亮と雅人が同棲する話
(亮…まだ怒ってるかな…)
仕事の昼休み、サンドイッチ(昨日の残り物)をかじりながらおれは考えていた。
そう、今朝珍しく亮とケンカしたんだ。
キッカケはホントに些細なことだったのに、お互いヒートアップしちゃった。
おれは「読む本まで亮の許可がいるの」とか「おれのこと嫌いになったんだ」とか相当ひどいことを言って仕事に飛び出していった。
どうしてあんなことを言っちゃったのか…。
「式部、さっきから気になってたんだけど、何かあったの?」
…おれの落ち込みオーラは相当だったようで、店長が心配してくれた。
…言えるわけないよなぁ。「えっちな漫画持ってたの彼氏に見つかってケンカになった」って。
「いえ、何でもないです…」
「そう、仕事終わったらゆっくり休みな」
店長はこう言ってくれた。あまり根掘り葉掘り聞こうとしない人で、こういう時にはありがたい。
事の発端はこうだ。
今朝起きたら、亮がえらく機嫌が悪いので「どうしたの」と聞いたら、「これ」と見せてきたのが、おれが愛読するえっちな漫画本だった。
昨夜読んでたのをうっかり片付け忘れたんだ。おれは(ヤバい…)と一気に顔が青くなった。
亮は
「なんで俺がいるのにこういう本読むんだ」
と言ってきたので、思わず
「それとこれとは別だろ!」
と怒鳴ってしまい、そこからエスカレートしてしまったというわけだ。
亮は独占欲ハンパないからこういうことに関しては沸点はめっちゃ低いってことはわかってたけど、まさかこんな女の子みたいなこと言われるとは思わなかった。
落ち込んでいるとはいえ、仕事にはしっかり取り組まないといけない。
今日も飛び込みの修理があったので、自分で言うのもなんだけどちゃんとできたと思う。なにしろバイクの修理やメンテは、人命にかかわることだしね。
…仕事終わっても帰りたくないなあ。
でもくよくよしてても仕方ない。亮に謝ろう。
おれはこう思いながら、シフトが終わったらバイクを飛ばして家路についた。
「…ただいま。…亮、その…あれ??」
家のドアを開けると、少しびっくりした。おれの好物のカレーの匂いがしたからだ。
「おかえり」
台所で、亮は穏やかな笑みを綺麗な顔立ちにゆったりと浮かべている。もう怒ってはいないみたいだ。とはいえきちんと謝らないと…。
「亮、今朝は本当にごめん!おれ、大人げなかったね…」
おれは頭を下げて謝った。すると、亮はおれをぎゅっと抱きしめて
「雅人、すまない…」
と言った。いつになくしおらしい亮に、おれは少し心配になったくらいだ。
おれと亮は顔を見合わせる。亮も相当落ち込んでたようだ。
「いや、元はと言えばおれが…えっちな本読んでたことだし…」
「いいんだ、俺もついカッとなっちまった…。もう好きなだけ堂々と女が出てくるゲームも漫画も楽しめ」
「いいの?!なんか申し訳ないんだけど…」
「ああ。雅人は必ず俺の元に帰ってくるって、信じてるからな」
その安定感のあるキザなセリフに、おれは破顔した。
「亮…!」
おれもまた、亮を抱きしめ返した。
しばらく抱き合った後、改めて台所を見ると見事におれの好物ばかりだった。
コンロの上のお鍋には野菜や肉がゴロゴロ入ったカレー、バットには作りかけのハンバーグ…。
「腹減ってると思ってな。今ハンバーグ焼くからな」
「…めっちゃ手間かかったでしょ…ありがとね」
雨の後は良い天気。
今晩はきっと、盛り上がりそうだ。
仕事の昼休み、サンドイッチ(昨日の残り物)をかじりながらおれは考えていた。
そう、今朝珍しく亮とケンカしたんだ。
キッカケはホントに些細なことだったのに、お互いヒートアップしちゃった。
おれは「読む本まで亮の許可がいるの」とか「おれのこと嫌いになったんだ」とか相当ひどいことを言って仕事に飛び出していった。
どうしてあんなことを言っちゃったのか…。
「式部、さっきから気になってたんだけど、何かあったの?」
…おれの落ち込みオーラは相当だったようで、店長が心配してくれた。
…言えるわけないよなぁ。「えっちな漫画持ってたの彼氏に見つかってケンカになった」って。
「いえ、何でもないです…」
「そう、仕事終わったらゆっくり休みな」
店長はこう言ってくれた。あまり根掘り葉掘り聞こうとしない人で、こういう時にはありがたい。
事の発端はこうだ。
今朝起きたら、亮がえらく機嫌が悪いので「どうしたの」と聞いたら、「これ」と見せてきたのが、おれが愛読するえっちな漫画本だった。
昨夜読んでたのをうっかり片付け忘れたんだ。おれは(ヤバい…)と一気に顔が青くなった。
亮は
「なんで俺がいるのにこういう本読むんだ」
と言ってきたので、思わず
「それとこれとは別だろ!」
と怒鳴ってしまい、そこからエスカレートしてしまったというわけだ。
亮は独占欲ハンパないからこういうことに関しては沸点はめっちゃ低いってことはわかってたけど、まさかこんな女の子みたいなこと言われるとは思わなかった。
落ち込んでいるとはいえ、仕事にはしっかり取り組まないといけない。
今日も飛び込みの修理があったので、自分で言うのもなんだけどちゃんとできたと思う。なにしろバイクの修理やメンテは、人命にかかわることだしね。
…仕事終わっても帰りたくないなあ。
でもくよくよしてても仕方ない。亮に謝ろう。
おれはこう思いながら、シフトが終わったらバイクを飛ばして家路についた。
「…ただいま。…亮、その…あれ??」
家のドアを開けると、少しびっくりした。おれの好物のカレーの匂いがしたからだ。
「おかえり」
台所で、亮は穏やかな笑みを綺麗な顔立ちにゆったりと浮かべている。もう怒ってはいないみたいだ。とはいえきちんと謝らないと…。
「亮、今朝は本当にごめん!おれ、大人げなかったね…」
おれは頭を下げて謝った。すると、亮はおれをぎゅっと抱きしめて
「雅人、すまない…」
と言った。いつになくしおらしい亮に、おれは少し心配になったくらいだ。
おれと亮は顔を見合わせる。亮も相当落ち込んでたようだ。
「いや、元はと言えばおれが…えっちな本読んでたことだし…」
「いいんだ、俺もついカッとなっちまった…。もう好きなだけ堂々と女が出てくるゲームも漫画も楽しめ」
「いいの?!なんか申し訳ないんだけど…」
「ああ。雅人は必ず俺の元に帰ってくるって、信じてるからな」
その安定感のあるキザなセリフに、おれは破顔した。
「亮…!」
おれもまた、亮を抱きしめ返した。
しばらく抱き合った後、改めて台所を見ると見事におれの好物ばかりだった。
コンロの上のお鍋には野菜や肉がゴロゴロ入ったカレー、バットには作りかけのハンバーグ…。
「腹減ってると思ってな。今ハンバーグ焼くからな」
「…めっちゃ手間かかったでしょ…ありがとね」
雨の後は良い天気。
今晩はきっと、盛り上がりそうだ。