【番外】乙女心とライラック
「……で?なんだ、話って?」
中庭のベンチに腰を下ろし、足を組んでスミレが切り出しました。
「……スミレ、俺は、君にずっと黙っていたことがある」
「うん、だから、何だ?」
ライラックは思い切って胸の内を吐き出しました。
「スミレ、俺はずっと昔から、君のことが好きだった!!」
スミレは驚きました。まるで雷に打たれたような衝撃でした。
「幼い頃から君とは喧嘩ばかりだった。だから、俺は、もっと君と笑って仲良く遊びたかった。君と勝負して勝てれば、君といつか、笑って遊べると思っていたんだ。だが、やっぱり勝てない。君と仲良くなることは、もうできないのだろうか……?」
スミレは困惑しました。ライラックがまさかそんなことを考えているとは夢にも思いませんでしたし、何よりスミレの心は既に魔王のものとなり、後戻りも取り消すこともできない仲になっていたのですから。
「ライラック……しかし、わたしは、もう、魔王と……」
「解っている」
ライラックは遮りました。
「君はもう、魔王のものだということは知っている。そして、今日も負けた。だからもう、俺は、君を諦める」
スミレはさらに困惑しました。告白されて、同時に断られたのです。スミレにはどう心を整理していいか解りませんでした。
ライラックは、今まで心に秘めていた想いを伝えることができて、とても清々しい気持ちになりました。これで後腐れ無く別れを告げることができる。少し悲しい気持ちでしたが、吹っ切れたように顔を上げ、
「さらばだスミレ。幸せになれよ」
と、無理に微笑みました。
「ま、まて」
スミレは思わず声をかけましたが、それ以上は言葉が出てこなかったので、
「いや、……なんでもない。……お前も、幸せになれよ」
と、曖昧に別れを告げました。
中庭のベンチに腰を下ろし、足を組んでスミレが切り出しました。
「……スミレ、俺は、君にずっと黙っていたことがある」
「うん、だから、何だ?」
ライラックは思い切って胸の内を吐き出しました。
「スミレ、俺はずっと昔から、君のことが好きだった!!」
スミレは驚きました。まるで雷に打たれたような衝撃でした。
「幼い頃から君とは喧嘩ばかりだった。だから、俺は、もっと君と笑って仲良く遊びたかった。君と勝負して勝てれば、君といつか、笑って遊べると思っていたんだ。だが、やっぱり勝てない。君と仲良くなることは、もうできないのだろうか……?」
スミレは困惑しました。ライラックがまさかそんなことを考えているとは夢にも思いませんでしたし、何よりスミレの心は既に魔王のものとなり、後戻りも取り消すこともできない仲になっていたのですから。
「ライラック……しかし、わたしは、もう、魔王と……」
「解っている」
ライラックは遮りました。
「君はもう、魔王のものだということは知っている。そして、今日も負けた。だからもう、俺は、君を諦める」
スミレはさらに困惑しました。告白されて、同時に断られたのです。スミレにはどう心を整理していいか解りませんでした。
ライラックは、今まで心に秘めていた想いを伝えることができて、とても清々しい気持ちになりました。これで後腐れ無く別れを告げることができる。少し悲しい気持ちでしたが、吹っ切れたように顔を上げ、
「さらばだスミレ。幸せになれよ」
と、無理に微笑みました。
「ま、まて」
スミレは思わず声をかけましたが、それ以上は言葉が出てこなかったので、
「いや、……なんでもない。……お前も、幸せになれよ」
と、曖昧に別れを告げました。