亮と雅人が同棲する話
寝室はスタンドライトしかついておらず、柔らかい明りに包まれている。おれの隣では亮が寝の態勢に入ろうとしていて、布団もだんだんあったかくなってきた。いつも通りの、この上ない癒しの空間だ。
しかし今のおれときたら、気休め程度に気を紛らわすために天井をじーっと眺めながら、脳裏に焼き付いてしまったさっきの映画の怖いシーンを打ち消そうとしている。
(こ、こ、こわい、寝れない…)
先日おれの仕事先のバイク店の常連さんが話題にしてた映画にちょっと興味がわいたので、さっき亮と一緒に見た。それは怪奇・ホラー映画というやつで。普段この手の映画は見ない(なにしろ、おれは怖いのが大の苦手なんだ)んだけど、ちょっと怖いもの見たさ&苦手克服のつもりで見たら想像以上に恐ろしい映画だった。人が襲われるシーンとかで、何回悲鳴を上げて亮に抱き着いたことか。
今でも、ドアを開けると映画の中の怪物が出てきそうな気がしてならない。士官学校や軍にいた時は、こんなことはなかったのに。
今亮に話しかけたら嫌がるかな。それとももう寝てんのかな。朝になるまで何してようかな。音楽でも聴いてようかな。トイレ行きたくなったらどうしようかな…。
いろんなことを考えながら、布団に潜り込んで丸まった。すると隣の亮はおれの動きに気づいたようで、
「どうした、まだ怖ぇのか」
と心配して声をかけてくれた。からかいも入ってるんだろうけど。この声でどれだけ安心できるか。おれは布団の中からモソモソ出てきて、亮がまだ起きてるのを見てホッとしていた。
「亮はさっきの、怖くなかったんだよね…」
「全くな」
「いいなー、おれも亮みたいに強くて怖いの平気だったらなー」
「あれだけの死闘を経験しといて何言ってんだ」
亮のツッコミ通りなんだけど、怖いものは怖いんだよ。
「…と、とにかくまだ怖いよ」
こう訴えると、亮は自分の布団をスッと持ち上げる。
「しょうがねえ奴だな…俺の横に来な」
しょうがないと言いつつも、亮は慈しむように細めた目でおれを見つめていた。
もちろんとても嬉しくなって、亮に擦り寄ってぴったりとくっつく。やっぱり心の中にふわっと安心感が広がった。すりすりと亮の胸に頬を寄せると、筋張った大きい手で頭を撫でられる。亮の手の感触と鼓動を感じて、恐怖感と不安感がだんだんなくなってきた。
「ありがと、亮。これで寝れそうだよ」
「よかった。おやすみ…雅人」
亮の声でもリラックスして、おれはあっという間に眠り込んでいた。
しかし今のおれときたら、気休め程度に気を紛らわすために天井をじーっと眺めながら、脳裏に焼き付いてしまったさっきの映画の怖いシーンを打ち消そうとしている。
(こ、こ、こわい、寝れない…)
先日おれの仕事先のバイク店の常連さんが話題にしてた映画にちょっと興味がわいたので、さっき亮と一緒に見た。それは怪奇・ホラー映画というやつで。普段この手の映画は見ない(なにしろ、おれは怖いのが大の苦手なんだ)んだけど、ちょっと怖いもの見たさ&苦手克服のつもりで見たら想像以上に恐ろしい映画だった。人が襲われるシーンとかで、何回悲鳴を上げて亮に抱き着いたことか。
今でも、ドアを開けると映画の中の怪物が出てきそうな気がしてならない。士官学校や軍にいた時は、こんなことはなかったのに。
今亮に話しかけたら嫌がるかな。それとももう寝てんのかな。朝になるまで何してようかな。音楽でも聴いてようかな。トイレ行きたくなったらどうしようかな…。
いろんなことを考えながら、布団に潜り込んで丸まった。すると隣の亮はおれの動きに気づいたようで、
「どうした、まだ怖ぇのか」
と心配して声をかけてくれた。からかいも入ってるんだろうけど。この声でどれだけ安心できるか。おれは布団の中からモソモソ出てきて、亮がまだ起きてるのを見てホッとしていた。
「亮はさっきの、怖くなかったんだよね…」
「全くな」
「いいなー、おれも亮みたいに強くて怖いの平気だったらなー」
「あれだけの死闘を経験しといて何言ってんだ」
亮のツッコミ通りなんだけど、怖いものは怖いんだよ。
「…と、とにかくまだ怖いよ」
こう訴えると、亮は自分の布団をスッと持ち上げる。
「しょうがねえ奴だな…俺の横に来な」
しょうがないと言いつつも、亮は慈しむように細めた目でおれを見つめていた。
もちろんとても嬉しくなって、亮に擦り寄ってぴったりとくっつく。やっぱり心の中にふわっと安心感が広がった。すりすりと亮の胸に頬を寄せると、筋張った大きい手で頭を撫でられる。亮の手の感触と鼓動を感じて、恐怖感と不安感がだんだんなくなってきた。
「ありがと、亮。これで寝れそうだよ」
「よかった。おやすみ…雅人」
亮の声でもリラックスして、おれはあっという間に眠り込んでいた。