第二十二話 学校と再会とお宝探し
そんなある日の放課後、ロゼッタはヨッケに声を掛けられた。
「なあ、お前、冒険者レンタルの仕事はどうしたんだよ?毎日学校に来ているみたいだけど、忙しくないのか?」
その言葉に表情を曇らせるロゼッタ。
「冒険者レンタルはやめたの。悪い冒険者に誘拐されて、奴隷として売られそうになって、危ないからって……」
「ど、奴隷?!気を付けろよ!まあ、無事でよかったけど……。そうか。また一緒に冒険したかったな」
ヨッケは驚きはしたが、ロゼッタの無事な様子を見て胸をなでおろした。だが、もうやめてしまったとは惜しい。また一緒に冒険する口実がなくなってしまう。しかし、冒険したい気持ちはロゼッタも同じだ。
「あたしもまたヨッケたちと冒険したい!あたしが誘拐されたのはね、知らない悪い冒険者に当たったからなの。だから、いつも冒険してるヨッケたちとなら、また冒険したいよ!」
その様子を見て、ヨッケはこう提案した。
「危なくなければいいんだろ?今度の連休、また冒険に行くんだ。だから一緒に行こうぜ。おじさん達に俺達からも頼み込んでみるからさ!」
斯くしてアンダース一行は渋るジェイクたちにもう一度ロゼッタを貸してくれないかと拝み倒した。ジェイクもアントンもなかなか首を縦に振らなかったが、「俺達は信頼してくれるだろう?」の一言に、許可を出さないわけにいかなかった。アンダース達は、確かにジェイクの店の常連だからだ。
「絶対に無事に帰してくれよ?」
ジェイクが念を押すと
「神に誓うよ、親友!」
とアンダースはジェイクと拳を突き合せた。
さて、お待ちかねの連休の朝。いつもの待ち合わせ場所に入念に装備を整えたロゼッタの姿があった。
「今日はどこに行くの?」
「廃坑の奥に眠るお宝を探しに行くんだ。もう宝石が取りつくされた鉱山なんだけど、いまでもまれに宝石のかけらが手に入るのさ」
アンダースの説明に、ロゼッタは目を輝かせた。
「宝石?!うわあー!行こう行こう!」
そして一行は愛車の六輪蒸気幌自動車に乗り込み、廃坑へと向かった。
「私が明かりを灯すから、みんなは離れないでね」
マリアがライティングの魔法を使い、杖の先の魔宝玉から眩しい光が迸った。廃坑内は昼のように明るくなる。
「足元気を付けろよ」
慎重に奥に進むと、杖の光を受けて蛍光色に光る小石が壁のあちこちで見つかった。
「おお!これだこれだ!この鉱山で取れる石、タンダンライトだ!」
アンダースとアリィ、ヨッケは慎重に周りの岩を削り、タンダンライトを掘りだした。
磨けばオレンジ色に透き通る美しい宝石だが、掘りたての原石ではその美しさを隠している。アンダースは水筒の水をかけて原石の土埃を洗い流した。
「この状態でも、ほら、ガラスみたいに透き通ってるのが判るだろう?」
「んー……あんまりよくわからない。こんな石ころが本当に宝石なの?」
アンダースはチチチと人差し指を振る。
「宝石っていうのは職人が磨かないと輝かないものなんだ」
「なあ、お前、冒険者レンタルの仕事はどうしたんだよ?毎日学校に来ているみたいだけど、忙しくないのか?」
その言葉に表情を曇らせるロゼッタ。
「冒険者レンタルはやめたの。悪い冒険者に誘拐されて、奴隷として売られそうになって、危ないからって……」
「ど、奴隷?!気を付けろよ!まあ、無事でよかったけど……。そうか。また一緒に冒険したかったな」
ヨッケは驚きはしたが、ロゼッタの無事な様子を見て胸をなでおろした。だが、もうやめてしまったとは惜しい。また一緒に冒険する口実がなくなってしまう。しかし、冒険したい気持ちはロゼッタも同じだ。
「あたしもまたヨッケたちと冒険したい!あたしが誘拐されたのはね、知らない悪い冒険者に当たったからなの。だから、いつも冒険してるヨッケたちとなら、また冒険したいよ!」
その様子を見て、ヨッケはこう提案した。
「危なくなければいいんだろ?今度の連休、また冒険に行くんだ。だから一緒に行こうぜ。おじさん達に俺達からも頼み込んでみるからさ!」
斯くしてアンダース一行は渋るジェイクたちにもう一度ロゼッタを貸してくれないかと拝み倒した。ジェイクもアントンもなかなか首を縦に振らなかったが、「俺達は信頼してくれるだろう?」の一言に、許可を出さないわけにいかなかった。アンダース達は、確かにジェイクの店の常連だからだ。
「絶対に無事に帰してくれよ?」
ジェイクが念を押すと
「神に誓うよ、親友!」
とアンダースはジェイクと拳を突き合せた。
さて、お待ちかねの連休の朝。いつもの待ち合わせ場所に入念に装備を整えたロゼッタの姿があった。
「今日はどこに行くの?」
「廃坑の奥に眠るお宝を探しに行くんだ。もう宝石が取りつくされた鉱山なんだけど、いまでもまれに宝石のかけらが手に入るのさ」
アンダースの説明に、ロゼッタは目を輝かせた。
「宝石?!うわあー!行こう行こう!」
そして一行は愛車の六輪蒸気幌自動車に乗り込み、廃坑へと向かった。
「私が明かりを灯すから、みんなは離れないでね」
マリアがライティングの魔法を使い、杖の先の魔宝玉から眩しい光が迸った。廃坑内は昼のように明るくなる。
「足元気を付けろよ」
慎重に奥に進むと、杖の光を受けて蛍光色に光る小石が壁のあちこちで見つかった。
「おお!これだこれだ!この鉱山で取れる石、タンダンライトだ!」
アンダースとアリィ、ヨッケは慎重に周りの岩を削り、タンダンライトを掘りだした。
磨けばオレンジ色に透き通る美しい宝石だが、掘りたての原石ではその美しさを隠している。アンダースは水筒の水をかけて原石の土埃を洗い流した。
「この状態でも、ほら、ガラスみたいに透き通ってるのが判るだろう?」
「んー……あんまりよくわからない。こんな石ころが本当に宝石なの?」
アンダースはチチチと人差し指を振る。
「宝石っていうのは職人が磨かないと輝かないものなんだ」