主人公はハクの相棒でヨナの護衛。国内でも有名な美人剣士。
真国
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約2年前、風牙の都にて。
私とハクが年跨ぎの休みを貰った事で都へ戻ると聞いて、皆が歓声を上げた。
「俺ハク様に手合わせしてもらうんだ。」
「テウの手合わせ3秒で終わるからその後皆で枕投げしよーぜ。」
「今なんつった、ヘンデ!」
「別にテウが負けるなんて言ってないじゃんー
俺は姐さんに手合わせしてもらおうかなー」
「テヨンはハク様と何がしたい?」
「兄ちゃ?おふろはいりたい。」
「俺も入りたい!!」
「俺も!!」
「俺も入る!!」
「ワシも!!」
ムンドクが便乗して盛り上がっている頃、私、ハク、スウォンはヨナのもとに集まっていた。
「へえ、風の部族の年明けは賑やかなのね。」
「そう、皆でじっちゃんの屋敷に集まって食うわ飲むわ歌うわ踊るわお祭り騒ぎ。」
『ハクはいいけど私は料理を作らされたり、歌わされたり、舞いをさせられたり…結構体力勝負ですよ。』
「いいなぁ、行ってみたいです。」
「一緒に来ます?スウォン様ならじっちゃん大歓迎ですよ。」
「むむむ、すごく魅力的ですが~年明けは親族の方々へのご挨拶があって…」
「『ですよね。』」
「…」
ヨナが無口になっているのを見て私とハクは首を傾げた。
だがそのまま彼女のもとを去る事になる。
「何か姫さん最後無口になってましたね。」
「そうですか?」
そこにミンスがやってきて、スウォンは挨拶だけすると立ち去った。
「ハク将軍とリン様も今からお帰りですか?」
「まあな。」
『ミンスは?』
「私はイル陛下の年籠りのお手伝いを。」
「年籠り?」
「年跨ぎ、陛下は緋龍王の廟に籠もられて、国の安寧と五穀豊穣を祈願されるのです。」
「イル陛下は姫さんとは過ごさないんだな。」
「はい…この時期陛下はお忙しく女官も用がないと姫様のお部屋には寄りつきません。
年明けて新年の宴が開かれるまで姫様はいつもお独りなのです。」
それを聞いた私とハクは城下町に立ち寄ってからヨナの部屋へと戻った。
風牙の都には文で戻らずヨナのもとで年を越す事を伝えた。
―ごめんね、みんな…テヨンも楽しみにしててくれたかもしれないのに…
でも姫様を独りには出来ないじゃない…?―
ヨナの部屋に入ると彼女は窓辺で俯いていたため、私とハクは彼女の斜め後ろに並んでしゃがんだ。
「きゃっ!ハク!?リンまで!!?もう年明けた?」
「んなわけないでしょ。」
「どうしたの?何か忘れ物?」
『いいえ。どちらにせよ年明けの宴には出るわけですから、いちいち帰るのも面倒だと思いまして。』
「帰るのやめた。スウォン様は帰ったし、ミンスはイル陛下のとこだし、話出来るの姫さんくらいなんで…ここに居てもいいですか?」
顔を輝かせたヨナはすくっと立ち上がると私の手を引いて部屋の真ん中に私達を座らせる。
「い、いいわよ。仕方ないわね。ここは寒いからこっちいらっしゃい。ここに座って、これを来て。寒くない?」
「平気です。つかこれ姫さんの着物でしょ?」
「お腹すいてない?何か持って来てもらおうか…」
ヨナは私の肩に着物を羽織らせ、ハクの首元には襟巻きを巻く。そわそわする彼女はとても可愛らしかった。
「あ、でも皆今日くらいはお休みしたいよね。」
「はりきってる…」
『可愛い…』
そのとき私は小さな小包を取り出した。
『大丈夫ですよ、姫様。城下町で買って来た揚げ団子があります。』
「揚げ団子!?」
「こんなもん姫さんに食わせたのがバレたらクビですけどね。」
「この秘密はお墓まで持っていくわ。あったかい、美味し~!!」
「城下町はすごい賑わいでしたよ、風の部族にも負けねぇくらい。」
「……ムンドク達は待ってるわよね、ハクとリンを。2人も里帰り楽しみにしてたものね。」
「…あいつらは俺がいなくても好きにやってますよ。」
『どんなときでも楽しんでしまうのが風の部族ですから。』
「ありがと…ハク、リン。」
―たまに城では姫さんを木偶とか我儘だとか陰口を叩く奴がいるけれど、ぶん殴ってやりたい…
姫さんはそんなんじゃねぇって言ってやりたい…
いつか身分とか立場とか関係なしに、姫さんのことをわかってくれる奴が現れたらいい。俺はそいつと友人になりたい…―
その後、私はヨナによって様々な着物の着せ替え人形にされ、彼女が気に入った服装で共に食事をして年を越した。
同じように後々私達が出逢い、ハクが望んだような友人…仲間となる皆もそれぞれの年越しをしていた。
ユンは薬を売って餅米を村人から貰い、キジャは豪華な装飾品を身に纏い宴を催していて、シンアは雪の中アオを連れて洞窟へ戻り、ジェハは酒を片手にギガンに微笑みかけ、ゼノは独りで空を見上げた。
風の部族の民達は私達が帰って来ない事を残念がったが、文を受け取り納得したようだった。
「甘酒…すっごく美味しい。」
「じっちゃんが里を出る時くれたんです。」
『こんなにいい酒、風の部族では婚礼の儀でしか飲めませんよ。』
「じゃあ今日だけ私ハクのお嫁さんね。」
ハクが驚いて咳き込むと私は声を上げて笑った。
『ハハハハハッ』
「え、ちょっとなによ~そんなに嫌がれ無くてもお嫁さんごっこって話で。」
「げほげほ…ぐぇほっ…」
「ハク―?」
『ハハハハッ』
私とハクが年跨ぎの休みを貰った事で都へ戻ると聞いて、皆が歓声を上げた。
「俺ハク様に手合わせしてもらうんだ。」
「テウの手合わせ3秒で終わるからその後皆で枕投げしよーぜ。」
「今なんつった、ヘンデ!」
「別にテウが負けるなんて言ってないじゃんー
俺は姐さんに手合わせしてもらおうかなー」
「テヨンはハク様と何がしたい?」
「兄ちゃ?おふろはいりたい。」
「俺も入りたい!!」
「俺も!!」
「俺も入る!!」
「ワシも!!」
ムンドクが便乗して盛り上がっている頃、私、ハク、スウォンはヨナのもとに集まっていた。
「へえ、風の部族の年明けは賑やかなのね。」
「そう、皆でじっちゃんの屋敷に集まって食うわ飲むわ歌うわ踊るわお祭り騒ぎ。」
『ハクはいいけど私は料理を作らされたり、歌わされたり、舞いをさせられたり…結構体力勝負ですよ。』
「いいなぁ、行ってみたいです。」
「一緒に来ます?スウォン様ならじっちゃん大歓迎ですよ。」
「むむむ、すごく魅力的ですが~年明けは親族の方々へのご挨拶があって…」
「『ですよね。』」
「…」
ヨナが無口になっているのを見て私とハクは首を傾げた。
だがそのまま彼女のもとを去る事になる。
「何か姫さん最後無口になってましたね。」
「そうですか?」
そこにミンスがやってきて、スウォンは挨拶だけすると立ち去った。
「ハク将軍とリン様も今からお帰りですか?」
「まあな。」
『ミンスは?』
「私はイル陛下の年籠りのお手伝いを。」
「年籠り?」
「年跨ぎ、陛下は緋龍王の廟に籠もられて、国の安寧と五穀豊穣を祈願されるのです。」
「イル陛下は姫さんとは過ごさないんだな。」
「はい…この時期陛下はお忙しく女官も用がないと姫様のお部屋には寄りつきません。
年明けて新年の宴が開かれるまで姫様はいつもお独りなのです。」
それを聞いた私とハクは城下町に立ち寄ってからヨナの部屋へと戻った。
風牙の都には文で戻らずヨナのもとで年を越す事を伝えた。
―ごめんね、みんな…テヨンも楽しみにしててくれたかもしれないのに…
でも姫様を独りには出来ないじゃない…?―
ヨナの部屋に入ると彼女は窓辺で俯いていたため、私とハクは彼女の斜め後ろに並んでしゃがんだ。
「きゃっ!ハク!?リンまで!!?もう年明けた?」
「んなわけないでしょ。」
「どうしたの?何か忘れ物?」
『いいえ。どちらにせよ年明けの宴には出るわけですから、いちいち帰るのも面倒だと思いまして。』
「帰るのやめた。スウォン様は帰ったし、ミンスはイル陛下のとこだし、話出来るの姫さんくらいなんで…ここに居てもいいですか?」
顔を輝かせたヨナはすくっと立ち上がると私の手を引いて部屋の真ん中に私達を座らせる。
「い、いいわよ。仕方ないわね。ここは寒いからこっちいらっしゃい。ここに座って、これを来て。寒くない?」
「平気です。つかこれ姫さんの着物でしょ?」
「お腹すいてない?何か持って来てもらおうか…」
ヨナは私の肩に着物を羽織らせ、ハクの首元には襟巻きを巻く。そわそわする彼女はとても可愛らしかった。
「あ、でも皆今日くらいはお休みしたいよね。」
「はりきってる…」
『可愛い…』
そのとき私は小さな小包を取り出した。
『大丈夫ですよ、姫様。城下町で買って来た揚げ団子があります。』
「揚げ団子!?」
「こんなもん姫さんに食わせたのがバレたらクビですけどね。」
「この秘密はお墓まで持っていくわ。あったかい、美味し~!!」
「城下町はすごい賑わいでしたよ、風の部族にも負けねぇくらい。」
「……ムンドク達は待ってるわよね、ハクとリンを。2人も里帰り楽しみにしてたものね。」
「…あいつらは俺がいなくても好きにやってますよ。」
『どんなときでも楽しんでしまうのが風の部族ですから。』
「ありがと…ハク、リン。」
―たまに城では姫さんを木偶とか我儘だとか陰口を叩く奴がいるけれど、ぶん殴ってやりたい…
姫さんはそんなんじゃねぇって言ってやりたい…
いつか身分とか立場とか関係なしに、姫さんのことをわかってくれる奴が現れたらいい。俺はそいつと友人になりたい…―
その後、私はヨナによって様々な着物の着せ替え人形にされ、彼女が気に入った服装で共に食事をして年を越した。
同じように後々私達が出逢い、ハクが望んだような友人…仲間となる皆もそれぞれの年越しをしていた。
ユンは薬を売って餅米を村人から貰い、キジャは豪華な装飾品を身に纏い宴を催していて、シンアは雪の中アオを連れて洞窟へ戻り、ジェハは酒を片手にギガンに微笑みかけ、ゼノは独りで空を見上げた。
風の部族の民達は私達が帰って来ない事を残念がったが、文を受け取り納得したようだった。
「甘酒…すっごく美味しい。」
「じっちゃんが里を出る時くれたんです。」
『こんなにいい酒、風の部族では婚礼の儀でしか飲めませんよ。』
「じゃあ今日だけ私ハクのお嫁さんね。」
ハクが驚いて咳き込むと私は声を上げて笑った。
『ハハハハハッ』
「え、ちょっとなによ~そんなに嫌がれ無くてもお嫁さんごっこって話で。」
「げほげほ…ぐぇほっ…」
「ハク―?」
『ハハハハッ』