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テーマ「ホーム」
登場オペレーター クリフハート、マッターホルン、グム、スズラン
※過去捏造、本名表記注意
「エンシアさん、お薬の時間ですよ」
はあい、と元気良く返事をした。けどマズいからあんまり飲みたくないんだよねー。
あたしがロドスに入院して二週間が経った。病室に閉じ込められて毎日検査検査で嫌になっちゃう。だけど、ここで治療を受けられるのはラッキーなことだってわかってるから我慢我慢。
「検査がひととおり終わりましたので、もう共有エリアなら自由に通行できますよ」
「やったー!」
今日はヤーカおじさんが当番って聞いてたから、お昼はお部屋じゃなくて食堂で食べることにした。広い艦内をちょっと迷子になりながら美味しそうな匂いのする方へ。
あ、いたいた。
「ヤーカおーじさーん!」
ちょうど出来上がったばかりの大鍋を運んでいるところだった。
エンシア様、勝手に病室を抜けてきたのではないでしょうね。振り返ったヤーカおじさんは釘を刺すのを忘れない。
「ねーマッターホルンのおじさん。こっちも持っていってー」
「わかりました、グムさん」
厨房を覗き込むとあたしよりも年下っぽい仔熊ちゃんがフライパンを振るっている。
「こんにちは、お姉さん。こっちに席が空きましたよ?」
さらに小さなヴァルポの女の子があたしを空席に案内してくれた。礼儀正しくてかわいい子。一緒に食べることにした。
「お姉さんはロドスに来たばかりなんですか? じゃあわからないことがあったら何でも聞いてくださいね」
たわいもない話の中で彼女も厨房の仔熊ちゃんもロドスの戦闘オペレーターだって聞いてあたしはびっくりした。
「あたしもここで働く!オペレーターになる!」
あたしはヤーカおじさんに宣言した。
「エ、エンシア様⁉︎」
ヤーカおじさんが焦った顔をしてるけど関係ない。もう決めちゃったもんね。
「待ってください。エンシア様は戦闘経験がないでしょう?」
「そりゃあないけど……。ヤーカおじさん、あたしの狩りの腕前知ってるでしょう? 絶対あたし強いんだからっ。あんなちっちゃい子も戦ってるんならあたしだってできる!」
「旦那様が聞いたらなんと仰るか……」
「お兄ちゃんは関係ないでしょ。これはあたしの人生だよ」
あたしはこれからここで暮らしていく。多分鉱石病があたしの命を持っていっちゃうまでの間ずっと。
だから。一人の鉱石病患者として病室でただ死を待つんじゃなくて、あたしの力を存分に奮って燃え尽きたいって。
——そう思ったんだ。
登場オペレーター クリフハート、マッターホルン、グム、スズラン
※過去捏造、本名表記注意
「エンシアさん、お薬の時間ですよ」
はあい、と元気良く返事をした。けどマズいからあんまり飲みたくないんだよねー。
あたしがロドスに入院して二週間が経った。病室に閉じ込められて毎日検査検査で嫌になっちゃう。だけど、ここで治療を受けられるのはラッキーなことだってわかってるから我慢我慢。
「検査がひととおり終わりましたので、もう共有エリアなら自由に通行できますよ」
「やったー!」
今日はヤーカおじさんが当番って聞いてたから、お昼はお部屋じゃなくて食堂で食べることにした。広い艦内をちょっと迷子になりながら美味しそうな匂いのする方へ。
あ、いたいた。
「ヤーカおーじさーん!」
ちょうど出来上がったばかりの大鍋を運んでいるところだった。
エンシア様、勝手に病室を抜けてきたのではないでしょうね。振り返ったヤーカおじさんは釘を刺すのを忘れない。
「ねーマッターホルンのおじさん。こっちも持っていってー」
「わかりました、グムさん」
厨房を覗き込むとあたしよりも年下っぽい仔熊ちゃんがフライパンを振るっている。
「こんにちは、お姉さん。こっちに席が空きましたよ?」
さらに小さなヴァルポの女の子があたしを空席に案内してくれた。礼儀正しくてかわいい子。一緒に食べることにした。
「お姉さんはロドスに来たばかりなんですか? じゃあわからないことがあったら何でも聞いてくださいね」
たわいもない話の中で彼女も厨房の仔熊ちゃんもロドスの戦闘オペレーターだって聞いてあたしはびっくりした。
「あたしもここで働く!オペレーターになる!」
あたしはヤーカおじさんに宣言した。
「エ、エンシア様⁉︎」
ヤーカおじさんが焦った顔をしてるけど関係ない。もう決めちゃったもんね。
「待ってください。エンシア様は戦闘経験がないでしょう?」
「そりゃあないけど……。ヤーカおじさん、あたしの狩りの腕前知ってるでしょう? 絶対あたし強いんだからっ。あんなちっちゃい子も戦ってるんならあたしだってできる!」
「旦那様が聞いたらなんと仰るか……」
「お兄ちゃんは関係ないでしょ。これはあたしの人生だよ」
あたしはこれからここで暮らしていく。多分鉱石病があたしの命を持っていっちゃうまでの間ずっと。
だから。一人の鉱石病患者として病室でただ死を待つんじゃなくて、あたしの力を存分に奮って燃え尽きたいって。
——そう思ったんだ。