主人公はハクの相棒でヨナの護衛。国内でも有名な美人剣士。
金州・斉国
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それはまだヨナが緋龍城にいた頃のお話。
兵士の訓練をしていた私とハクのもとにヨナがやってきた。
「ねぇ、ハク。」
「何ですか?」
『次来なさい!!』
呼ばれたハクの隣で私は兵士を次から次へと相手していた。
「今日一緒に寝てくれる?」
バキィッ
『あー、ハク!!やりすぎ!!』
「ハク将軍ご乱心ーっ」
「誰か医務官をー!!」
ヨナの衝撃的な一言にハクは兵を弾き飛ばしてしまった。
私は呆れながらも兵の手当をしてヨナとハクの様子を見守る事にした。
「どうして俺なんすか…リンがいるでしょうに。」
「だって…私の用心棒はハクでしょ…」
「…俺も男なんすけど。」
『姫様…姫というより女としてちょっとは警戒を…』
「リン…正論を述べてはいるが、俺に失礼じゃねェか?」
『事実だからいいでしょ。』
「…とりあえず事情を聞きましょうか。」
兵の訓練を終えて私達は風呂に入り寝る準備を整えてからヨナの寝室へ向かった。
「幽霊が出る?」
「うん…」
「アホらし…」
「あ~っ、ハク!見捨てないで。
昨夜目が覚めたら変な声聞こえるし、体が誰かに押さえつけられたみたいに重くて。」
『金縛りってやつね…』
「女官を呼びましょうか?」
「…いい。私の話なんか誰も聞かないもの。
ハクは強いんでしょ?また出たらハクが退治してほしいの。」
「それならリンでも…」
『あら、姫様ご指名なのに。』
「うるせぇ。」
『実際私よりハクの方が何倍も強いんで姫様を守るのにはもってこいじゃないですか?』
「ねぇ、ハク…」
「はぁ…わかりました。リンも付き合えよ。」
『はいはい。』
「じゃあ、今日のお役目は添い寝って事ですね。失礼します。」
ハクが勝手に寝台に上がり横になると、ヨナは黙ってハクの隣に横になった。
私はその光景につい笑ってしまう。
「ツッこめよ!!何で黙って入る!?」
「何でもいいからそばにいて!」
『ハハハハハッ』
「リンも笑ってないでどうにかしてくれ…」
『ふふっ、これって何の修行なのかしらね。』
「全くだ…明日スウォン様に添い寝して頂くように使いを出しますか?」
「そんな事したら恥ずかしくて死んじゃう。」
「…」
『ぷっ…』
私が笑うとハクに拳で殴られた。
『痛っ…』
「そうじゃなくてお前に居て欲しいの。ここに座って座って!」
―かわいいと思ったら負けだ…―
ハクは自分の中の何かと闘いながら横になるヨナの近くで寝台の上に座った。私は床に座りヨナと視線を合わせた。
「…ったく、これでいいんですか?」
「うん。あとね、小指ちょうだい。」
「『…』」
「落とせと…?」
「違うわよ。手こっち。」
ハクが手を差し出すとヨナは彼の小指を握って身を縮こまらせて目を閉じた。
可愛らしい彼女の様子と頭を抱えるハクの様子に私はクスクスと笑う。
「…何か変ですよ、姫さん。」
「…金縛りにあう前にね、怖い夢を見たの。」
「夢?」
『どんな夢か話して戴いても…?』
「…真っ暗い夜の中に私はお前とリンと城から放り出されるの。
ずっとずっと闇の中を逃げるんだけど、顔を上げるとお前達が血まみれで…
何度も何度も呼ぶのに動かないの。
目が覚めたらお前達はいなくて、叫びたいのに体が全然言う事をきいてくれなくて、怖くて…
二度と嫌よ、あんな思い。だから今夜は小指だけでも貸してね。」
私とハクは目配せをするとそれぞれ行動に出た。
私は彼女を安心させるように髪を撫で、ハクはヨナの手をぎゅっと握った。
「全部やるからおやすみ。」
すると頬を微かに染めたヨナはハクの手を離してこちらに背を向けた。
『ヨナ?』
「…やっぱいい。」
「は?」
「こっち見ないで。」
「あ?」
「…リンはここにいてね。」
『え、あ…はい。あの…ハクは?』
「…知らない。」
「…は?」
そんなやりとりをしているうちにヨナは眠ってしまい、私とハクは床に並んで座ると彼女が眠る寝台に背を預けて目を閉じた。
彼女が二度と酷い夢を見ないよう願い、彼女が目覚めた時悪夢がただの夢に過ぎないと自分達の存在で知らせる為に…
兵士の訓練をしていた私とハクのもとにヨナがやってきた。
「ねぇ、ハク。」
「何ですか?」
『次来なさい!!』
呼ばれたハクの隣で私は兵士を次から次へと相手していた。
「今日一緒に寝てくれる?」
バキィッ
『あー、ハク!!やりすぎ!!』
「ハク将軍ご乱心ーっ」
「誰か医務官をー!!」
ヨナの衝撃的な一言にハクは兵を弾き飛ばしてしまった。
私は呆れながらも兵の手当をしてヨナとハクの様子を見守る事にした。
「どうして俺なんすか…リンがいるでしょうに。」
「だって…私の用心棒はハクでしょ…」
「…俺も男なんすけど。」
『姫様…姫というより女としてちょっとは警戒を…』
「リン…正論を述べてはいるが、俺に失礼じゃねェか?」
『事実だからいいでしょ。』
「…とりあえず事情を聞きましょうか。」
兵の訓練を終えて私達は風呂に入り寝る準備を整えてからヨナの寝室へ向かった。
「幽霊が出る?」
「うん…」
「アホらし…」
「あ~っ、ハク!見捨てないで。
昨夜目が覚めたら変な声聞こえるし、体が誰かに押さえつけられたみたいに重くて。」
『金縛りってやつね…』
「女官を呼びましょうか?」
「…いい。私の話なんか誰も聞かないもの。
ハクは強いんでしょ?また出たらハクが退治してほしいの。」
「それならリンでも…」
『あら、姫様ご指名なのに。』
「うるせぇ。」
『実際私よりハクの方が何倍も強いんで姫様を守るのにはもってこいじゃないですか?』
「ねぇ、ハク…」
「はぁ…わかりました。リンも付き合えよ。」
『はいはい。』
「じゃあ、今日のお役目は添い寝って事ですね。失礼します。」
ハクが勝手に寝台に上がり横になると、ヨナは黙ってハクの隣に横になった。
私はその光景につい笑ってしまう。
「ツッこめよ!!何で黙って入る!?」
「何でもいいからそばにいて!」
『ハハハハハッ』
「リンも笑ってないでどうにかしてくれ…」
『ふふっ、これって何の修行なのかしらね。』
「全くだ…明日スウォン様に添い寝して頂くように使いを出しますか?」
「そんな事したら恥ずかしくて死んじゃう。」
「…」
『ぷっ…』
私が笑うとハクに拳で殴られた。
『痛っ…』
「そうじゃなくてお前に居て欲しいの。ここに座って座って!」
―かわいいと思ったら負けだ…―
ハクは自分の中の何かと闘いながら横になるヨナの近くで寝台の上に座った。私は床に座りヨナと視線を合わせた。
「…ったく、これでいいんですか?」
「うん。あとね、小指ちょうだい。」
「『…』」
「落とせと…?」
「違うわよ。手こっち。」
ハクが手を差し出すとヨナは彼の小指を握って身を縮こまらせて目を閉じた。
可愛らしい彼女の様子と頭を抱えるハクの様子に私はクスクスと笑う。
「…何か変ですよ、姫さん。」
「…金縛りにあう前にね、怖い夢を見たの。」
「夢?」
『どんな夢か話して戴いても…?』
「…真っ暗い夜の中に私はお前とリンと城から放り出されるの。
ずっとずっと闇の中を逃げるんだけど、顔を上げるとお前達が血まみれで…
何度も何度も呼ぶのに動かないの。
目が覚めたらお前達はいなくて、叫びたいのに体が全然言う事をきいてくれなくて、怖くて…
二度と嫌よ、あんな思い。だから今夜は小指だけでも貸してね。」
私とハクは目配せをするとそれぞれ行動に出た。
私は彼女を安心させるように髪を撫で、ハクはヨナの手をぎゅっと握った。
「全部やるからおやすみ。」
すると頬を微かに染めたヨナはハクの手を離してこちらに背を向けた。
『ヨナ?』
「…やっぱいい。」
「は?」
「こっち見ないで。」
「あ?」
「…リンはここにいてね。」
『え、あ…はい。あの…ハクは?』
「…知らない。」
「…は?」
そんなやりとりをしているうちにヨナは眠ってしまい、私とハクは床に並んで座ると彼女が眠る寝台に背を預けて目を閉じた。
彼女が二度と酷い夢を見ないよう願い、彼女が目覚めた時悪夢がただの夢に過ぎないと自分達の存在で知らせる為に…