亮と雅人が同棲する話

 幼い頃、何回か家族とも行ったことがあるテーマパーク。そこで今おれは亮と楽しんでいた。アトラクションに乗ったり、ここならではの可愛いご飯を食べたり、ショーを観たり、ショップでカチューシャを選びっこしたり…。
 ベンチに座って一休み。
 周りはカップルと友達同士で来てる人達ばかりになった。
「亮、いっぱい遊んだね!」
「ああ、こんなに楽しんだのはいつぶりだろうな」
 亮にとっては初めての場所だったけど、おれの想像していた以上に楽しんでくれたようで、おれまで嬉しくなった。
 今回ここでどうしても亮に見せたいものがあった。それは、閉園前のイルミだ。全天候型だから、屋外とはまた違った趣があるんだ。外国の絵本に出てくるような村を模した空間にある大きな木のオブジェを中心に、色とりどりのイルミが辺りを彩るのを昔見て、すごく綺麗に感じた思い出があるので、亮と共有したくておれから誘ったというわけだ。
「今日はありがとね」
「来れてよかったな」
「楽しかったね。でもその前にね…」
「ん?」
 おれがイルミのことを説明しようとしたら、辺りが綺麗な光に包まれた。イルミが始まったんだ。
「そう、これこれ!このイルミをね、亮に見せたかったんだよね!」
 亮は一瞬驚いて、すぐふっと笑顔になった。
「綺麗だな…」
「えへへ…亮と見てるから、おれはもっと綺麗に感じるね」
「誰と見るかも大事ってことだな」
 周りに誰もいない今がチャンスだと思い、おれは亮の手をきゅっと握る。
「…りょう」
「ん?」
「今おれが何したいかわかる?…でも亮って人の心読めるもんね」
「力使わなくてもわかるぞ、雅人のことだからな」
 亮はそう言って、唇を合わせた。さっきまで亮が飲んでたブラックコーヒーの味が少ししたけど、とても甘く感じた。
 家に帰っても続くであろうこの甘いひとときを、おれは享受していようと思った。
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