第二十八話 幼い恋の話
そしてロゼッタは喜びと驚きのあまり壊れてしまったヨッケを彼の自宅まで送っていき、「また明日学校でね」と告げて別れた。
その日の夜のヨッケは終始ニタニタしていて、家族の話も耳から抜けていってまるで聞こえていないようで、ぐふぐふと一人で思い出し笑いをして、夜もほとんど眠れなかったようである。時々思い出したように悲鳴を上げるので、家族は壊れたヨッケを病院に連れて行こうか悩んだという。
翌日、ヨッケは昼休みに隣の席のロゼッタに手紙を渡した。ノートの端をちぎり、二つ折りにしたメモのような手紙だ。
《今日の放課後一緒に帰ろうぜ》
ロゼッタはヨッケにアイコンタクトでOKを出した。ガッツポーズで喜ぶヨッケ。
そしてその日の放課後、ヨッケとロゼッタは二人並んで帰った。
「なあ、ロゼッタ。明日の休みに、ちょっとした冒険に行こうぜ。二人で」
「冒険?二人で?危なくないの?」
「心配なら武器を持っていこうぜ。まあ、ロゼッタがいれば少々の危険があっても絶対大丈夫だろうけどな」
「まあ、あたし強いから」
ヨッケはロゼッタにどうしても見せたい景色があった。まだこの街に来て間もないロゼッタには、知らない絶景が沢山あるのだ。
「学校の裏に、山があるだろ?あそこのてっぺんまで登るんだ」
「危ないよ?野生のモンスター出るよ?」
「だから冒険なんだよ。それに、ちょっと危険なほうがスリルあるだろ?」
「てっぺんには何があるの?」
「それは、来てみてのお楽しみ」
ロゼッタはその秘密が知りたくて、その誘いを受けた。ヨッケが見せたいものとは、一体なんだろう?
翌朝、ジェイクの店にヨッケがやってきた。ロゼッタは使えそうな魔法弾をいくつか店から拝借し、装備を整えて店先に出ていく。
「お待たせ」
「じゃあ、行こうぜ」
学校の裏山は落ち葉がうず高く積もっていた。その落ち葉を踏みながらの急斜面。ロゼッタは何度も足を滑らせ転びながら、おぼつかない足取りで登った。ヨッケは見かねてロゼッタの手を握り、転ばないようにサポートする。
「危なっかしいなあお前。山登れないの?」
「山なんかめったに登ったことないよ!冒険者レンタルの時も車ばっかりだったし!うわわ!」
「気を付けろよ、ったく」
二人が仲良く学校の話や冒険の思い出話に花を咲かせながら登っていると、その話声を警戒した野生動物は危険を察知し、彼らの前から姿を消した。そのため、想定していた危険もなく二人は無事山のてっぺんへと辿り着いた。
「着いた!ここが山のてっぺんだ!」
「着いたの?で?見せたいものって何なに?」
その日の夜のヨッケは終始ニタニタしていて、家族の話も耳から抜けていってまるで聞こえていないようで、ぐふぐふと一人で思い出し笑いをして、夜もほとんど眠れなかったようである。時々思い出したように悲鳴を上げるので、家族は壊れたヨッケを病院に連れて行こうか悩んだという。
翌日、ヨッケは昼休みに隣の席のロゼッタに手紙を渡した。ノートの端をちぎり、二つ折りにしたメモのような手紙だ。
《今日の放課後一緒に帰ろうぜ》
ロゼッタはヨッケにアイコンタクトでOKを出した。ガッツポーズで喜ぶヨッケ。
そしてその日の放課後、ヨッケとロゼッタは二人並んで帰った。
「なあ、ロゼッタ。明日の休みに、ちょっとした冒険に行こうぜ。二人で」
「冒険?二人で?危なくないの?」
「心配なら武器を持っていこうぜ。まあ、ロゼッタがいれば少々の危険があっても絶対大丈夫だろうけどな」
「まあ、あたし強いから」
ヨッケはロゼッタにどうしても見せたい景色があった。まだこの街に来て間もないロゼッタには、知らない絶景が沢山あるのだ。
「学校の裏に、山があるだろ?あそこのてっぺんまで登るんだ」
「危ないよ?野生のモンスター出るよ?」
「だから冒険なんだよ。それに、ちょっと危険なほうがスリルあるだろ?」
「てっぺんには何があるの?」
「それは、来てみてのお楽しみ」
ロゼッタはその秘密が知りたくて、その誘いを受けた。ヨッケが見せたいものとは、一体なんだろう?
翌朝、ジェイクの店にヨッケがやってきた。ロゼッタは使えそうな魔法弾をいくつか店から拝借し、装備を整えて店先に出ていく。
「お待たせ」
「じゃあ、行こうぜ」
学校の裏山は落ち葉がうず高く積もっていた。その落ち葉を踏みながらの急斜面。ロゼッタは何度も足を滑らせ転びながら、おぼつかない足取りで登った。ヨッケは見かねてロゼッタの手を握り、転ばないようにサポートする。
「危なっかしいなあお前。山登れないの?」
「山なんかめったに登ったことないよ!冒険者レンタルの時も車ばっかりだったし!うわわ!」
「気を付けろよ、ったく」
二人が仲良く学校の話や冒険の思い出話に花を咲かせながら登っていると、その話声を警戒した野生動物は危険を察知し、彼らの前から姿を消した。そのため、想定していた危険もなく二人は無事山のてっぺんへと辿り着いた。
「着いた!ここが山のてっぺんだ!」
「着いたの?で?見せたいものって何なに?」