願いが叶うならば
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──BARで目覚めてから優花は、特にする事もなくぼんやりと過ごしていた。
傷は重症な物でもないのでBARや個室、など入室許可された所を行き来して最低限の事は自分でして過ごしている。
最初に会ってから死柄木とは何度か出くわすが話はしていない。
─そうして時間が経つ事にじわじわと這い寄る記憶が優花を日を追うごとに責め立てる。
全てお前さえ居なければ、
皆、お前を恨んでいるだろう。
よくものうのうと生きているものだ。
「優花、お前は俺達の大切な仲間だよ」
自分に向けられたその言葉は、赤い血溜まりの中へと飲み込まれ消えていく・・・。
『いやあぁぁぁっ!!』
優花はベッドから飛び起きた。
荒い呼吸を繰り返し自分が夢を見ていたことを知る。
とても嫌な夢を。
でも、確かにあった記憶にある夢。
『ごめんなさいっごめんなさいごめんなさいごめんなさいっううっ・・・ごめんなさっ』
夢にまで出て来た“あいつ”が、まるで自分を責め立てているように思えて息が苦しくなる。
泣きたくないのに苦しくて自然と出て、そんな自分に嫌悪する。
死にたい。
ずっとずっと思っていた事。
でも、約束した記憶がチラつき思い止まる。
その繰り返し。
優花がベッドで呼吸を整えた頃、がチャリと扉がノックもなしに開かれた。
「・・・何だよさっきの悲鳴」
『・・・』
扉を開けたのは死柄木だった。
寝起きなのか髪や服が乱れていて、不機嫌そうにそう尋ねてきた。
優花は青白い、情けない顔を見られたくなくて俯き『何でもない』とだけ答え黙り込んだ。
沈黙が流れると、死柄木がわざとらしくため息をついた。
「お前、面倒臭い奴だな」
それだけ言うと扉は閉まり、静寂が戻る。
優花はそれに安堵のような、寂しさのような複雑な気持ちになりつつ、汗を服でぬぐった。
汗で気持ち悪いが動く気にもなれず、そのまま寝直そうとベッドに潜るとまた扉が開いた。
驚いて体を起こし、そちらを見ると死柄木がペットボトルの水を片手に部屋に入ってきた。
「ほら飲めよ」
『え?』
困惑する優花に構わず、死柄木はペットボトルを無理矢理持たせるとベッドの隅、優花の隣に座った。
『え?な、何で?』
「・・・なんだよ」
訳が分からず死柄木をまじまじと見てしまい、本人はバツが悪そうにこちらには顔を向けない。
まだ困惑はしつつも優花は受け取った水を開け、口にする。
何だかそれだけで少し楽になった気がした。
──優花が悪夢で目を覚ました日
優花には困惑しか無かった。
その上、素直に渡された水を飲んでいると頭を撫でたのだ。
それにビクリと体を揺らすと手はすぐ離れていったが。
─それから会うと少しずつだが会話するようになった。
「お前、その服どうにかならないのか?」
『服?』
優花は自分の服を見る。
白のワイシャツを1枚着てるだけの格好
最初に着ていた服しかないから、黒霧が服を貸してくれたのだ。
その服は今洗濯に出した。
『服ないからしょうがないじゃない』
「・・・女としてどうなんだそれ」
『別に後少しの間なんだから我慢してよ』
その言葉に一瞬の間が空く。
優花が居るのは傷が完治するまでだ。
もうその傷もほとんど治り痛みもない。
「・・・服買いに行けよ」
『お金ない』
それにさっきテレビで“あれ”がニュースになっていた、まだ10代だから顔は載らないが時間の問題だ。
もう先の事などどうでも良くなっていた。
だからここを出た後など何も考えていなかった。
「・・・買いに行くぞ」
『は?』
耳を疑う。
死柄木は自分の部屋に行くと数分後、自分と同じ黒いパーカーと多分、しまい込んでいたのだろう皺の付いたズボンも持ってきた。
「ほら、これ貸してやるから着て出かけるぞ」
『え?は?何?何なの?』
え、何これペアルック??
困惑する優花を急かし二人で買い物に行くことになった。
─街中、大通り周辺
人混みの中、一定の距離を開けて歩く優花と死柄木。
優花は深くフードを被り、サングラスをかけさせられ死柄木について歩く。
服は、勿論ぶかぶか。
人にぶつかりそうになりながら、そうして歩くうちに死柄木は優花の前で立ち止まる。
目の前には、老若男女問わずシンプルな洋服が売りの服屋があった。
気を使われて女性用の服屋に行かれるよりは良かったので優花は内心ほっとした。
ああいう店は絶対話かけられるから。
「ここでいいだろ。必要な物選んでこいよ、俺はここに居る。」
『一緒に選ばないの?』
「選んで欲しいのかよ?」
店の中に入り、死柄木は意地の悪い顔でそんな事を言ったので優花も仕返しのように首を傾げてニヤリと笑う。
『ええ、“弔”に選んで欲しい』
「・・・は?」
そんな返しが来るとは思ってなかったのか、下の名前で呼ばれてなのかは分からないが死柄木は硬直した。
その様子がちょっと可笑しくて、可愛いくて笑ってしまった。
傷は重症な物でもないのでBARや個室、など入室許可された所を行き来して最低限の事は自分でして過ごしている。
最初に会ってから死柄木とは何度か出くわすが話はしていない。
─そうして時間が経つ事にじわじわと這い寄る記憶が優花を日を追うごとに責め立てる。
全てお前さえ居なければ、
皆、お前を恨んでいるだろう。
よくものうのうと生きているものだ。
「優花、お前は俺達の大切な仲間だよ」
自分に向けられたその言葉は、赤い血溜まりの中へと飲み込まれ消えていく・・・。
『いやあぁぁぁっ!!』
優花はベッドから飛び起きた。
荒い呼吸を繰り返し自分が夢を見ていたことを知る。
とても嫌な夢を。
でも、確かにあった記憶にある夢。
『ごめんなさいっごめんなさいごめんなさいごめんなさいっううっ・・・ごめんなさっ』
夢にまで出て来た“あいつ”が、まるで自分を責め立てているように思えて息が苦しくなる。
泣きたくないのに苦しくて自然と出て、そんな自分に嫌悪する。
死にたい。
ずっとずっと思っていた事。
でも、約束した記憶がチラつき思い止まる。
その繰り返し。
優花がベッドで呼吸を整えた頃、がチャリと扉がノックもなしに開かれた。
「・・・何だよさっきの悲鳴」
『・・・』
扉を開けたのは死柄木だった。
寝起きなのか髪や服が乱れていて、不機嫌そうにそう尋ねてきた。
優花は青白い、情けない顔を見られたくなくて俯き『何でもない』とだけ答え黙り込んだ。
沈黙が流れると、死柄木がわざとらしくため息をついた。
「お前、面倒臭い奴だな」
それだけ言うと扉は閉まり、静寂が戻る。
優花はそれに安堵のような、寂しさのような複雑な気持ちになりつつ、汗を服でぬぐった。
汗で気持ち悪いが動く気にもなれず、そのまま寝直そうとベッドに潜るとまた扉が開いた。
驚いて体を起こし、そちらを見ると死柄木がペットボトルの水を片手に部屋に入ってきた。
「ほら飲めよ」
『え?』
困惑する優花に構わず、死柄木はペットボトルを無理矢理持たせるとベッドの隅、優花の隣に座った。
『え?な、何で?』
「・・・なんだよ」
訳が分からず死柄木をまじまじと見てしまい、本人はバツが悪そうにこちらには顔を向けない。
まだ困惑はしつつも優花は受け取った水を開け、口にする。
何だかそれだけで少し楽になった気がした。
──優花が悪夢で目を覚ました日
優花には困惑しか無かった。
その上、素直に渡された水を飲んでいると頭を撫でたのだ。
それにビクリと体を揺らすと手はすぐ離れていったが。
─それから会うと少しずつだが会話するようになった。
「お前、その服どうにかならないのか?」
『服?』
優花は自分の服を見る。
白のワイシャツを1枚着てるだけの格好
最初に着ていた服しかないから、黒霧が服を貸してくれたのだ。
その服は今洗濯に出した。
『服ないからしょうがないじゃない』
「・・・女としてどうなんだそれ」
『別に後少しの間なんだから我慢してよ』
その言葉に一瞬の間が空く。
優花が居るのは傷が完治するまでだ。
もうその傷もほとんど治り痛みもない。
「・・・服買いに行けよ」
『お金ない』
それにさっきテレビで“あれ”がニュースになっていた、まだ10代だから顔は載らないが時間の問題だ。
もう先の事などどうでも良くなっていた。
だからここを出た後など何も考えていなかった。
「・・・買いに行くぞ」
『は?』
耳を疑う。
死柄木は自分の部屋に行くと数分後、自分と同じ黒いパーカーと多分、しまい込んでいたのだろう皺の付いたズボンも持ってきた。
「ほら、これ貸してやるから着て出かけるぞ」
『え?は?何?何なの?』
え、何これペアルック??
困惑する優花を急かし二人で買い物に行くことになった。
─街中、大通り周辺
人混みの中、一定の距離を開けて歩く優花と死柄木。
優花は深くフードを被り、サングラスをかけさせられ死柄木について歩く。
服は、勿論ぶかぶか。
人にぶつかりそうになりながら、そうして歩くうちに死柄木は優花の前で立ち止まる。
目の前には、老若男女問わずシンプルな洋服が売りの服屋があった。
気を使われて女性用の服屋に行かれるよりは良かったので優花は内心ほっとした。
ああいう店は絶対話かけられるから。
「ここでいいだろ。必要な物選んでこいよ、俺はここに居る。」
『一緒に選ばないの?』
「選んで欲しいのかよ?」
店の中に入り、死柄木は意地の悪い顔でそんな事を言ったので優花も仕返しのように首を傾げてニヤリと笑う。
『ええ、“弔”に選んで欲しい』
「・・・は?」
そんな返しが来るとは思ってなかったのか、下の名前で呼ばれてなのかは分からないが死柄木は硬直した。
その様子がちょっと可笑しくて、可愛いくて笑ってしまった。