第八幕
「ねえ、あの人……ヘンルーダ様のこと、嫌い?」
ハイドランジアは思い切って、気になっていたことを確かめました。スミレは憎々しげに
「あの糞野郎は、反吐が出るほど嫌いだね」
と吐き捨てるように言いました。
「でも、昔は優しくていい人だったのよ」
と、ハイドランジアは彼を擁護しました。
「その様子だと、彼とのおつきあいは、嫌でしょうね」
「ああ。あんた、代わってくれよ」
ハイドランジアは、思いつきました。赤子を火傷させたり、今までさんざん虐めた罪滅ぼしに、スミレがヘンルーダの相手をさせられそうになったら、それを邪魔しようと思いました。
「私、あなたの夜のお勤め、邪魔してやろうかしら」
スミレは笑いました。
「おう。やってくれ。大歓迎だ」
二人は、笑いました。いつの間にか、友達になっていました。
ハイドランジアは、ふと、スミレの首飾りに気が付きました。ごつごつとした蝋で固められた、小瓶の首飾り。
「その小瓶、中に何が入っているの?」
スミレは、「ああ、これか」と、小瓶を摘み上げました。
「わたしの夫が、中に色々詰めて作ってくれたお守りなんだ。なんか魔法の力が込められているんだって。あいつの血とかが入ってるらしい」
それを聞いて、ハイドランジアは退きました。
「退くだろぉ~?あいつはこんな変なものばっかり作る変な奴なんだよ」
「でも、それだけあなたを愛してくれてるってことよね」
「うん。そうかもしれない。危ないときは小瓶を開けて魔法の力を使えって言われたんだけど、あいつの血が入ってるって言われるとね。勿体なくて、使えないよ」
「この中にあいつがいる気がして」スミレは小瓶にキスをしました。
ハイドランジアは思い切って、気になっていたことを確かめました。スミレは憎々しげに
「あの糞野郎は、反吐が出るほど嫌いだね」
と吐き捨てるように言いました。
「でも、昔は優しくていい人だったのよ」
と、ハイドランジアは彼を擁護しました。
「その様子だと、彼とのおつきあいは、嫌でしょうね」
「ああ。あんた、代わってくれよ」
ハイドランジアは、思いつきました。赤子を火傷させたり、今までさんざん虐めた罪滅ぼしに、スミレがヘンルーダの相手をさせられそうになったら、それを邪魔しようと思いました。
「私、あなたの夜のお勤め、邪魔してやろうかしら」
スミレは笑いました。
「おう。やってくれ。大歓迎だ」
二人は、笑いました。いつの間にか、友達になっていました。
ハイドランジアは、ふと、スミレの首飾りに気が付きました。ごつごつとした蝋で固められた、小瓶の首飾り。
「その小瓶、中に何が入っているの?」
スミレは、「ああ、これか」と、小瓶を摘み上げました。
「わたしの夫が、中に色々詰めて作ってくれたお守りなんだ。なんか魔法の力が込められているんだって。あいつの血とかが入ってるらしい」
それを聞いて、ハイドランジアは退きました。
「退くだろぉ~?あいつはこんな変なものばっかり作る変な奴なんだよ」
「でも、それだけあなたを愛してくれてるってことよね」
「うん。そうかもしれない。危ないときは小瓶を開けて魔法の力を使えって言われたんだけど、あいつの血が入ってるって言われるとね。勿体なくて、使えないよ」
「この中にあいつがいる気がして」スミレは小瓶にキスをしました。