亮と雅人が同棲する話
休日の午前。外ではセミが元気よくミーンミンミンと求愛行動をしている。換気扇の音が部屋一面に響き渡っている。そして他の部屋で亮がかけている掃除機の音も聞こえてくる。
それをBGMに、おれはお風呂掃除をしていた。
ただでさえ暑い中だけどシャワーのお湯で泡を流しているので、まるでサウナだ。士官学校や軍でサバイバルしてた時よりは流石にマシだけど、めったに汗をかかないおれが今や汗だくだ。
床や壁の水分をモップで拭いて、タオルで汗も拭う。
「ふー…」
毎日のことなんだけど、気合入れて掃除すると達成感もあるしお風呂場が綺麗になって気持ちいい。
お風呂場を出ると、亮もちょうど掃除が終わったようで、ソファや椅子を元の位置に戻していた。亮の掃除の丁寧さには、いつも感心させられる。
「亮、一休みしようか。あんまり根詰めても疲れるから」
おれは亮にこう持ち掛ける。
「ああ、そうだな」
「亮は座ってて。今麦茶出すから」
「気が利くな」
亮がソファに座った。亮の愛用のコップに氷を半分くらい入れて、いつものピッチャーで麦茶を注ぐ。おれは掃除とか頑張った後に楽しみにしてたことがあるんだ。
「はい」
「サンキュ」
亮に麦茶を渡すと、おれは台所の棚の引き出しからアイスのディッシャーを、冷凍庫から大きめのカップに入ったアイスを、棚からシュガーコーンを出した。
この前ちょっと遠めのスーパーにひとりで行った時、ディッシャーをマッシュポテトとかを綺麗に盛るために買ったんだけど、シュガーコーンをも見かけて「売ってるんだ!」とテンション上がってつい買っちゃったんだ。
キッチンにカップを置いて蓋を開け、ディッシャーで掬おうとしたけどアイスはまだガッチガチで、思いのほか難しい。これをいつもやってるアイス屋さんの店員さんはすごいと思う。
「俺がやろうか?」
おれがアイスに悪戦苦闘してるのを見て、亮はこう言ってくれた。でもやってるのは楽しいので、
「いや、おれがやるよ」
と断った。
少し溶けてようやく掬えたアイスを、コーンにのせた。コーンを壊さないようにのせるのも難しい。
「やった、できた♪」
我ながら、お店みたいにできたと思った。アイスを冷凍庫にしまって、その達成感を味わいながら、亮の隣に座ってアイスにかぶりつく。
「ん~、美味しい!」
もちろんお店で食べるのも美味しいけど、こうして家でやるのもオツだね。
おれがアイスに夢中になっているのを、亮はじっと見つめている。
「…あ、もしかして、亮もアイス欲しいの?」
珍しい。
普段ならおれの方が甘いのに夢中になるのに。
「いや、俺はこっちだな」
亮はこう言うと、おれの頬へ手を添えた。そしてゆっくりと唇を重ねる。まるでおれを味わうような口づけだ。
離れた後も、亮は近い距離で微笑んでいる。
「アイス食べてたから甘いでしょ」
「雅人の唇の方が甘い…」
あっけらかんと亮に言われ、おれは赤面した。
亮はこういう時、一度では終わらない。また小さくおれに口づけた。
アイスを食べてるのに、余計暑くなりそうだ…。もちろん嬉しいんだけどね。
食べ終わったら、亮は微笑んだままおれを抱き寄せてきた。そしてもう一度キスをする。
「アイスもだが、雅人が甘くてしょうがねえ」
超絶に甘い声で、亮が囁く。やっぱ囁くの反則だって。
「亮の声も甘いよ」
「そうなのか?」
亮は自分の美声ぶりを、まるでわかっていない。そういう謙虚な所も大好きだけどね。
おれからも、亮のほっぺにキスをひとつした。
掃除の後の休憩のひと時は、いつのまにか甘い時間に変わっていた。
いつの間にやらもうすぐお昼だ。
「よし、ちょっと元気出てきたから、余った野菜で焼きそばでも作ろうかな。お昼それでもいいかな」
「ああ、雅人が作ればなんでもこの上ないご馳走だ」
おれが作るだけでもありがたがって美味しい美味しいと食べてくれる亮には、作り甲斐があるってもんだ。
―ホントに愛おしいや。
まだまだ暑い日が続くけど、亮と一緒ならどんな気候でも幸せな気持ちになりながら過ごせるんだろうな、とおれは思った。
それをBGMに、おれはお風呂掃除をしていた。
ただでさえ暑い中だけどシャワーのお湯で泡を流しているので、まるでサウナだ。士官学校や軍でサバイバルしてた時よりは流石にマシだけど、めったに汗をかかないおれが今や汗だくだ。
床や壁の水分をモップで拭いて、タオルで汗も拭う。
「ふー…」
毎日のことなんだけど、気合入れて掃除すると達成感もあるしお風呂場が綺麗になって気持ちいい。
お風呂場を出ると、亮もちょうど掃除が終わったようで、ソファや椅子を元の位置に戻していた。亮の掃除の丁寧さには、いつも感心させられる。
「亮、一休みしようか。あんまり根詰めても疲れるから」
おれは亮にこう持ち掛ける。
「ああ、そうだな」
「亮は座ってて。今麦茶出すから」
「気が利くな」
亮がソファに座った。亮の愛用のコップに氷を半分くらい入れて、いつものピッチャーで麦茶を注ぐ。おれは掃除とか頑張った後に楽しみにしてたことがあるんだ。
「はい」
「サンキュ」
亮に麦茶を渡すと、おれは台所の棚の引き出しからアイスのディッシャーを、冷凍庫から大きめのカップに入ったアイスを、棚からシュガーコーンを出した。
この前ちょっと遠めのスーパーにひとりで行った時、ディッシャーをマッシュポテトとかを綺麗に盛るために買ったんだけど、シュガーコーンをも見かけて「売ってるんだ!」とテンション上がってつい買っちゃったんだ。
キッチンにカップを置いて蓋を開け、ディッシャーで掬おうとしたけどアイスはまだガッチガチで、思いのほか難しい。これをいつもやってるアイス屋さんの店員さんはすごいと思う。
「俺がやろうか?」
おれがアイスに悪戦苦闘してるのを見て、亮はこう言ってくれた。でもやってるのは楽しいので、
「いや、おれがやるよ」
と断った。
少し溶けてようやく掬えたアイスを、コーンにのせた。コーンを壊さないようにのせるのも難しい。
「やった、できた♪」
我ながら、お店みたいにできたと思った。アイスを冷凍庫にしまって、その達成感を味わいながら、亮の隣に座ってアイスにかぶりつく。
「ん~、美味しい!」
もちろんお店で食べるのも美味しいけど、こうして家でやるのもオツだね。
おれがアイスに夢中になっているのを、亮はじっと見つめている。
「…あ、もしかして、亮もアイス欲しいの?」
珍しい。
普段ならおれの方が甘いのに夢中になるのに。
「いや、俺はこっちだな」
亮はこう言うと、おれの頬へ手を添えた。そしてゆっくりと唇を重ねる。まるでおれを味わうような口づけだ。
離れた後も、亮は近い距離で微笑んでいる。
「アイス食べてたから甘いでしょ」
「雅人の唇の方が甘い…」
あっけらかんと亮に言われ、おれは赤面した。
亮はこういう時、一度では終わらない。また小さくおれに口づけた。
アイスを食べてるのに、余計暑くなりそうだ…。もちろん嬉しいんだけどね。
食べ終わったら、亮は微笑んだままおれを抱き寄せてきた。そしてもう一度キスをする。
「アイスもだが、雅人が甘くてしょうがねえ」
超絶に甘い声で、亮が囁く。やっぱ囁くの反則だって。
「亮の声も甘いよ」
「そうなのか?」
亮は自分の美声ぶりを、まるでわかっていない。そういう謙虚な所も大好きだけどね。
おれからも、亮のほっぺにキスをひとつした。
掃除の後の休憩のひと時は、いつのまにか甘い時間に変わっていた。
いつの間にやらもうすぐお昼だ。
「よし、ちょっと元気出てきたから、余った野菜で焼きそばでも作ろうかな。お昼それでもいいかな」
「ああ、雅人が作ればなんでもこの上ないご馳走だ」
おれが作るだけでもありがたがって美味しい美味しいと食べてくれる亮には、作り甲斐があるってもんだ。
―ホントに愛おしいや。
まだまだ暑い日が続くけど、亮と一緒ならどんな気候でも幸せな気持ちになりながら過ごせるんだろうな、とおれは思った。
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