SwordsMaiden短編集
真っ赤に焼けた晩秋の夕焼け空に、白い月が浮かび上がる。
白い月は宵の女神の月の盾だ。宵の女神は月の盾と天の川の剣を携え、夜の帳のドレスを翻し、夜の訪れを知らせに来る。宵の女神は墓地の広がる丘の上に降り立った。
墓地のそばに建てられた教会に、宵の女神が訪れた。
「神父よ、今宵は何の祭りだ」
神父は応えた。
「大工のジョンソンの葬儀です、女神様」
「死霊共が騒いでいる。葬儀は慎重に行うがいい。魅入られるととり憑かれるぞ」
神父は怯え、用意された棺を白木の杭で封印した。
亡骸は今夜一晩教会に安置され、明日の午前に埋葬される。宵の女神は月の盾を掲げると、月の光が満ち溢れ、教会に漂う陰の気を清めた。
参列者には宵の女神の姿は見えない。
宵の女神は毎晩彷徨える死霊たちと戦い続ける。それは決して一方的な殺戮ではなく、この世に未練を残す死霊たちを冥界に送るための儀式なのである。
今宵も死にきれなかった死霊たちが墓場から涌いてくる。女神は死霊たちを天の川の剣で斬り伏せていく。
今宵は数が多い。死霊たちが暴れ、狂乱している。
宵の女神の月の盾は真っ赤に染まった。

白い月は宵の女神の月の盾だ。宵の女神は月の盾と天の川の剣を携え、夜の帳のドレスを翻し、夜の訪れを知らせに来る。宵の女神は墓地の広がる丘の上に降り立った。
墓地のそばに建てられた教会に、宵の女神が訪れた。
「神父よ、今宵は何の祭りだ」
神父は応えた。
「大工のジョンソンの葬儀です、女神様」
「死霊共が騒いでいる。葬儀は慎重に行うがいい。魅入られるととり憑かれるぞ」
神父は怯え、用意された棺を白木の杭で封印した。
亡骸は今夜一晩教会に安置され、明日の午前に埋葬される。宵の女神は月の盾を掲げると、月の光が満ち溢れ、教会に漂う陰の気を清めた。
参列者には宵の女神の姿は見えない。
宵の女神は毎晩彷徨える死霊たちと戦い続ける。それは決して一方的な殺戮ではなく、この世に未練を残す死霊たちを冥界に送るための儀式なのである。
今宵も死にきれなかった死霊たちが墓場から涌いてくる。女神は死霊たちを天の川の剣で斬り伏せていく。
今宵は数が多い。死霊たちが暴れ、狂乱している。
宵の女神の月の盾は真っ赤に染まった。
