第六幕
城の離れに運び込んだ侍従たちは、道すがら数人の侍女たちに出産の準備を指示し、スミレを離れに置かれたベッドの一つに寝かせました。
スミレは気を失っていましたが、侍従が気付けの薬湯を飲ませ、目を覚まさせました。
「お腹の……子は……」
侍従はその手を握り、
「大丈夫、助かるわ。さあ、頑張って産むのよ」
とスミレを勇気づけました。
まもなく陣痛が始まり、スミレの戦いが始まりました。スミレの心に、「もうお腹の子は駄目なのではないか」という予感が何度もよぎりましたが、産婆となった侍従たちが「絶対大丈夫よ、ほら頑張って!」と何度も励ますので、いっそ死にたいと思うほどの苦しみも耐えることができました。
夜が来て、朝が来ました。お腹の子は少しずつ現れましたが、そう簡単には産まれてきてはくれませんでした。もう少しで昼になろうかという頃、ようやく赤子のお腹が膣口から出てきました。
「はい、頑張って、せーの!」
そして一気に赤子がお腹から出てきました。
「やったわーー!!」
「おめでとう!よくがんばったわね!」
侍従たちは赤子を産湯に浸け、その体を優しく洗いました。しかし。
「………?」
赤子は泣きませんでした。そればかりか、四肢をだらんと垂れ、ぴくりとも動きませんでした。
「……スミレ様……申し上げにくいのですが……」
侍従の目から涙があふれ、彼女はうつむいて唇を噛み締めました。スミレは「ああ、やはり駄目だったのか」と悟ると、気を失ってしまいました。
「……スミレ様?……スミレ様!」
侍従は赤子の亡骸をスミレの枕元に寝かせると、スミレの頬を叩き、彼女を起こそうとしました。このままではスミレも死んでしまいそうな気がしたのです。
「スミレ様!しっかり!スミレ様!」
スミレは気を失っていましたが、侍従が気付けの薬湯を飲ませ、目を覚まさせました。
「お腹の……子は……」
侍従はその手を握り、
「大丈夫、助かるわ。さあ、頑張って産むのよ」
とスミレを勇気づけました。
まもなく陣痛が始まり、スミレの戦いが始まりました。スミレの心に、「もうお腹の子は駄目なのではないか」という予感が何度もよぎりましたが、産婆となった侍従たちが「絶対大丈夫よ、ほら頑張って!」と何度も励ますので、いっそ死にたいと思うほどの苦しみも耐えることができました。
夜が来て、朝が来ました。お腹の子は少しずつ現れましたが、そう簡単には産まれてきてはくれませんでした。もう少しで昼になろうかという頃、ようやく赤子のお腹が膣口から出てきました。
「はい、頑張って、せーの!」
そして一気に赤子がお腹から出てきました。
「やったわーー!!」
「おめでとう!よくがんばったわね!」
侍従たちは赤子を産湯に浸け、その体を優しく洗いました。しかし。
「………?」
赤子は泣きませんでした。そればかりか、四肢をだらんと垂れ、ぴくりとも動きませんでした。
「……スミレ様……申し上げにくいのですが……」
侍従の目から涙があふれ、彼女はうつむいて唇を噛み締めました。スミレは「ああ、やはり駄目だったのか」と悟ると、気を失ってしまいました。
「……スミレ様?……スミレ様!」
侍従は赤子の亡骸をスミレの枕元に寝かせると、スミレの頬を叩き、彼女を起こそうとしました。このままではスミレも死んでしまいそうな気がしたのです。
「スミレ様!しっかり!スミレ様!」