギョッとした。
「離しなさい、無礼者!わたくしは綺羅と聖典と、たまに読んでもファスナーだけですわ!下がりなさい、悪魔の手先!」
葵が腕を振りほどこうとした瞬間、あまりに嫌悪感を感じたからであろうか、無意識に攻撃魔法が炸裂してしまった。葵の放った魔法弾は、333の壁に当たって爆裂した。
突如起こった爆発音に、周囲の通行人も、車も、勿論柳も動きを止めた。
凍り付いた世界、穴の開いた333の壁、葵は我に返って青くなった。ついうっかり、魔法を使ってしまった……!
「と、ともかく、おひきとりあそばせ!」
葵はその場から顔を覆って逃げ出した。
「今……の……なんだったんだ……?」
爆発音を聞きつけたのは通行人ばかりではない。近くの交番から警察官も現れた。警察官は周囲の立ちすくむ通行人に声をかけると、ほどなく柳に近寄ってきた。
「今、ここで何をしてたのかな、お兄さん?ちょっと話を聞かせてくれるかな?」
「はえ?お、おれは……」
「まあまあ、まあまあ」
柳は訳が分からないまま連行された。
333前で待ち合わせていた真緋瑠も、爆発音を聞いて葵を心配していた。顔を覆って走ってくる葵を見つけると、彼女に駆け寄った。
「葵さん!さっき、凄い音がしましたの。大丈夫でした?」
「知りませんんわ!私は見てただけ!」
葵は下を向いて頭を抱えている。
葵の現れた方向と爆発音の方向は一致している。真緋瑠は葵が爆発を目撃して怯えてるのだと思った。
「テロリストかしら……危ないですわね。夕月ちゃんが来たら、郊外へ移動しましょう」
「そうね。ちょっと怖いわ」
葵も同意した。まさか自分が起こした爆発であるなどとは、口が裂けてもいえない。