亮と雅人が同棲する話

「亮、月も星空も…すっごくきれいだね」
 満天に星が広がった夜空の下で、おれはこう呟いた。
「ああ、宇宙に俺たちだけがいるみたいだな」
 亮は恋人繋ぎした手を少しぎゅっと握って、柔らかな声で言った。今夜は、おれと亮がここで暮らし始めてからはじめて二人で見る満月だ。
 夜に何気なく窓を開けたら、あまりにも美しい月が目に止まったので、少し散歩しようということになったんだ。
 ついこの前まで、おれ達があの空の向こうでムゲと激しく戦っていたなんて、この穏やかな夜空からは誰が想像できるだろう。
 たくさんの死と隣り合わせ―そんな中、4人とも生きて帰ってこれたのが奇跡なんだ。そして今、すぐ隣に亮がいることも。
「…亮」
 繋いだ手を強く握り返して、おれは亮を呼ぶ。
「どうした?雅人」
「…思い出したんだ。ムゲとの戦いの日々をね」
 こう言うと、亮は手を解いておれを抱きしめてくれた。
「…大丈夫か」
「え、何が?」
「思い出して…辛くねぇか」
「…ちょっと辛いけど、大丈夫だよ。だって、亮が生きてるんだから」
「…」
「ごめん、亮こそ大丈夫?」
「ああ…本当に…本当に生きていてくれてありがとよ…雅人」
 亮は少し涙声になっていた。しかし、これはうれし涙だということは、もうおれにはわかっていた。
「うん、亮こそ…生きててくれてありがとう」
 おれの目からも、感動の涙が溢れる。
 ダンクーガはおろか獣戦機すらなくなったけど、兵器がなくても亮と一緒に居られるこの幸せを享受していこうと思った。
 誓いの指輪が、胸に揺れていた。
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