第十二幕
魔王は、スミレと赤子をアリウムと数名の護衛役に託して、メタセコイアに送りました。
「スミレに手を出したら許さんぞ」
「安心しろ、興味もねえ」
魔王軍が進軍すると、前方から馬に乗った黒装束の男たちが、手に弓矢を携えてこちらに向かってきました。しかし男たちは魔王軍が思いの外マロニエ城に接近していることを認めると、何もせずに城へ引き返しました。
「あれは、何だと思う?」
魔王はジギタリスに意見を求めました。
「スミレ様の追手でしょうか?ということは、あの男は本当にスミレ様を逃がすために逃げてきたのかもしれませんな」
魔王は一瞬眉根を寄せましたが、何も言いませんでした。
黒装束の男たちはそのまま、見たままの情報をヘンルーダに伝えました。
「うむ……ということはあの女とクレマチスは取り戻せんか」
するとヘンルーダは側近に命じました。
「ドラセナ軍を市街地の外に配置しろ!市街地に敵を入れるな!」
そして魔王軍は市街地を取り囲む壁の外でドラセナ将軍の軍と戦闘を開始しました。
しかし先述の廃墟で英気を養ったばかりの魔王軍の勢いは止められませんでした。魔王軍は魔法でドラセナ軍を一瞬で壊滅させ、勢いを緩めぬまま進軍しました。
しかしさすがにマロニエ城の城門は簡単には破れませんでした。
「くっ、堪えろ!敵の侵入を許すな!」
マロニエ軍は城門越しに矢を浴びせかけ、魔王軍を攻撃しました。
魔王軍も魔法で応援するのですが、マロニエ軍の抵抗も熾烈を極め、かなりの被害を出しました。
何より、見えない相手めがけて放った魔法は制御を失い、マロニエ軍に大きなダメージは与えられませんでした。
と、そこへ、海戦に決着がついたフロックス隊が合流しました。
「よう、サルビアちゃん!向こうの戦闘が終わったからこっちに来てやったぜ!」
「お、終わったって……そんなに簡単に終わるものなのか?」
「楽勝楽勝!もうマロニエの船は一隻も残ってねーよん」
有翼鬼部隊の合流は戦況を有利に動かしました。
フロックスたちの部隊は空からマロニエ城内に進入し、城門をこじ開けました。
そこからはあっという間でした。魔王軍は城内の兵士や女子供を次々に殺してゆきました。
斯くしてマロニエ城は一夜にして魔王軍の手に落ちました。
「スミレに手を出したら許さんぞ」
「安心しろ、興味もねえ」
魔王軍が進軍すると、前方から馬に乗った黒装束の男たちが、手に弓矢を携えてこちらに向かってきました。しかし男たちは魔王軍が思いの外マロニエ城に接近していることを認めると、何もせずに城へ引き返しました。
「あれは、何だと思う?」
魔王はジギタリスに意見を求めました。
「スミレ様の追手でしょうか?ということは、あの男は本当にスミレ様を逃がすために逃げてきたのかもしれませんな」
魔王は一瞬眉根を寄せましたが、何も言いませんでした。
黒装束の男たちはそのまま、見たままの情報をヘンルーダに伝えました。
「うむ……ということはあの女とクレマチスは取り戻せんか」
するとヘンルーダは側近に命じました。
「ドラセナ軍を市街地の外に配置しろ!市街地に敵を入れるな!」
そして魔王軍は市街地を取り囲む壁の外でドラセナ将軍の軍と戦闘を開始しました。
しかし先述の廃墟で英気を養ったばかりの魔王軍の勢いは止められませんでした。魔王軍は魔法でドラセナ軍を一瞬で壊滅させ、勢いを緩めぬまま進軍しました。
しかしさすがにマロニエ城の城門は簡単には破れませんでした。
「くっ、堪えろ!敵の侵入を許すな!」
マロニエ軍は城門越しに矢を浴びせかけ、魔王軍を攻撃しました。
魔王軍も魔法で応援するのですが、マロニエ軍の抵抗も熾烈を極め、かなりの被害を出しました。
何より、見えない相手めがけて放った魔法は制御を失い、マロニエ軍に大きなダメージは与えられませんでした。
と、そこへ、海戦に決着がついたフロックス隊が合流しました。
「よう、サルビアちゃん!向こうの戦闘が終わったからこっちに来てやったぜ!」
「お、終わったって……そんなに簡単に終わるものなのか?」
「楽勝楽勝!もうマロニエの船は一隻も残ってねーよん」
有翼鬼部隊の合流は戦況を有利に動かしました。
フロックスたちの部隊は空からマロニエ城内に進入し、城門をこじ開けました。
そこからはあっという間でした。魔王軍は城内の兵士や女子供を次々に殺してゆきました。
斯くしてマロニエ城は一夜にして魔王軍の手に落ちました。