主人公はハクの相棒でヨナの護衛。国内でも有名な美人剣士。
金州・斉国
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旅の途中、隣町まで買い出しに行ったヨナ、ハク、そしてユン。
四龍は目立つうえ、私は甘い香りがする為留守番をする事になった。
そしてユンはきっと私の傷がまだ治り切っていない事を配慮してくれたのだろう。
四龍の見張りも兼ねているのかもしれないが。
「というわけで、今晩は僕らだけの夕食だよ。準備はいいかい?」
『むしろ覚悟はいい?』
「覚悟?」
「いいかい、キジャ君。ユン君がいないんだよ?」
そう、ジェハの言葉を言い換えれば大ピンチなのだ。
「うむ。」
「今日は無茶をせず焼き魚くらいにしておこうね。」
「せっかくだから私が何か作…」
「しておこうね。」
『せめて料理をするなら私だけがするわ…』
私とジェハは普通に料理が出来るが、キジャ達がいるうえ彼らが暴走しないよう見張る人材が不足している為出来ることなら無難に済ませたいのだ。
「じゃあ、青龍。魚釣りしよー」
「どうやって釣るのだ?」
「テキトーでいいのさ。餌はミミズー」
「ミ、ミミミズ!?」
「ミが多い。」
「あ…」
怯えたキジャが身を引いた所為でシンアにぶつかり、シンアが持っていたアオが川に落ちてしまった。
「アオ―――!!!」
「全く仕方ないな。君達はじっとして…」
「アオ…」
仮面を外したシンアがアオを追いかけて川に飛び込み、それを見たキジャも飛び込んだ。
そして服を着たままだった2人は案の定溺れる。
「あーあーあーも―――――っ!!」
『はぁ…』
ジェハが服を脱ぎ私に託すと静かに飛び込みキジャとシンアを抱えて川から上がった。
シンアはちゃんとアオを確保しているようだった。
『2人共馬鹿じゃないの…?』
「そんなビラビラした服着たまま泳げるわけないだろ。」
その時ジェハは気付いた、今のシンアは仮面をしていないことに。
勢いよくシンアの顔を覗き込むがそれは手で阻まれてしまった。
「…ちっ」
『諦めが悪いわね、ジェハ。』
「一度でもいいから見てみたいじゃないか…」
「あー、メシはまだかのう…」
「ゼノ君、歳がバレたからって急に老けこまない。」
「すまぬ、ジェハ。苦労をかけた。」
「いや、わかれば良いんだけど。とりあえず君らは火を焚いて…」
私は彼らの様子を見て笑っていたが自分の背後に何かの気配を感じ取った。
『皆、熊が来た。』
「え?」
私が急いで自分が座っていた木の根元から立ち上がり身を引いた為、大きな熊の姿が仲間達の目にも映る。
「よおし!待っておれ、そなた達今夜は熊鍋だッ!!」
「え、ちょ…キジャ君…」
「白龍、ガンバレー」
ただ熊は矛先をゼノに向けてしまった。
「あれー…こっち来ちゃう?」
「ゼノ君!!」
すると熊から庇うようにゼノの前にジェハが立ちはだかった。
彼は彼なりにまたゼノが傷つくのを見たくなかったのだろう。
『ジェハ!!』
彼が蹴りで熊と戦い始めると私はゼノが闘いから離れたのを見て剣を抜いてジェハに加勢した。
彼の左腕には熊に引っ掻かれた爪の痕がある。
それを見て怒った私は仕返しとばかりに剣を納め自分の爪を出した。
『お返しよ!!』
爪で熊の急所を突いて闘いを終えるとジェハは泳ぎ戦った疲れからか近くの木陰で眠ってしまった。
『ジェハ?』
「緑龍は寝ちゃってるからー」
「夕食はどうするのだ。」
「ゼノが作るから手伝ってー」
「『え?』」
彼の指示に従って私は熊を捌き、その間にキジャとシンアが火を焚いた。
ゼノが道具の用意を済ませると私は捌いた肉を切り分けてユンから預かっていた調味料をゼノに託す。
するとみるみるうちに美味しそうな熊鍋が出来た。
ちなみに私とゼノが鍋を作っている間にキジャとシンアがジェハを天幕の中に運んで左腕に包帯を巻いたようだった。
『おぉ…』
「お嬢は緑龍の傍にいてあげてー」
「そうだな。」
「うん…」
『わかったわ、ありがとう。』
私は鍋から食事を取り分ける仲間達を見て微笑むと天幕に入って眠るジェハの隣に擦り寄るように横になった。
するといつの間にか私も眠ってしまい、キジャ、シンア、ゼノが入って来て私とジェハを囲むように眠った事に気付かなかった。
「ん…?」
「あ、緑龍起きた?」
「あれ…僕どうしたっけ?」
ジェハの身じろぎで私とゼノがまず目を覚まし、私達の話し声でキジャとシンアも起きて来た。
『ジェハ、熊と闘った後休んでたら寝ちゃったのよ。』
「傷の具合はどうだ?」
「傷の具合よりこの包帯の巻き具合が気になるね…
これはどう見てもリンが巻いてくれたわけではなさそうだ。」
『それはキジャかな?』
「傷は何て事ないよ。ハクの拳の方がクるくらいで。」
「緑龍、ゼノの事は庇わなくて良いから。どうなっても平気だから。」
「……そうだっけ?どうも僕は忘れっぽくてね。」
「…このやろー」
ジェハの言葉にゼノは彼なりの優しさを感じて笑うだけだった。
「しかし結局夕食は作れず終いだね。」
『夕食なら出来てるわよ。』
「え?」
「リンもまだ食べておらぬだろう。」
「持って来る…」
『ありがとう。』
ジェハが身体を起こし、キジャとシンアは椀に入った熊鍋をくれた。
「リンが作ったの?」
『私はゼノを手伝っただけ。』
「年の功…か。」
「年の話はもういいから。」
『美味しい!』
「なかなか美味であろう?」
私とジェハは熊鍋を食べ、仲間達と話す。
「ジェハ、そなたは何でも背負込みすぎだ。たまには我々に任せよ。」
「僕は別に…」
私とキジャがじっとジェハを見た為、彼は困ったように返答する。
「…わかったよ。」
そうしていると私はふと何かが燃える音と焦げ臭さを感じた。
『ところで…何か焦げ臭いんだけど。』
「うん…後ろ燃えてない?」
「「!!??」」
「うわぁあああ!!」
私はジェハに椀を押し付けてすぐに外に出ると爪を振るって強い風を起こし燃え盛る焚火を消した。
その結果、どうにか天幕の端が焦げるだけに抑えられた。
「とりあえず天幕が燃えなくてよかったけど…」
『これはユンに怒られるわね…』
ジェハの腕の傷は私が巻き直した包帯で隠し、翌日帰って来たユンに私達はガミガミと怒られる事になった。
『ジェハ…』
「うん…やっぱり見張っとくべきだね…」
「ちょっと!リンとジェハも聞いてる!!?」
「『は、はい!』」
その様子にヨナとハクは苦笑するばかりなのだった。
四龍は目立つうえ、私は甘い香りがする為留守番をする事になった。
そしてユンはきっと私の傷がまだ治り切っていない事を配慮してくれたのだろう。
四龍の見張りも兼ねているのかもしれないが。
「というわけで、今晩は僕らだけの夕食だよ。準備はいいかい?」
『むしろ覚悟はいい?』
「覚悟?」
「いいかい、キジャ君。ユン君がいないんだよ?」
そう、ジェハの言葉を言い換えれば大ピンチなのだ。
「うむ。」
「今日は無茶をせず焼き魚くらいにしておこうね。」
「せっかくだから私が何か作…」
「しておこうね。」
『せめて料理をするなら私だけがするわ…』
私とジェハは普通に料理が出来るが、キジャ達がいるうえ彼らが暴走しないよう見張る人材が不足している為出来ることなら無難に済ませたいのだ。
「じゃあ、青龍。魚釣りしよー」
「どうやって釣るのだ?」
「テキトーでいいのさ。餌はミミズー」
「ミ、ミミミズ!?」
「ミが多い。」
「あ…」
怯えたキジャが身を引いた所為でシンアにぶつかり、シンアが持っていたアオが川に落ちてしまった。
「アオ―――!!!」
「全く仕方ないな。君達はじっとして…」
「アオ…」
仮面を外したシンアがアオを追いかけて川に飛び込み、それを見たキジャも飛び込んだ。
そして服を着たままだった2人は案の定溺れる。
「あーあーあーも―――――っ!!」
『はぁ…』
ジェハが服を脱ぎ私に託すと静かに飛び込みキジャとシンアを抱えて川から上がった。
シンアはちゃんとアオを確保しているようだった。
『2人共馬鹿じゃないの…?』
「そんなビラビラした服着たまま泳げるわけないだろ。」
その時ジェハは気付いた、今のシンアは仮面をしていないことに。
勢いよくシンアの顔を覗き込むがそれは手で阻まれてしまった。
「…ちっ」
『諦めが悪いわね、ジェハ。』
「一度でもいいから見てみたいじゃないか…」
「あー、メシはまだかのう…」
「ゼノ君、歳がバレたからって急に老けこまない。」
「すまぬ、ジェハ。苦労をかけた。」
「いや、わかれば良いんだけど。とりあえず君らは火を焚いて…」
私は彼らの様子を見て笑っていたが自分の背後に何かの気配を感じ取った。
『皆、熊が来た。』
「え?」
私が急いで自分が座っていた木の根元から立ち上がり身を引いた為、大きな熊の姿が仲間達の目にも映る。
「よおし!待っておれ、そなた達今夜は熊鍋だッ!!」
「え、ちょ…キジャ君…」
「白龍、ガンバレー」
ただ熊は矛先をゼノに向けてしまった。
「あれー…こっち来ちゃう?」
「ゼノ君!!」
すると熊から庇うようにゼノの前にジェハが立ちはだかった。
彼は彼なりにまたゼノが傷つくのを見たくなかったのだろう。
『ジェハ!!』
彼が蹴りで熊と戦い始めると私はゼノが闘いから離れたのを見て剣を抜いてジェハに加勢した。
彼の左腕には熊に引っ掻かれた爪の痕がある。
それを見て怒った私は仕返しとばかりに剣を納め自分の爪を出した。
『お返しよ!!』
爪で熊の急所を突いて闘いを終えるとジェハは泳ぎ戦った疲れからか近くの木陰で眠ってしまった。
『ジェハ?』
「緑龍は寝ちゃってるからー」
「夕食はどうするのだ。」
「ゼノが作るから手伝ってー」
「『え?』」
彼の指示に従って私は熊を捌き、その間にキジャとシンアが火を焚いた。
ゼノが道具の用意を済ませると私は捌いた肉を切り分けてユンから預かっていた調味料をゼノに託す。
するとみるみるうちに美味しそうな熊鍋が出来た。
ちなみに私とゼノが鍋を作っている間にキジャとシンアがジェハを天幕の中に運んで左腕に包帯を巻いたようだった。
『おぉ…』
「お嬢は緑龍の傍にいてあげてー」
「そうだな。」
「うん…」
『わかったわ、ありがとう。』
私は鍋から食事を取り分ける仲間達を見て微笑むと天幕に入って眠るジェハの隣に擦り寄るように横になった。
するといつの間にか私も眠ってしまい、キジャ、シンア、ゼノが入って来て私とジェハを囲むように眠った事に気付かなかった。
「ん…?」
「あ、緑龍起きた?」
「あれ…僕どうしたっけ?」
ジェハの身じろぎで私とゼノがまず目を覚まし、私達の話し声でキジャとシンアも起きて来た。
『ジェハ、熊と闘った後休んでたら寝ちゃったのよ。』
「傷の具合はどうだ?」
「傷の具合よりこの包帯の巻き具合が気になるね…
これはどう見てもリンが巻いてくれたわけではなさそうだ。」
『それはキジャかな?』
「傷は何て事ないよ。ハクの拳の方がクるくらいで。」
「緑龍、ゼノの事は庇わなくて良いから。どうなっても平気だから。」
「……そうだっけ?どうも僕は忘れっぽくてね。」
「…このやろー」
ジェハの言葉にゼノは彼なりの優しさを感じて笑うだけだった。
「しかし結局夕食は作れず終いだね。」
『夕食なら出来てるわよ。』
「え?」
「リンもまだ食べておらぬだろう。」
「持って来る…」
『ありがとう。』
ジェハが身体を起こし、キジャとシンアは椀に入った熊鍋をくれた。
「リンが作ったの?」
『私はゼノを手伝っただけ。』
「年の功…か。」
「年の話はもういいから。」
『美味しい!』
「なかなか美味であろう?」
私とジェハは熊鍋を食べ、仲間達と話す。
「ジェハ、そなたは何でも背負込みすぎだ。たまには我々に任せよ。」
「僕は別に…」
私とキジャがじっとジェハを見た為、彼は困ったように返答する。
「…わかったよ。」
そうしていると私はふと何かが燃える音と焦げ臭さを感じた。
『ところで…何か焦げ臭いんだけど。』
「うん…後ろ燃えてない?」
「「!!??」」
「うわぁあああ!!」
私はジェハに椀を押し付けてすぐに外に出ると爪を振るって強い風を起こし燃え盛る焚火を消した。
その結果、どうにか天幕の端が焦げるだけに抑えられた。
「とりあえず天幕が燃えなくてよかったけど…」
『これはユンに怒られるわね…』
ジェハの腕の傷は私が巻き直した包帯で隠し、翌日帰って来たユンに私達はガミガミと怒られる事になった。
『ジェハ…』
「うん…やっぱり見張っとくべきだね…」
「ちょっと!リンとジェハも聞いてる!!?」
「『は、はい!』」
その様子にヨナとハクは苦笑するばかりなのだった。