私が間違っているというの?
「葵ちゃんや、お前さん、みんなと一緒に戦えなかったことが悔しくて駄々を捏ねておるな。でもお前さんは間に合った。一緒に戦った。もう許してやりなさい」
「嫌です!」
葵が大技をスグリパブリケーション社員たちにめがけて放った瞬間。突如大爆発とともに、魔力弾は四散してかき消えた。
それは悪魔族全員が最後の力を振り絞って、渾身の力で放った魔力弾。葵の強大な魔力を打ち消すために放ったものだった。
「降参だ。お嬢さんの力を見くびって、利用しようとした我々が間違いだった。皆が言う通り、我々は楽しい雑誌を作りたくて集まったチームだ。そして、読者のためにここで我々が死ぬわけにはゆかない。もう、許してください」
「お願いします。もう鬼族に戦を申し込むようなことはいたしません。魔族同士、仲良くやってくださいませんか」
「お嬢さんが弊社雑誌の大事な読者だとは知らなかった。読者を敵に回したくはない。申し訳なかった」
スグリパブリケーション社長以下重役たちは土下座をして詫びた。村主編集長も、土下座とまではいかないものの、不承不承頭を下げた。
「謝って済むと……!」
「もう結構ですわ、葵さん。なんだかあなた、変わってしまわれたんですのね」
真緋瑠が冷たく言い放った。葵も、振り上げた手を止めた。
「もうこれで解決したんではなくて?私たちももう疲れ果てましたわ。そんな葵さん、見たくありませんでしたわ」
夕月は、珍しく冷たい様子の真緋瑠に驚いたが、同意せざるを得なかった。葵はなんだか変わってしまった。あの優しくて、偉ぶったところのない上品な葵とは、なんだか違う。今の葵は、まるで不思議の国のアリスに出てくるハートのクイーンみたいだ。夕月は何も言えず、黙ってうつむいた。
「葵、もういい。終わったのだ。帰ろう」
秋海棠も、葵の手を握り、目を伏せた。
「なんですの?あいつらを殺すために集まったのではなくて?なんでやめてしまわれるの?それで気が済むんですの?」
「グルルウウ……」
スノードロップも、目を背けた。
「ちょっ…ちょっと…!」
秋海棠に手を引かれ、葵は時空の扉の中へ消えた。ほかの鬼たちも、夕月や真緋瑠も、時空の扉をくぐって、すっかりボロボロになったスグリパブリケーションを後にした。
「嫌です!」
葵が大技をスグリパブリケーション社員たちにめがけて放った瞬間。突如大爆発とともに、魔力弾は四散してかき消えた。
それは悪魔族全員が最後の力を振り絞って、渾身の力で放った魔力弾。葵の強大な魔力を打ち消すために放ったものだった。
「降参だ。お嬢さんの力を見くびって、利用しようとした我々が間違いだった。皆が言う通り、我々は楽しい雑誌を作りたくて集まったチームだ。そして、読者のためにここで我々が死ぬわけにはゆかない。もう、許してください」
「お願いします。もう鬼族に戦を申し込むようなことはいたしません。魔族同士、仲良くやってくださいませんか」
「お嬢さんが弊社雑誌の大事な読者だとは知らなかった。読者を敵に回したくはない。申し訳なかった」
スグリパブリケーション社長以下重役たちは土下座をして詫びた。村主編集長も、土下座とまではいかないものの、不承不承頭を下げた。
「謝って済むと……!」
「もう結構ですわ、葵さん。なんだかあなた、変わってしまわれたんですのね」
真緋瑠が冷たく言い放った。葵も、振り上げた手を止めた。
「もうこれで解決したんではなくて?私たちももう疲れ果てましたわ。そんな葵さん、見たくありませんでしたわ」
夕月は、珍しく冷たい様子の真緋瑠に驚いたが、同意せざるを得なかった。葵はなんだか変わってしまった。あの優しくて、偉ぶったところのない上品な葵とは、なんだか違う。今の葵は、まるで不思議の国のアリスに出てくるハートのクイーンみたいだ。夕月は何も言えず、黙ってうつむいた。
「葵、もういい。終わったのだ。帰ろう」
秋海棠も、葵の手を握り、目を伏せた。
「なんですの?あいつらを殺すために集まったのではなくて?なんでやめてしまわれるの?それで気が済むんですの?」
「グルルウウ……」
スノードロップも、目を背けた。
「ちょっ…ちょっと…!」
秋海棠に手を引かれ、葵は時空の扉の中へ消えた。ほかの鬼たちも、夕月や真緋瑠も、時空の扉をくぐって、すっかりボロボロになったスグリパブリケーションを後にした。