魔族VS悪魔族

しかしこの作戦は、今まであまり注目を浴びなかった真緋瑠の命を脅かした。
スグリパブリケーションの幹部たちも、真名の秘密を知る真緋瑠を無視できなくなったのである。
「お前たち、あの人間の口を黙らせろ!殺せ!」
社長の命令に、悪魔たちが真緋瑠に殺到した。
「ひっ!きゃあーーー!!!」
鬼たちは真緋瑠を悪魔の攻撃の手から守った。危うく真緋瑠に魔力弾が飛んできたとき、彼女の命を救ったのは、あの時秋海棠からもらったお守りだった。
お守りが鋭い閃光を放ち、真緋瑠を一瞬包み込んだのだ。
しかし、防御はその一瞬だけだった。またおびただしい攻撃の手が、真緋瑠を襲う。
夕月が真緋瑠に群がる悪魔たちを斬り捨てていくが、数が多すぎる。
「真緋瑠ちゃん!逃げて!」
「逃げ切れませんわ!聖水で何とかする!」
あとからあとから、悪魔たちは次々湧いてくる。
真緋瑠は最後尾に逃げ出すことに成功し、鬼たちは真緋瑠をガードした。
防戦、応戦で手いっぱいの鬼たちは、真緋瑠を守り、真緋瑠は、鬼たちの盾を利用して、真名を呼び続けた。
(えーん、そんなにいっぱい果物知らないわよお、何が真名なの?早く反応して!)

混迷を極めた戦場に、巨大な稲妻が走った。空気を切り裂き、その稲妻はまっすぐに村主編集長を狙った。
そして、スパークする。
「きゃああああああ!!!」
村主編集長がが倒れた。
一同は攻撃の手を止め、稲妻が放たれた方角を見やる。
そこに立っていたのは、黒いマーメイドスカートを履き、黒いオーバーバストコルセットを締め、黒のシースルーのケープを羽織った、長い黒髪の、ドリルのように捻じれた立派な二本の角を生やした、齢17歳の少女であった。
「お待たせ皆さん、私、帰ってまいりましたわよ」
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