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風が吹いていた。フェンス越しに見るあにまんまんの顔は歪んでいて、足元にはミニチュアの街が広がっていた。
「お、俺くん? なんでそんな所に立ってるんだゲー?」
本当は、彼と一緒にこの場所に立ちたかった。けれども彼は決して、それを許してはくれない。
「ほら、危ないからこっちに来るゲー」
終わらない苦しみのラストシーンくらい、素敵な演出が欲しかった。ああ、見開いた円環の瞳のなんと美しいことか。
「なにも靴まで脱ぐことないゲー、裸足じゃ怪我するゲーよ」
揃えた靴とともに並べた白い紙には、彼への想いが綴ってある。ありがとう、そして。
「あにまんまん、」
「っ、俺くん! すぐに戻って!」
「俺のこと、忘れないで」
とん、と建物を蹴る。空を飛ぶのは初めての経験だ。仰ぎ見る空と、彼の顔。人生最高の景色だった。
金網を掴んで、何事かを叫ぶあにまんまんが、なぜかとても近くに見えた。心優しい彼の中で、俺は唯一の永遠になれるのだ! 幸福感が全身を駆け巡り、背中に翼を生やす。重力から解き放たれた俺は、そのまま、
「ずっと一緒にいようね」
この話に終わりはない。
いつまでも癒えない傷として、俺はあにまんまんの中で生き続けるのだ。
「お、俺くん? なんでそんな所に立ってるんだゲー?」
本当は、彼と一緒にこの場所に立ちたかった。けれども彼は決して、それを許してはくれない。
「ほら、危ないからこっちに来るゲー」
終わらない苦しみのラストシーンくらい、素敵な演出が欲しかった。ああ、見開いた円環の瞳のなんと美しいことか。
「なにも靴まで脱ぐことないゲー、裸足じゃ怪我するゲーよ」
揃えた靴とともに並べた白い紙には、彼への想いが綴ってある。ありがとう、そして。
「あにまんまん、」
「っ、俺くん! すぐに戻って!」
「俺のこと、忘れないで」
とん、と建物を蹴る。空を飛ぶのは初めての経験だ。仰ぎ見る空と、彼の顔。人生最高の景色だった。
金網を掴んで、何事かを叫ぶあにまんまんが、なぜかとても近くに見えた。心優しい彼の中で、俺は唯一の永遠になれるのだ! 幸福感が全身を駆け巡り、背中に翼を生やす。重力から解き放たれた俺は、そのまま、
「ずっと一緒にいようね」
この話に終わりはない。
いつまでも癒えない傷として、俺はあにまんまんの中で生き続けるのだ。
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